2010年12月24日金曜日

座長のすがお「閉じつつ開く組織研究」@東京編

きたかんリポータきのっちです。北の観光リーダー養成セミナー座長の敷田教授は「閉じつつ開かれた組織」が、どう学習しながら育っていくかに、興味を持っているようです。教授いわく「麻美≒麻実。よく女性と誤解される名前を親からもらったことによって、僕は越境する構図の『境目』に興味がある。だから地域における『閉じつつ開かれた組織の研究』をライフワークとしている」のだそうです。

しかし「閉じつつ開く」とはどういうことでしょう。禅問答のようで、私が正直イメージしたのは網戸であり食虫植物でした(イメージが不毛で恐縮です)。ちょうどこの大学間連携の研究プロジェクト<a href="http://hope80.jp/" target="_blank">「HOPE80」</a>を、ちょっと手伝う機会があり、私も学習の機会をいかし東京に出動しました。会の規模は15名程度で、なごやかななかにもアカデミックな雰囲気でした。ちなみに研究を平たく言うと「旅行をしつつC02排出は減らし、地域と都市を結び、温泉地域が活性化するために観光とかネット技術やNPOができること」を出し合う会です。

【写真-1】会場はJR田町駅至近。全国の国立大が多数入居

【写真-2】千歳は雪。東京は晴天

まず3大学(東京農工大・早大・北大大学院)を代表して敷田教授が研究会プロジェクトの趣旨を説明し、参加者が自己紹介を行いました。そして大学だけあっても研究は「現場」がないと進まない、その具体の実験地は小田原・足柄地域に設定しています。

その後、敷田教授の指導学生でもある博士課程2年の依田真美氏が「ボランティア・ツーリズム」を、そして敷田教授が「地域づくりにおける中間システムの意義と役割」を概要説明し、参加者と議論しました。その後、ボランティア・ツーリズムや都市と農村交流の実践地として、新潟県の<a href="http://www.echigo-tsumari.jp/" target="_blank">越後妻有アートトリエンナーレ</a>に携わる、関口正洋氏が事例を発表しました。

依田氏はボランティア・ツーリズムが日本で研究の歴史が浅い状況にあることを紹介し、ボランティアを旅先で行う目的を2点説明しました。その1つは地域に人を呼んでくることで今まで地域ができなかったことができるようになる点。そして地域に関わることで意識が変わる点で、その結果、地域でのグリーンツーリズムやボランティア・ツーリズムとの間に、重なりや共通する問題が多く、双方が展開する上で関与し合う研究となることなどを説明しました。出席者からは多くの意見や質問が寄せられ、都市と農村の距離を埋める直接の交流や、実際の対話とデジタルの融合が、持続的なボランティア・ツーリズムの課題であることなどを共有していました。

続いて敷田教授は<a href="http://www.geocities.jp/loveodaashi/" target="_blank">「小田原・足柄異業種勉強会、通称:おだあし勉強会」</a>を北大側の場に設定した企画を発表しました。

【写真-3】企画発表を前にくつろぐ敷田教授

北大は「中間システム」におだあしを位置付け、当該地域の組織や運営の仕組みを研究対象とします。そして地域資源を活用し、外から人の来訪を中間システムが促し、来訪で得た利益から地域の資源に再投資を行い、環境の疲弊を防ぎ地域の価値を高め、再度サイクルを回すという構造のプロセスを、図で解説しました。この研究の到達の一つに「効率が悪いこと自体を評価の対象とする研究」を目指すと敷田教授は言います。非効率の効用を立証し、さらにCO2とも関連すれば有益であると述べて発表を括っていました。おや??またしても、効率の悪さを評価する?・・・禅問答のような目標の設定です。発表をうけての意見交換と質疑では、出席者から「プラットフォーム」や「場」という言葉について、再度の確認の共有や、公共性、ソーシャルキャピタルの概念について意見が出ていました。楽しげですが難しい話でした。そんな一連の議論の中で、「遊びがあるほうが壊れにくいものです。ムダだからこその美しさがあります」と参加者の中から、含蓄あるコメントがあり、なんだか私の印象に残りました。

休憩ののち、都市の若者によるボランティア隊「こへび」(※へびの子)と地域との交流の実践を「越後妻有アートトリエンナーレとこへび隊」と題し、関口氏が発表しました。

【写真-4】各地の持寄り菓子で休憩時間充実

こうして第1回の研究会@東京は、大学間の連携および地域と大学との協働の第一歩として、全体メンバーが顔を合わせ、研究のベクトル合わせを行い、予定時間を超えた議論を一旦締めました。そして懇親会の店へと移動して、師走のお鍋を一同が楽しみました。敷田座長のなぞかけのようなライフワーク「閉じつつ開く組織研究」による、大学間連携のよき研究フィードバックが、北の観光リーダー養成セミナーや、その修了生組織きたかん.netにも、2011年は期待できそうです。

【きたかん CAST】
・敷田座長=北の観光リーダー養成セミナー座長。よそ者と知り合うのが趣味
・きのっち=きたかん記録係。風邪ぎみから中耳炎に昇進(?)北海道の皆さまご自愛を

【NEWS】
科学技術コミュニケーションの実践と研究の交流の場として、<a href="http://costep.hucc.hokudai.ac.jp/costep/" target="_blank">北大 CoSTEP</a>が年2回刊行しているジャーナル『科学技術コミュニケーション』が最新号(第8号)発行。
敷田麻実教授が論文を出しました☆
http://hdl.handle.net/2115/44524
タイトル:専門家の創造的な働き方としてのハーフシフトの提案
~科学技術コミュニケーターとしての隣接領域での無償労働~

下記ウェブサイトから全文閲覧可能です。
http://costep.hucc.hokudai.ac.jp/jjsc/

2010年12月15日水曜日

12/11きたかん忘年会@グリーンH-1

きたかんリポータきのっちです。酒席の前には「錠剤」や「ドリンク」を飲まないと、翌日がしんどい今日この頃です。2010年12月11日(土)、きたかん懇親大忘年会@ススキノグリーンホテル1 にて開催しました。

【写真-1】52名が参加しました

下ごしらえとして、開演の40分ほど前から1次会の会場では「名産品ブース」を壁際に設置し、その準備係を、観光のセンセ千葉嬢&きのっちが担当。持ち寄り品をブースに展示しました。持ち込む品は多様で、人によってはホールでシフォンケーキや、チーズの塊だったりするので、切り分けて盛りつけます。
【写真-2】各地の美味しそうなものが。黒いのは夕張石炭シュークリームどっさり

会場の入口では、信用金庫勤務でお金カッチリ管理のふしみ氏と、旅行添乗のプロうえ氏がソフトな笑顔で出迎え、もれなく集金します。宴会時間もゆったり3時間を確保、一部をセルフでやることによってホテル開催でありながら、リーズナブルな価格設定ができました。こうした裁量が可能なのも、きたかんメンバーはたぶーさんがいればこそ。3次回をすぎてドロドロに酔っても宿泊先まで安心なグリーンホテルに取って挑んだ、きたかんメンバーも数名いました。総勢52名が7つくらいの丸テーブルに分かれてスタートします。

「ん?」
「・・・。おもしろくないな」

影の監督(?)きのっち、会場を見まわして少々不満でした。それは「いつものメンバーで固まっている」こと。席の指定は全くしていない。そのせいかもしれませんが、
・(上座らしい場所にはいきたがらないので)講師が固まる
・(養成セミナー事務局は道庁)道庁職員席ができている
・(今研修をうけている)3期生は3期生で1テーブルできている
・(タバコを吸う人は喫煙者だけで)1テーブル喫煙席ができている
なんとなしその「属性」によってテーブルに「色」がついている。そうではなく「人間をかきまぜることで、面白いことは生まれる」。のでそのままスタートするのは、まずいしょ。

そこで序盤、私がやんわりと「誘導」することとしました。円卓を時計の「文字盤」に見立てて、まず奇数席の人が起立し、時計まわりに1テーブル動いてもらいます。すると、違う属性の人が半分新たにテーブルに入りこんできます。それで忘年会をスタートしてみることとしました。宴会が始まってしまえば、お酒やつまみを取りに人はさらに動きますし、自動的にかきまわし演出は成功です。会場のみなさんは多くが観光リーダー修了生ですし、同日午後はエルプラザで「旅カフェ」ワークショップをやってきたばかりとあり、極めてスムーズに協力が得られました。適応能力のある集団です。

代表者をしているワッキーが、総体としてのきたかんをPRしました。
続いて各単体での「きたかんPRタイム」として、一部にプロジェクタも使い、各ユニットの代表が説明しました。
・洞爺(にし)
・日高(たどころ)
・夕張(あらだて)
・夕張ファンタ映画祭への支援(くぼじゅん・はたぶー)
4本のプレゼンを聞く参加者にしてみれば、各々の取り組みも、刺身も、お酒も同時に摂取し、隣席の人とも話をしつつプレゼンを聞いていますので、「聖徳太子なみの処理能力」が必要でした。

酔いが回ってくるころ、名産品のPRタイムに入り、遠くは沖縄など自分の出身地から逸品や新製品、なかにはまだ売られていない試験段階の品を持ち寄り、紹介しました。

【写真-3】各地産品のPRタイム

各地の酒(ワイン、山ブドウワイン、日本酒、焼酎、泡盛、紹興酒)、各地のお菓子(石炭シュークリーム、ラスク、飴、餅、シフォンケーキ)、カワキモノ(ししやも、コンブ、豆、鮭とば、チーズ)など多数の持ち寄り品、そのPRがおわるや否や「名産品ブース」は今回も大盛況でした。品々はキレイに飲んで食べて持ち帰りました。そして宴は中締め⇒本締めとなり、2次会組はカラオケの館へと、分かりやすいMAPと誘導隊によって、導かれていきました。

こうして、北の観光リーダー養成セミナーを縁に結成した、きたかんメンバーは2010年も楽しく集い、学び、遊びました。北海道の内需拡大、買い支え部活動「きたかん.net」は、2011年も楽しく続いて行きます。


【きたかん CAST】
千葉/きのっち/ふしみ/うえ/ぬまっち/はたぶー/ワッキー/にし/たどころ/あらだて・・・ほかALL☆

2010年12月12日日曜日

12/11旅カフェ@エルプラザ

きたかんリポータきのっちです。札幌は雪の1日でした。昨日2010年12月11日(土)は北の観光リーダー養成セミナーによる「観光人材交流会-旅カフェ2010~世界レベルのリゾート地“HOKKAIDO”を目指して北海道流のおもてなしスタイルを考えよう!~」が行われました(続編)。

受講者の声を聞いたあと、しばし休憩して、小道具を準備して「旅カフェ」というワークショップを行いました。ワークショップにはいろいろありますが今回は、皆が偏りなく参加し、否定や反論されることのない、到達点を目指さなくてよい、居心地のよい場づくりの実践として、おそらく皆にとって身近な旅行をテーマに、話題を構成しました。案内人は、<a href="http://www.scenicbyway.jp/" target="_blank">シーニックバイウェイ支援センター</a>で広報を手掛ける、かとうけいこ氏が務めました。

【写真-1】100人近いワークショップは壮観

・これまでに「もてなし」を感じた自分の旅経験
・北海道らしさとか、北海道ならではの魅力
・北海道を訪れる旅人にとって足りないもの、あるいはプラスしたらよいと思うこと
を「カフェ」のような空間で、計90分話し合います。

【写真2】3つの“お題”によって話し合います

お話しするテーマが20分ほどの時間ごとに変わるので、その回ごと、各テーブルの1人(守人)を残して皆が好きなテーブルに旅します。

【写真-3】次のテーマに向け「総がわり」している最中

そして最後には、当初に出発したテーブルに戻ってくるという、旅仕立てとなっています。ですから旅カフェという名前がついています。そして、1人の話題独占を避けるため、マスコットを握って話す(トーキングオブジェクト)という掟があるという点が、普通の「茶飲み話」とは違う「旅カフェ北海道」でした。ちなみに、マスコットなどは普段の仕事にまず使わない特別な備品であり、ワークショップの回ごとに、事務局クラモト嬢の大事な私物から提供を受けています。

【写真-4】大のオトナがマスコット手に語るほほえましい風景

普通の会議と違って、到達点や決めるべきゴール設定がない、誰もが否定されずに心地よく話せる、そこからアイディアや発想がポジティブに広がって行く気持ちよさを感じたであろう、ワークショップでした。基調講演と、受講生のセッション、そしてワークショップで、北の観光リーダー養成セミナー活動の一端を公開しました。2011年はどんな受講生がセミナーの扉をたたいてくれるでしょう。


【きたかん おもなCAST】
・かとう=本業は広報部長。研修とかワークショップも、息切れしながらやる姐御
・クラモト=道庁職員にして養成セミナー事務局。ゆるキャラ好き
・きのっち=きたかん記録係。話が長い欠点を自覚している

12/11観光人材交流会-2010

きたかんリポータきのっちです。札幌は雪の1日でした。昨日2010年12月11日(土)は、北の観光リーダー養成セミナーによる「観光人材交流会-旅カフェ2010~世界レベルのリゾート地“HOKKAIDO”を目指して北海道流のおもてなしスタイルを考えよう!~」が行われました。

会場はサツエキ北口直結のエルプラザ、3Fのすばらしいホールを使いました。この催しによって、次期受講生の獲得とか、セミナーのPR、そして1-3期修了生と現役の受講生、さらには4期の次期受講を検討する人たちが面識を得て深めるなど、さまざまな効果を狙っています。そして、観光という広い産業や業界をフォローしているセミナーでは、豪華&多彩なゲストも魅力です。今回は領事館から、流暢な日本語と日本の自然や文化を観察する目を持つ、ジョン・リース氏が考える北海道、および日本の魅力を語りました。

【写真-1】基調講演 在札米国総領事館 ジョン・リース氏

続いては、「受けた人にセミナーの良さを聞いてみよう」。2010年の9月から受講している現役の5人が壇上の椅子に座り、敷田座長はステージを自由に動き、質問を振り、5人と対話するというスタイルで、トークセッションが行われました。

【写真-2】トークセッション

彼&彼女らがセミナーを受講しようと思った動機、受けてみて感じた気づき、今まで受けてきた研修や、習い事とは異なる点や、受講生同士のエピソードや、各人にとっての養成セミナーとは、など、敷田座長がうまく引き出し、まとめていました。問いかけによって出てくるコメントは各人まちまちですが、総轄すればそれらは
・できなかったことができるようになる喜びの共感
・個別の闘いではなく、グループ皆で成果をだせるようになる
・修了後も受講生同士や先輩修了生とのつながりが維持される etc
であることで、北の観光リーダー養成セミナーの受講によって得られることを、敷田座長が整理していました。

しかしこれ、「セッション」ではありますが、下準備としての打合せもないのによく登壇者も、敷田座長からの突然のフリについていけるものだと感心します。こうした「アドリブ能力」も、次世代観光リーダーにとっては必須の能力といえましょう。

【写真-3】フロアに降りて“取材”する受講生

私が聞いたところでは、デザイン会社勤務のM氏のコメントが印象的でした。社会人は就職することによって、多様な人脈を得ることは印刷業とか広告業のように偏っており、異業種の人脈との出会いは意外と少ない。私にとって北の観光リーダー養成セミナーは社会人による、「北海道観光を強くしたい部の部活動」みたいだ。そこでは個人が各地で孤独に頑張るのではなく、チームをつくり、練習を積んで、試合にでて出来・不出来の成果を知り、さらに強くなるために検証を行う。こうした一連のプロセスを、体育会系でなく観光に置き換えて、セミナー受講によってできる。人脈の広がりと部活動の楽しさが受講によって得られた。
このような旨をM氏ほか、登壇者たちは語っており、講師陣や主催側が期待した効果が着実に出ていることを感じました。とくに、これら催しの仕込みに、時には日付越えの業務を遂行している道庁事務局ズは、泣いて喜ぶことでしょう。また、この日に合わせて転勤先の大阪から飛んできた2期生にゃま氏も、人的ネットワークの拡大を遠隔地から支援するきっかけとなったでしょう。

トークセッションに続いては、ワークショップ「旅カフェ」が始まります(続く)。


【きたかん おもなCAST】
・敷田座長=北の観光リーダー養成セミナー座長、2010年最大の私事は孫の誕生
・3期M=札幌デザイン事務所社員。人との出会いはアナログ手法好き
・クラモト=道庁職員にして養成セミナー事務局。ゆるキャラ好き
・にゃま=きたかん2期生のテレビ局営業マン、大阪から札幌を支援する
・きのっち=きたかん記録係なのに、自分の小遣い記録は続かない

2010年12月6日月曜日

メンバー探訪@観光局

きたかんリポータきのっちです。北海道の次世代観光リーダー育成のもと、1期&2期生のメンバーが学んだ出身母体である「北の観光リーダー養成セミナー」の事務局には、仕事も飲み会もYOSAKOIも旅行も、全てが大事というクラモトデスクというキーパーソンがいます。

彼女の働く背中をご紹介しましょう。まずはいきなり・・・。リラックマに包囲された城塞のような机から!

【写真-1】関係者の中では半ば“観光名所”化している

道庁を訪問すると、4つに分かれている観光の部局があり、その一角に彼女の個性的なデスクがあり、ご本人が生息しています。ちなみに北の観光リーダー養成セミナーは平成22年度は、札幌と釧路に分校(?)を持ち、道庁で2箇所をケアしているため、業務がなまら増えて、事務局は大忙しのようです。ですから不在なことも多いのですが、彼女にとって出張とは、過酷な事前-事後処理を伴いつつ、道内・道外各地からの「個人的仕入れ」も兼ねていると聞きます。

【写真-2】名所で仕事をするクラモト嬢

彼女はなんでも自分の興味を引いた商品は買ってみる、食べてみる実践者でもあります。観光部局にうってつけの人材といえましょう。その本業である人材育成事業では、事業費の管理や、講師との調整、場所の確保や資材の調達、宿泊があれば予約、移動の足の確保、資料の準備と印刷、受講生からの要望や不平不満の窓口、自主的飲み会の場所確保などなど、多くの大事な仕事や瑣末なことごとが、クラモトさんのデスクに集まってきます。普通の人ならヘトヘトになると思います。

【写真-3】ある時は調達班として

【写真-4】YOSAKOIで鍛えた体力が売り

北の観光リーダー養成セミナーに興味がある人はどうぞお尋ねください。観光の部局で職員さんはフレンドリーですので、訪問も歓迎してくれることでしょう。

【写真-5】入って一番派手なデスクが目印


【おもなきたかんCAST】
・クラモトさん・・・YOSAKOIは人づくり。チーママと呼ばれることもある
・きのっち・・・きたかん記録係。リラックマよりミッフィーがすき

2010年12月4日土曜日

11/28穂別映画集団@札幌ロケ!

きたかんリポータきのっちです。カメラのSDをなくして困っていたのですが、買いに走り解決しました。北の観光リーダー養成セミナー2期生で、二輪車好きのイージライダー役場職員、田所さんの暮らす町むかわ町「穂別:ほべつ」が、今日のテーマです。

ちょっと以前に、「皆様ご存じ穂別の高齢者が出演する映画の第4作『赤い夕陽の爺jyurie(ジュリー)』のロケが道庁でで行われます」と道職員、栄一郎さんからのML 情報で、穂別おっかけ隊の私は、2010年11月28日(日)ロケ見学に行ってきました。家にいて気づいたら14:40だったので、「あぁ!ロケが終わってしまう。4作目品目の映画が、しかも札幌ロケをやるなんて、そうある機会ではない」と自転車で駆け付けました。日曜のロケは気温3度、晴れでしたがやや風が強めでした。

【写真-1】庁舎壁面の「丸いブチ模様」は、向かいのビルのガラスによる反射
によるもの

【menu】
 2010年11月28日(日)10:00~15:00 @道庁赤れんが庁舎
 内容:10:00~10:30 役所への陳情シーン(リハーサルと本番)
    11:00~12:00 ダンスシーン(リハーサル)
    13:00~15:00 本番

穂別の高齢者による映画制作集団「田んぼ de ミュージカル」。フランス国営テレビの取材クルーに「こんな集団はここにしかない!」と言わしめた、平凡なお年寄たちによる、非凡な活動です。

【写真-2】スタンバイ中の出演者

2002年に委員会を立ち上げ、45分の映画をこれまで3本撮って本作が4本目。こうした地道に続く活動が全国に知られるようになり、俳優さんたちへの取材や、実行委員事務局長さんが、他の地域に出張指南していると聞きます。ちなみに穂別は、むかわ町と合併した山あいの、地図のおおかたが旧穂別町、林業と農業のまちです。そこに暮らす高齢者の属性は、農家のじいちゃんばあちゃんが多いのでしょうか。

さて、農家もいわば作物を通して表現する者。米やメロンという表現手段をいかに立派に、自分の満足のゆく理想へとに育てるかに砕身してきた人たちですから、映画の世界でもこだわるわけです。みな立派なお年寄ですが俳優・女優モードが入ってて、リハーサルからブラウスなど薄着ないでたちで、モニターのチェックとか、長い待ち時間もあるなかでも、さほど苦もなく待っています。なんだか楽しげな雰囲気の中にも緊張感を保ち、監督の指示にも的確に応えているのが見えて、役者としてプロの仕事ぶりを感じました。

【写真-3】旗を振るか降らないかをチェックする監督

【写真-4】モニターが映らない・・・トラブルも解消

【写真-5】撤収も手慣れたもの

【写真-6】むかわ町のロケバス

この一連の映画づくりを支援している崔洋一監督の姿も、今日初めてみました。声の良く通るかたで、特別なオーラというよりも、気さくなおっちゃんという感じでした。このように、皆の力で良い作品に仕上がることを現場を見て改めて感じました、上映に期待しています。

ちなみに、この集団には「映画が出来上がるまで死んだらダメだぞ」という合言葉があるようです。「葬式には出られないぞ。お前が死んだらお前の代役はいないんだからな」と励まし合う、そんな年寄り映画制作集団。北海道の農山村に注目を集める、すばらしく突き抜けた生き方です。

【きたかん CAST】
・田所さん=きたかん.netイチ声が大きい(たぶん)。穂別の役場で観光など担当
・栄一郎さん=もとホテルマンな道庁マン。子どもにモテる
・きのっち=きたかん記録係。うがいと手洗いが好き

12/4夕張セッション第2章「破綻」

きたかんリポータきのっちです。本日2010年12月3日(金)、北の観光リーダー養成セミナーの受講生を毎年出していて、地域の再生に前進しようとしているまち夕張と、セミナー修了生組織きたかんが、互いに学び自身の活動にも活かしましょうという「夕張ユニット」荒舘・くぼじゅん・はたぶーさん企画の勉強会がありました。

夕張セッション第2章『炭鉱から観光そして財政破綻・・・』
場所:キャリアバンクセミナールーム。出席 合計17名 でした。

【写真-1】きたかん修了生が講師に。企画したのも同修了生(左:あらだて氏、右:千葉氏)

あらすじ=1983年の「石炭の歴史村」開業から観光業が始まり、スキー場、ホテル、遊園地、ロボット館、世界のはく製etc・・・、ハコを作って資源を来訪者に見せることから、3セクが経営し続けていくためにハコを作り続けることへと、目的がすっかり変質し、ついに2006年財政再建団体となり夕張市は破綻しました。そんな観光投資の結果、やまもりの3セク処理が待ち受け、その再建を「現場で見て仕事に携わった者」として、2人がその時代を語りました。1人は市職員、もう1人は銀行からの出向職員。かれらの率直な語りには、出来事は夕張で顕著に現れたが、どこにでも起こりうることだ。というメッセージが込められていました。

まず講師-1として佐藤学さん 市の建設課で市営住宅の管理を担当しています。「観光とは関係ない課なのに~?」と思うなかれ、佐藤さんは様々な役場の課を、仕事を鵜のみにしてこなすだけでなく、常に批判的に向き合ってきっちり問題点は相手とケンカしてでも、ないがしろにせず、渡り歩いてきた職員です。大変な課を渡り歩くことは、それだけ仕事と真摯にむきあって来たことの表れ人事です。それを美辞麗句がないご本人の弁だと「人呼んで『汚物処理班』、歩く三角コーナーとして、異動を命ぜられてきた」とのこと。公務員としてのアウトローぶり、すばらしい表現力です。佐藤さんが20分ほど喋って10分ブレイク。休憩ののち、講師-2として夕張の財政破綻時における処理を、市役所を支援する出向という身で現場に入り、2年間苦労して担当したのが、きたかん2期生の千葉さんで30分語りました。

それにしても、夕張が破綻して大変だという情報は、テレビに新聞、本で表現されてきたものは数あれど、どれも夕張の事実を適宜、素材になりそうな部分だけくっつけて話に整えたものも多々あったと思います。事実ではあれど真実ではない。その真実を、実際に“処理班”していた2人から聞けて、そして後半では夕張4人衆として、フロアとも交えてQ&A式で話を深く聞くことができたことに、とても価値ある時間をすごせました。

【写真-】夕張ゆかりの4人衆(左から佐藤・伊藤・千葉・あらだて)

組織として目的を設定し、人や情報などある資源を動かすことの大切さを痛感しました。本来、組織としてうごくべき市役所が属人的に、きわめて非システム思考で長年やってきており、中の人達は改善すべきことを思考できない、いうなれば「困っているんだけど、具体的にどう困っているかが分からない困ったぶり?」が蔓延している組織、それが夕張市役所でした。そして課内はおろか、自分のすべき最低限の守備だけ見ていて庁内の連携や、市と他の機関との連携は、守備の範囲外で個人の知ったことではない。そうした仕事をめぐる症状は、夕張でたまたま顕著に現れただけで、各地の市町村、いや、フツーの会社内にも色濃くみられる現象ではないでしょうか。

Q&Aタイムでは、このような質問(一部)が出ていました。

Q:市役所職員は、支援の目的で外からデキる逸材が各地から入ってきた。彼らに感化され「やらなきゃ!」と奮起して、自ら変わるという変化がなかったの?
→一部影響されて仕事ぶりが変わった職員もいたが、土台となる人材育成の仕組みがない環境が長く続いたので、古参は外部から刺激しようとさほど変わらない。

Q:夕張市や市民は外からの支援を、ホントのところありがたいと思っていたのか?
→市民や市役所に「支援慣れ」している面があった。炭鉱時代の文化が影響していると思われる(北炭時代~ 家賃、光熱、風呂etc・・・無料で使えて当たり前)

Q:支援に入る人が、市の課長など権限をふるえるポストにつかなかったのか?
→長も長補佐もプロパー系職員で、実際に外からの支援人材がつくのはそれ以下の職位だった。

Q:暗い話ばかりだった。夕張に明るい話はないの?
→明るい話題としては、破綻以降こうして我々がヨコに連携する機会が生まれた。そのつながりから、いま若手が奮起しようとしている。

Q:いろんな人的支援、物納、ボランティア等あった。本当にほしかった支援は?
→夕張にはいろんな支援がきたが、市役所に人を育てるプログラム自体がないことが一番の弱点。ここの改善には、今いる反対派の影響があり内の努力では困難。総務や人事などに人材育成のシステム思考を持つ人がついてくれると、市役所は変わると思う。

・・・と質疑も沢山寄せられましたが一旦終え、話足りない点は有志と夕張組、場を変えて飲みに行き、懇親を深めました。次回の夕張セッション第3章、テーマは『市民活動について NPOの設立』、2011年1月の開催予定です。こちらも楽しみです。


【セッション第2章ゲスト】
★佐藤学 氏
破綻当時、観光課として3セク処理を担当し、再建計画案策定に係わり、現在住宅再編問題を担当。

★千葉敬司 氏
北海道銀行美香保支店(きたかん2期生)
銀行から出向職員として夕張市地域再生室主幹として、3セク処理など藤倉市政を2年間支えてきた。
 
【きたかんおもなメンバー】
千葉さん・・・久しぶり登場のきたかん2期生、銀行マン 
くぼじゅん・・・恵庭でまちづくりをやっているデザイナー
はたぶー・・・夕張セッションでは企画&集金係。すすきの魅力UPを企む
あらだて・・・きたかんと夕張との縁を取り持つ夕張のNPOスタッフ
きのっち・・・最近なくしものが多い、きたかん記録係

2010年11月19日金曜日

夕張セッション第1章「夕張歴史学」11/10

きたかんリポータきのっちです。私的な不在により活動報告が押し押しになっています。本日の話題は石炭。オイルショック生まれの私は北海道に来て初めて実物を見ました。石炭からも「きたかん.net」は学びます。実際の地域を使った観光まちづくりを、地域側と学ぶ側で対話しようと、先日2010年11月10日(水)18:30~21:00まで@札幌キャリアバンクにて「夕張セッション」第1章という、3回シリーズの勉強会初回をひらきました。タイトルは『夕張歴史学』。講師を含め17名が参加しました。

【写真-1】炭鉱の話は非常に面白い

まちづくりとか中心市街地活性化の業界(?)では、よく「先進地視察」を行いがちです。まぁそれもよいのですが「ダメになった結果検証」にこそ、学ぶべき点があると私は考えています。とはいえ失敗を認め外部に見せることに対し、抵抗を示すこともありましょう。そうした中、前向きメンバーによって夕張から学ぶ機会を、<a href="http://yubari.org/" target="_blank">地元NPO</a>あらだてさんが中心となって作りました。夕張から参加しているきたかんメンバーがいてこそ、こうした企画が実現するわけです。なお、きたかんの有志では「夕張ユニット」を結成して現地を学び、各自できることから夕張の映画祭などを支援しています。

【写真-2】夕張の破綻以降のスクラップ(思わず読み入ってしまう)

ご存じの通り、エネルギー政策の転換期まで、国策で栄えたまちの一つが夕張市です。この日きたかんメンバーは元学芸員の青木さんからまちの歴史を学び、理解を深めました。明治政府お雇いの鉱山学者ライマンによる石炭の発見から始まり、炭鉱や鉄道の整備、そして閉山をうけて「炭鉱から観光」に転換を図った頃までを、駆け足で語りました。青木さん自身も産炭地である三笠の出身で、学芸員として夕張に暮らし、炭鉱を中心に地質や民俗、交通、産業技術、文化など広がる興味の対象を極めてきた人です。

【写真-3】青木さんは学芸員の専門性を活かした、夕張の起業家でもある

Q&Aタイムでは
・なぜ炭鉱から観光に転換したの?
・修学旅行生の博物館見学は、年間どのくらいの来館数?
・博物館の老朽化、それを運営する民間企業ではどう考えます?
・移動性の高さが炭鉱人の特徴。なら夕張の高齢者はなぜ残っているの?(いく先がない or 不便はあっても夕張が暮らしやすい or 近所のつながりがあるから?)
・観光にシフトしても、女性パートの仕事のほうが多い。炭鉱マンは大部分が不要になったはず。彼らはどこに仕事を求めた?

こうした、沢山のQQQQ・・・が青木講師に寄せられました。
そして一端、会場はお開きとして、居酒屋に移動しさらに盛り上がりました。

【写真-4】片づけ。皆でやるのがオキテ

【きたかんゲスト~講師紹介】
青木隆夫 氏 <a href="http://yubari-resort.com/hakubutsukan/" target="_blank">夕張市石炭博物館</a> 元館長
あわせて「夕張地域史研究資料調査室」を起業し室長に就任。
法政大学法学部の政治学科で准教授としても活躍中。

主な著書(&共著)
○『新体系日本史11産業技術史』」「鉱業技術史」(山川出版 2001年)
○『日本歴史地名大系北海道の地名』「夕張市」(平凡社 2003年)
○『炭鉱―盛衰の記憶―』(北海道新聞社 2003年)
○『歴史と地理』「炭鉱町の形成と発展」(山川出版社 2004年)
○『夕張あの頃の炭都』(河出書房新社 2007年)

2010年11月16日火曜日

観光人材ネットワークづくり@後志11/21

札幌では氷が張った朝でいさぎよい起床が厳しい、きたかんリポータきのっちです。「北の観光リーダー養成セミナー」の修了生組織、きたかん.netの代表代表世話人を務めている、自称「倶知安のはみ出し者(!)」ワッキーが、いろんな主体との協働でワークショップを行うようです。興味のある人へのオープン企画ですので、ぜひ早めのお申込を!後志エリアの観光まちづくり人とのネットワークも、きっと広がることでしょう。

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タイトル:観光人材ネットワーク形成セミナーinしりべし
~観光振興に科学的手法を~

ねらい:観光振興を科学的に分析するための手法を講義とグループワークを通じ楽しく学びます。セミナーでの協働作業を通じ、地域の観光振興の担い手間のネットワークを強めていきましょう!!


日時  平成22年11月21日(日)9:30~15:00
@北海道後志合同庁舎 (0136-23-1365)定員30(先着順)

●基調講演(9:30~10:30)
 戦略的観光振興のための方法論とその実践例
    講師 北海商科大学観光産業学科教授 大内 東 氏

〈内容〉戦略的観光振興を進めるために有効と思われる科学的方法論と、演者が進めている、「R12背骨プロジェクト」への実践例をご紹介。

●グループワーク(10:30~14:30)
 明日から使えるSWOT分析の枠組み
  講師 ユニファイド・サービス株式会社 森本 伸夫 氏
〈内容〉グループワーク形式で、一般的なテーマをもとにそこに関わる組織や人についてSWOT分析の枠組みで議論し、SWOT分析がどのように使えるかを勉強します。

●クロージング(14:30~15:00)  

【問】後志総合振興局 観光振興係11/21セミナー係
電話:0136-23-1365(ダイヤルイン)


【主なきたかんCAST】
・ワッキーさん・・・倶知安を中心に商売とまちづくり、きたかんでは代表世話人
・きのっち・・・最近は冷え&乾燥対策に靴下をはいて寝る、きたかん記録係

2010年11月8日月曜日

広報11月号に掲載☆北の観光リーダー

きたかんリポータきのっちです。北の観光リーダー養成セミナーも、徐々に巷に進出してきた感あり、なのでしょうか。「広報ほっかいどう」2010年11月号に掲載されました。この人材養成を自分でうけて変化したことを、1期生の日下部さんが語っています。

201011広報ほっかいどう.pdf

以下、引用です。
■セミナーでの学びを、実践に生かしています。
北の観光リーダー養成セミナー第1期(平成20年度)修了生
(有)小樽観光ネットワーク 日下部信正さん

 観光に長く携わってきた経験を検証し、新たな視点で観光を学んでみようとセミナーに参加しました。全8回のセミナーは実践的で、グループワークでは、周囲の意見を聞きながら課題解決を図る手法を学びました。
 また、余市町で行った宿泊研修「地元学」では、地元の皆さんと一緒に町内を歩いて観光資源を探し、ツアー商品を企画しました。この経験は、現在の自社商品づくりに役だっています。
 修了生のネットワーク「きたかん.net」を通じた仲間との交流も励みになっています。
 セミナーで学んだことを今後も仕事に活かし、知恵と工夫で小樽を訪れるリピーターを増やすことが目標です。(原文ママ)

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ちなみに、記事にもあった日下部さんの会社は、<a href="http://www.o-s-n.co.jp/" target="_blank">小樽の小さな第3種旅行業社</a>で、会社の頭文字を取って「OSN:小樽・sightseeing・network/オー・エス・エヌ」と言うべきを、ご当人が「会社名は『オッサン』私、おっさん」と自虐ネタにして外部に営業しています。こうした、もともと高いコミュニケーション能力が、さらに高まることも北の観光リーダーの副次的な効果といえましょう。さらに、敷田座長のコメント記事も発見しましたので引用して紹介しましょう。

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■観光による人と人との交流で 地域の価値を再確認。
北海道大学 観光学高等研究センター教授 敷田麻実さん

 北海道はスケールが大きく、道内旅行であっても暮らしや文化が異なる「身近な異郷」を体験できます。その「違い」の魅力を活かすには、地元の人がまず地域の価値に気づくことです。
 それを教えてくれるのが、観光客との交流なのです。自分たちの地域のすばらしさを再認識でき、それが「ここに住んで良かった」という誇りにつながります。
 「身近な異邦人」である道内観光客との交流が、これからの地域を支える時代になるでしょう。(原文ママ)
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なるほど、そういえば同じ北海道でも、例えば渡島とオホーツク沿岸では、人の気質が違う。道内をもって「身近な異郷」とは、うまく表現したものです。このように、異郷の人である道内の人達が、互いに行き来して、良さをクチコミで紹介しあいっこすることで、各地の人との交流が深まり、楽しみが増えます。首都圏や旅行博などに出展して、北海道キャンペーンを張るよりも、単なる主観の域ですが“打率”はいいと思います。

草の根の道民でお互いに北海道を買い支える。これも、持続可能で楽しく取り組める北海道の観光振興戦略(?)かもしれません。そういった可能性に賭ける集まりを紹介した、広報ほっかどう11月号、ぜひチェックしてください。

【きたかんCAST】
・日下部さん・・・観光の殿堂立教大→ホテルマン→旅行業を営む。自称小樽のオッサン
・敷田座長・・・きたかんを伝説にする野望をもつ北大教授らしくない先生
・きのっち・・・きたかんを観察する異業種交流マニア


【CM】社会人の学び直しや科学技術コミュニケーションなら。
北海道大学CoSTEP(科学技術コミュニケーター養成ユニット)
http://costep.hucc.hokudai.ac.jp/costep/
※きのっちの独断&趣味でお薦めするHP・ブログ

2010年11月5日金曜日

かかわりの線引き議論@例会

きたかんリポータきのっちです。2010年11月4日(木)業後に「きたかん.net」第6回の例会を行いました。「北の観光リーダー養成セミナー」を受講した修了生を中心とする組織として、ゆるいつながりを維持し、修了生の共通点では閉じつつも、でも社会に対して活動内容を開示する姿勢を保ちたい、という組織のコンセプトです。

【写真-1】ただいま20:20、ホームページの内容を検討中

しかし179も市町村がある大きな北海道ですから、次世代の観光人材を自覚する、実務家&異業種の集団である組織を運営する上では、1人のカリスマリーダーが組織を引っ張るのではなく、異なるやり方が必要です。そこで複数の地域に組織本体のコアを担えるメンバーがいて、色んなメンバーの中から、よその地域課題を応援しにいく「ユニット」を自主的に結成するところまで、この活動は進化してきました。ゆくゆくは、従来の観光産業や業者や自治体では考えられなかった、観光が関与する新たな事象を皆でかかわり、観光をもっと面白くする組織をと、ねらっています。ですので、組織運営における先行モデルないなか、模索を続けて議論を重ねている状況です。

今日の例会では
・日高の馬産地を広域ネットワーク化させるための、モデルツアー「日高だ~べ~」の事業実施報告 ※ちなみに北海道弁とダービーを掛けたネーミングです、念のため /報告者:ワッキー&荒井さん

・夕張を3回かけてじっくり学び、2011年2月夕張映画祭を支援しにいこう。「夕張セッション」の段取りについて/久保じゅんさん・あらだてさん

・きたかん.net公式ホームページ(試作品)へのアイディア出し/ALL

・きたかん組織に起きている小さな問題の、具体例と解決提案/クラモトさん・敷田座長 ALL

などが議論されました。そして全体を通して今後、きたかんを、もっと「組織」として動かしていくためにはどうするべきか、といった内容が課題として認識されました。今は規約もない、ミッションも充分に共有されていない、9月に入った3期生とも半ば思いは同士だが、修了生と現役受講生は、まだ同じではない。そうした点を再認識しました。そんな「ふやふやした集団」ですから、皆の知恵や工夫を出し合ってうまく育てたいものです。

【写真-2】この日は高男性比率。普段は元気な女傑メンバーが多数います

この例会、進行役はこれまで、アメフトという極めて米国流儀の戦略思考を組織運営に置き換えて、きびきびと議論をさばいてきた、にゃまさんが担っていました。が、彼は大阪に異動となり現在は、きたかん関西支部メンバーです。そこで今回仕切っていたのは、添乗員の会社をマネジメントする上さん。このかたも秀逸で、時間が来ると、議論の最中であっても「時間なので、次の議題に移ります」。飄々と時間を管理し進行してくれます。周囲に流されず時間厳守なのは、添乗員の作法に培われたものなのか?!

この日は終盤に敷田座長が加わり最大13名が参加。例会は21時10分にお開きとしました。その後、空腹メンバーはご飯を食べに8人が居酒屋に移動し、ヒグマとの共存をネタに、いろんな土地での生活や、旅の話で盛り上がりました。


【おもなきたかんCAST】
・ワッキーさん=わが人生最繁忙期の11月をおくる、倶知安の暴れん坊将軍
・荒井さん=乗馬の大会2010年の日本一。チャンピオン&馬のお医者さん
・久保じゅんさん=タバコの値上げを受け、2→1箱に減煙で対応するデザイナ
・あらだてさん=きたかんと夕張との縁を取り持つNPOスタッフ
・クラモトさん=“盛り”が尋常ではないデスクできたかんを支援する道職員
・敷田座長=きたかんを伝説にする野望をもつ、北大の先生
・にゃまさん=きたかん戦略室長だがいまは関西に異動。最近は静観中
・上さん=添乗集団を柔らかく確実にマネジメントする、柔よく剛を制すひと
・きのっち=きたかん記録係。人の顔を覚えるのがなまら遅い

2010年11月3日水曜日

「炭鉄港2010」ワークショップ@札幌

きたかんリポータきのっちです。本日は文化の日。空知総合振興局の澤田さんより、ワークショップの案内があったので出かけてみました。北の観光リーダー養成セミナーでは、直接のメンバーではなくとも、色んな地域が結束した活動の公開イベント情報が、MLによって通報(?)・・・いや、共有される体制をとっています。北海道の文化の一つに、炭鉱マチであった文化があります。今回のネタは「炭・鉄・港」。なんじゃそりゃと、言われそうですが、近代日本のモトを作った「燃える石:石炭」と、掘り出した資源を積んで運ぶ鉄道、そして積み出す港の、エッセンスを文字にしたところ「炭鉄港」のようでです。

旧産炭地の現状は、私は夕張市しか自分の足で歩いたことはないですが、人口減少や自治体の財政難など、暗い話題もある一方、かつて栄えた産業が「産業遺産」として諸施設がいま価値を帯びています。そこにいた元炭鉱マンもまだ地域に多数いて、ご健在である。それらをいま資源化しないと、将来きっと記憶が消えてしまいます。そこでこうした観点で、単体の市町村でまちづくりすることの限界を認め、広域連携する地域を、「炭・鉄・港」の切り口でフォーカスしたのが、この取り組み。北海道は歴史がないとよく言われますが、江戸末期から急速に資源の発見と開発、発展と衰退をたどった意味では、内地と同等いや、それ以上にダイナミックな浮き沈みの記憶を持つ地域であると言えます。

本日のワークショップ、開催は「ホテルロイトン札幌」でした。私はてっきり道庁の近所にある「ポールスター」と間違えて、軌道修正してタクシーで間に合いました。。現場には、札幌国際大学吉岡宏高先生の影響を受けた「吉岡チルドレン?」、きたかんのメンバーである通称「ミスきたかん」2期生の千葉嬢がいました。千葉嬢は観光の専門学校の先生でありつつ、こうした、道内の地域人材とのワークショップや講演にも、楽しんで出てくる逸材です。会場はおよそ80名、14テーブルに分かれて、有意義な話しあいが進みました。

【写真-1】石炭の記憶を熱く語る吉岡先生(朝まで起きていたらしい)

【写真-2】ワークショップと言えば色ペン、post-it、模造紙

【写真-3】各班、議論のまとめを2分で発表

ワークショップの結果、14のテーブルから様々な意見
・知識や記憶のプラットフォームの必要性
・これからも炭鉄港を名乗り続けることの重要性
・地元住民との交流
・里帰りできる地域お帰りと迎える
・横の連携 ・旧産炭地の三都物語をつくろう 等、以下略

がコンパクトにまとめて発表されました。何らかの出会いなり、かきまわし効果が起きた・・・であろうことが嬉しい、ワークショップでした。


【きたかんCAST】
・千葉さん・・・ミスきたかん。キュートだけど体を張ったギャグもかます観光の先生
・きのっち・・・きたかん記録係。出身地加賀と赤平市(元産炭地)は姉妹都市

2010年11月2日火曜日

開催中!東胆振秋のスイーツ企画

きたかんリポータきのっちです。ミスターアメフト2期生の、にゃまさん@現大阪支部長が声を掛け、北の観光リーダー養成セミナーにスカウトした、3期生の道東メンバーに星野さんがいます。私はご当人とはまだお会いしたことはないのですが、MLから魅惑的なお誘いをキャッチしたので、共有したく以下の案内を載っけます。あすは文化の日。北海道の食文化のコラボを楽しむドライブネタとして、最適ではないでしょうか。

「2010東胆振秋のスイーツスタンプラリー」

開催期間 (開催中)~2010年11月14日(日)まで

東胆振を巡るスイーツ企画。応募者の中から抽選で、東胆振の特産品と参加店提供の豪華賞品が当たります。

東胆振の4町(厚真町、安平町、白老町、むかわ町)の商工会青年部&苫小牧青年会議所が初めて共同開催する、広域連携事業。1人でも多くの人に魅力を感じていただきたく、お誘いします。

【おしながき:一例】
むかわのししゃもを使用した「ししゃもソフト」
ながいもやグリーンアスパラの入ったスイーツ
厚真町のハスカップや黒豆
安平町のカマンベールチーズ
白老町の厳選卵
苫小牧産のはちみつ など東胆振産食材のスイーツがテンコ盛り

チラシや参加店の情報は、東胆振の情報満載の<a href="http://gurutoma.com/" target="_blank">「ぐるとマップ」</a>
スタンプカードは各参加店に設置、是非ともスタンプラリーに参加下さい。

(以上、要旨を編集)
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ちなみに、はちみつが長らく苦手だった私は偏食が治り、最近「旨い」と感じるようになりました。ですので「苫小牧産のはちみつ」に興味があります。皆様も東胆振の食と人に会いに、ぜひお運びください。初めての広域連携で、きっと食材もさることながら、人の資源化が進んだことでしょう。


【きたかんCAST】
・にゃまさん=大阪に転勤中、きたかんの遠隔戦略室長
・星野さん=にゃま氏が誘致した、きたかん道東の星☆
・きのっち=スイーツは好きだが知覚過敏。きたかん記録係

2010年11月1日月曜日

北の観光リーダーTV初登場

きたかんレポータきのっちです。11月に突入しました。今月のきたかん活動は毎週のように例会&夕張を学ぶ会&着地型観光を学ぶ勉強会と、怒涛のスケジュールで、メンバーのアクティブな仕事と業後のプライベート活動の両立&充実を、皆で創り出し支援しています。

さて、そんな、誰に強制されるでもない自主的な、観光をおもしろくする異業種のつながり、こんにちの「きたかん」メンバーを育てた母体である「北の観光リーダー養成セミナー」とは、一体なんぞや。

これが、TVにて紹介されるようです☆

北海道庁がやっている仕事を、道民に周知(堅いな・・・)する、道政広報番組、その名も「ウィークリー赤れんが(←ベタ)」という地味な番組があるようです。私、残念ながら早朝はNHK派なもので、その存在を道庁クラモトデスクからのML情報で、初めて存在を知りました。

【写真-1】こちら本家「赤れんが庁舎(明治21/1888年建築)」

どんな人達がやっている異業種ネットワーク活動か、ぜひご覧ください。

【放送予定】 ※時間は変わる場合アリ==============

北海道テレビ放送(HTB) 11月6日(土) 6:00~ 6:05
テレビ北海道(TVh)   11月6日(土)17:15~17:20

北海道文化放送(UHB)  11月7日(日) 6:55~ 7:00
北海道放送(HBC)    11月7日(日)16:55~17:00

札幌テレビ放送(STV)  11月8日(月)11:46~11:52
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なお、セミナーへの興味がさらに深まったら、2010年12月11日(土)「北の観光リーダー養成セミナー全道ネットワークセミナー」@札幌エルプラザ にぜひ参加してみてください。この日は「オープンカレッジ」と位置付けており、次期の、イキのよい4期受講生をスカウトする場であり、先輩や講師陣にも会えます。また、出会い系で旅を語ろう(?)というコンセプトのもと楽しいワークショップを行います(予定)。

まずは、時間を合わせてTV をチェックです。

【きたかんCAST】
・クラモトさん・・・YOSAKOIは人づくり。きたかんでも姐御的存在
・きのっち・・・きたかん記録係。寒さになまら弱い北陸人

【CM】札幌をまるごとキャンパスにしよう。
市民の楽しい学び「札幌オオドオリ大学」
http://odori.univnet.jp/
※きのっちの独断&趣味でお薦めするHP・ブログ

2010年10月31日日曜日

10/3知床のエコツーリズム講演@札幌

きたかんリポータきのっちです。「北の観光リーダー養成セミナー」座長の敷田麻実氏は、本職は北大の先生です。その対外むけ発信活動の一端を紹介しましょう。

「朝日新聞・北海道大学・HTB」共催による「知の森へ ポプラ広場」シリーズ旅のチカラ(1)として講演&対談が、2010年10月30日(土)に札幌駅前の国際ホールにて開催されました。参加は76名、平均年齢はやや高めです。どんな講演会もそうですが、中高年齢者の学びの意欲はとても高く、どのようなテーマの講演にいっても感心します。受講者に交じり、3期生の福山さん、2期修了生のふしみさんといった、きたかん受講生の姿を数名確認できました。

【写真-1】写真を交えて「北海道でエコツーリズムを考える」敷田教授

「エコツーリズム」という概念に出会うまでは、不勉強な私は田舎育ちであったため、「これ以上自然はいらん」とばかり、自然というものは周囲にあって当たり前でした。よって自ら野山に分け入るなど、考えられないことでした。
・自然なんて減るもんじゃなし、どんどん使えば?
・自然に値段付けて売るって、おいしい商売ですね
・ガイドさんはシーズンオフはなにして食べてるの?
など、不躾でデリカシーのない疑問も多いテーマ、それがエコツーリズム、あるいはその理念を商品化したエコツアーに対する、私の印象でした。敷田教授の前半の講義では、これらの代表的なエコツーリズムに対する疑問に対し、1点ずつ検証しました。

・自然はタダだし、自分は痛めていない。・・・と思っても、自然は疲弊するのですよ
・地域の自然、それ以上に「地域の人に会いに行く」のがエコツーリズムの醍醐味です
・外の人から賞賛されることこそ、地域が自然に再投資して守る原動力になるのです
といった話をスライドを使って、平易に語りました。

後半は知床の自然保護の取り組みに詳しい、知床地域を知り尽くした朝日新聞の根室支局長&敷田教授との対談と、フロアを交えたQ&Aを行いました。知床の詳細は朝日新書から「よみがえれ 知床」-100平方メートル運動の夢という本が、2010年3月に出ています。よい話を聞いた感動を、会場の販売コーナーから買って持ち帰ることができるのも、講演会に参加する大きな楽しみです。

【写真-2】深沢博 朝日新聞根室支局長との対談

【写真-3】おつかれさまでした(@札幌グランドホテル)
※深沢支局長はビール、敷田教授ガトーショコラ。甘辛対談?

3期生の自主反省会@sapporo55

きたかんリポータきのっちです。9月に入った「北の観光リーダー3期生」は、次世代観光リーダーとしての潜在能力&適応能力とも持っていて、なんだかまるで「なぜ・どうして」を連発する子どものようなエネルギーのカタマリだという、印象を持っています。

さて、そんなモチベーションの高い3期生が学んだ、湯の川を題材とした土日のセミナー(10/23-24)の反省会に、きのっち潜入してきました。話の発端は「あの日、評価している人の中で、最も3期と接触がないという点で、客観的に見ているきのっちさん、僕らの反省会にきてFグループに『気づき』をもらえませんか?自分の中で全く分析が出来なくて、班内でもどう検証したものか、頭の整理が混乱ぎみなんです(主旨)」といった HELPメールが、悩める福井さんから届いたからでした。

【写真-1】場所は、sapporo 55ビル。キャリアバンク社のお隣です。

その日は評価者の立場だったきのっちとして、このようなコメントをしました。これらはFグループだけでなく、3期生の全員に言えることだと思います。お題は、湯の川温泉や函館を使ったオンパクを絡めた新たな旅行商品づくりです。
(1)主題が凡庸、狙うターゲットが「尖がってない」
 →例えば「子どもからお年寄まで」を満足させる商品は総花的になる
(2)基本設計に当たる前提部分の分析が粗い
 →ターゲットの人口や彼らの傾向、など商品を作る前提を調べきれていない
(3)模造紙の使い方が素人。絵がきれいじゃない
 →ワークショップ7つ道具のプロッキーペン、まず字が細いのが論外

1-2期生を見てきた者として、やはり受講生のレベルは年々上がっていると思いました。きたかんの先輩達のグループワークなんて、とっても発展途上な感じでした。中には内部分裂するところあり、得意な人にマルナゲした班もありました。

1-2期と比べるのも恐縮ですが、3期はより発展している。ですが、やはり「北の観光リーダー養成セミナー」の設計図通り、この単元の狙いはケースメソッドを読み、事前の宿題を個々にやり、当日集まってグループワークをやる。これによって、個人の学びの限界を知り、グループメンバーで何らかの役割分担ができ、時間内に、プレゼンができたというプロセスを共有する。これが大事なのです。順位をつけた内容のデキの良しあし以上に、個々の学びができる範囲と、グループでできることの違いを知る。ここが大事なことなんですきっと。

【写真-2】なんと1か月先「次回の宿題」を持ってきた人も!(飲み会なのに)

それにしても。反省&検証会といいつつ、食事(10人くらい)→飲み(7人くらい)→カラオケ(4人)にまで付き合ってしまった私は、3期生のいい遊び相手・・・?なのでしょうか。

【おもなきたかんCAST】
・福井さん・・・北海道新幹線とか道経済という、とかくビッグなネタを仕事で扱うひと
・きのっち・・・福井さんを「養成セミナー3期に来い」とナンパしたひと

2010年10月29日金曜日

財務分析と信金を学ぶ@自主勉強会

「100百万円」がいくらか俄かに分からない、きたかんレポータきのっちです。ちょっと時間がたってしまったネタですが、北の観光リーダー養成セミナーの修了生組織「きたかん.net」の第2回合同勉強会を、2010年10月20日(水)18:30から2時間、開催しました。

この勉強会、使用の先約がない限り、キャリアバンク社からアジトの提供をいただいています。この日は18名が参加しました。18:30に集まるのは、勤め人自にも営業にとっても結構タイトです。日中への仕事の集中や、キリのよいところでのダッシュ(逃亡?)が求められます。勉強会は2部構成としており、1-3期の養成セミナー生および関係者に限定し、500円ワンコイン制で、毎回マイナーチェンジを重ね、ベストの運営スタイルを模索しています。この日のテーマは、北海道観光をより強くするための必須アイテムです。財務を読めて戦略が立てられて
、それをもって資金を調達する際、知っておくとよいネタでした。

【写真-1】Part?:「財務分析の基礎」/益山健一講師@きたかんサポーター
→財務の話はスマートに終了

【写真-】Part?:「信金の仕事&私の考える観光振興」/2期生 ふしみさん@信金マン(奥中央)
→質問者が続出。ちょっと脱線しがちな質問者に軌道修正するシーンも

前半は、皆が苦手とする財務のイロハです。まずは貸借対照表の見方と勘所。「かりかた」「かしかた」といった用語を使わずに益山講師は話し、数字アレルギーもちにとって「財務分析はそんなに難しくはないんだ☆」という夢と希望を、分かりやすい説明によって与えて下さいました。

つまるところ「資産」「負債」「純資産」という大きく3つのブロックしかない。そのブロックから成る貸借対照表では、「どのように元手を得て」→「どんな道具や武器に変え」→「いかに稼いだか」を見ています。さらに、損益計算書はもっとシンプルな作りで「売上―費用=利益」で、戦い方やセンスに「結果」がついてきたのか、戦略が外れたかを見ます。だから、「貸借対照表を見ると経営者のセンス、すなわち合理性がわかる。銀行マンはそこを見ているんです」、「損益は貸借よりもずっと構造がシンプルです。そして気合いやパワーの部分でこの2つは連動しています」。こうした構造のざっくりとした解説は、商業高校の授業とか簿記講座にありがちな、枝葉(勘定科目や用語など)から入る語り口とまったく違っていて、スッと記憶に入ってきました。

なお「財務分析の基礎」では提出は不要ですが宿題が課されました。「自組織や自社の決算書を実際に使って、ウチの会社ってセンスがあるのかを、ご自身で確認してみてください。それによって初めて分析の力が身につきます」とのことでした。(受講生は、とりくんだのでしょうか・・・?)

続いて後半です。地域に密着している信金&信組だが、その存在が当たり前となっていて、仕事ぶりが意外と知られていない。・・・ということで、きたかん2期生ふしみさんの視点で、信金の仕事や観光とのつながりを、発表しました。

普段は自身を「私」という伏見さん。発表では「手前ども」と、自分および自組織の呼び方が仕事モードになっていて、新鮮でした。そこで「地域に密着するとはどういうことか」を、数の上では圧倒的な銀行と比較して説明したのが、金融素人きのっちにはとても分かりやすかったのでした。

銀行は株式会社、すなわち株主の利益が優先されます。その点で信金は「相互扶助」を目的とした協同組織の金融機関。地域に立脚してて、利益第一主義ではない。そうした点で「観光関係の人にとっては使いやすい金融機関ではないか」と、ふしみさんからコメントがありました。その信金の営業地域はたとえば、遠軽とか空知とか、一定の地域に限定されており、顧客から預かった資金は、その地域の発展に生かされているんだそうです。投機的などこかの国の金融商品に突っ込まれる心配もなく、安心です。

ですが全道に33ある信金業界も、もれなく世界的な金融破たんに翻弄されたようです。そこで近年は、地元の企業と連携を強め「リレーションシップバンキング(地域密着型金融機関)」として、長期的な信頼関係を築きながら、助言や融資で個人や企業を後押ししているとのこと。こうした話を一通り聞いたあとの質疑タイムでは、いろんな質問がよせられました。

・33信金が1つのビッグ信金にはならないの?→ 一部、合併の話はあったように聞きます
・信金のTOPはどんな人がなってるの?→ 手前どもの組織TOPはいわゆる生え抜き理事長です
・銀行と信金、借り手にとってのメリットは?→信金のほうがケアが細やかといえます
・お金だけではなく、知識の部分もマッチングする、その具体例は?→回答略
・信金マンとして各地を見て回るの?→否、マイナーずき観光者の目線で見てます
こうして第2回勉強会を終え、恒例の飲み会に流れて行きました。

ちょっと自慢なのですが、きたかん勉強会では講師の招聘コストもかけず、構成メンバーでも充分に、皆がもつ専門性やその業界話でかなりの回数、勉強会が開けます。

第3回以降が楽しみです。

2010年10月28日木曜日

観光・アウトドアのプロになる@富良野

きたかんレポータきのっちです。10月26-27日にきた札幌の初雪は意外と強烈で、歩道の残雪に足をとられてましたが、それも一旦消えた2010年10月28日(木)くもり、日帰りで富良野市に行ってきました。富良野には、北の観光リーダー養成セミナー修了生いしかわさんが、観光協会にてがんばっています。ちなみに修了生組織「きたかん.net」では、同姓で「石川」が複数名おり、1~3号とご当人たちが名乗り、互いを識別しています。ちなみに「ちば」も男・女といて、ひとりを「ミスきたかん」と名付けて区別しています。

あ。話がそれました。

それにしても、上富良野、中富良野、富良野、南富良野町と「フラノは一体いくつあるのや!?」と道民歴3年目きのっちにとって、ナゾの多い北海道のどまんなか地域が、富良野広域圏でした。今回の訪問は、富良野の観光動向を知るための、自主遠征&社交活動の一環です。

【写真】no photo(カメラ忘れ・・・)

いま、この地域では<a href="http://tenshoku.mynavi.jp/hokkaido/sp101028/" target="_blank">「観光・アウトドアのプロとして、キャリアを富良野広域圏で積みませんか?」</a>という主旨で、移住定住の促進や雇用&就職のマッチングを進めています。さきのいしかわさんも職業上、自組織が「富良野広域圏経済活性化協議会」とか、「富良野広域圏通年雇用促進協議会」といった、長ったらしい名の組織(!)の構成団体となっているので、会場のホテルに来てました。

「外国人対応でニセコや倶知安エリアに大きく水をあけられた、立ち遅れてる地域」と、富良野の観光関係者は自嘲ぎみにおっしゃいます。が、いえいえどうして、観光人材の育成において必須となる多様な学習機会を設けていて、その多くが無料(あるいは廉価)で運営している。そうした活動の一端に、地域の本気度を感じました。でも今後は財源が困難となるため、次年度は語学などが有料化する模様ですが、それでも動員ではない、自分のお金で自主的に参加するモチベーションこそが、伸びる原動力となるはずです。

そして、良好にこのされた自然のおかげで、本物志向な人を国内外から呼びよせます。かつては冬しか客がこなかったという富良野。夏場の観光目玉づくりにラベンダーとか丘の景観づくりが時間を掛けて進み、同時進行でアウトドアのブームとも相まって、富良野の看板イメージに定着しました(よくもわるくも)。その結果として、通年楽しむ素材をもつ地域となった。これは良いことですが、雇用の安定面での弱みとしては、1つの企業や組織から給与や報酬を得ていない「複数のわらじ」をはいて生活を維持する人も、また多い地域のようです。夏はラフティング、春秋は農家の手伝い、冬はスキーのイントラといった暮らし方が、努力次第でできるのが富良野のよさです。一方、そうした若者やよそ者に対する世間の見方は厳しい。「根無し草」とか「好きなことして食べてる気楽な商売」等々、なかなか各人の持つ専門性が認識されていかないのが問題のようです。その点諸外国では、プロフェッショナルガイドは社会的に認識されており、顧客とフェアな関係が築けているようです。

ですから富良野でも、観光に携わる多様な人がもつ専門性がステイタスとして高まり、その人の近未来や中長期のキャリアパスが具体的に描ければいいなと感じました。その際の戦略を、多様な主体との議論から考えていくのが、きたかん.netメンバーいしかわさんほか、各地のきたかんメンバーの取り組みたい領域のハズ・・・です。

きたかんのアイディア出しや自主研究という名の「おせっかい」余地を感じた富良野遠征でした。

2010年10月25日月曜日

第3回養成セミナー【後編】ヒゲとり

きたかんリポータきのっちです。第3回北の観光リーダー養成セミナー続編です。

時間厳守を、このセミナーではモットーとしています。ある時は、プロジェクタに時間がデジタルに逆算されていくさまが大写しとなり、またある時は、益山講師の「残り時間、あと10分です」「あと30秒ー」と、容赦のない追い込みがあり、受講生が焦るさまは、傍目で見ていてなかなか愉快です(S)。

模造紙への書き作業を止めて、休憩もなくひきつづき発表アワーです。昼食を取らずに議論や書き作業にあてた人もいますが、「各グループ&各自が、おのれを管理する」のがお約束。「時間管理は大事なことだ~」と、発表の合間にとっておいたお弁当を食べつつ、受講生は空腹をもってグループワークのカナメを知るわけです。

お題によりA-Fまで、6つのグループが持ち時間7分、質疑3分の時間で、各自の「湯の川」および函館~渡島の2つの半島部(松前とか椴法華:とどほっけ とか)という広域圏を使った、ツアー企画を発表しました。

・女性や修学旅行生
・フランス人の親日家
・「80后」と呼ばれる中国の80年代生まれ世代
・団塊世代の夫婦 (順不同)
などなど商品造成の際には、具体的なセグメントを対象顧客としています。

【写真-1】プレゼンアワー (正座してる人は、時間管理の役)
※“お仕置き”みたいにみえますか

【写真-】益山講師からの鋭い質問(ほんとに鋭い点をついてきます)

受講生は、このプレゼンアワーのために、あらかじめ「マズいプレゼン」について益山講師からうまく感じるコツを伝授されています。それは極めてシンプルです。

「ヒゲをとりましょう」。

毛深いヒゲではなく、「え~」「あ~」「そのぉ~」という耳ざわりなあの口癖をとる。それだけで、劇的に上手に聞こえるから不思議です。また、プレゼンのベーシックな構造も習いましたが、今日の到達は「ヒゲとり」に集中したほうがよさそうです。

かくして、公平に発表順を選び、企画の発表がはじまりました。掛け合いが上手なグループや、寸劇をはさむグループなど、工夫やアドリブがあり、厳正評価とはいえ人間だもの、評価者の配点もつい緩みがちです。

結果として、やはりほぼ全てのグループで「ヒゲ」は取り切れておらず、課題として明らかとなりました。5-6名のうち発表者は多くが、2名体制でやっているところが多かったので、発表の役ではなかった人にも、おそらく、やらせたら「ヒゲぼうぼう」状態なんだろうな。非番受講生は思ったことでしょう。かく言う私も発表をさせればヒゲ、ついちゃいます。

なお本セミナーでは、グループワークでのアウトプットが、点数により評価され、公平に知らされます。そこで評価する側は、利害に関係のない講師陣や、たまたまいた野次馬(1-2期修了生)が加わることもあり、また受講生本人も評価する側となっていて、きわめてデジタルに順位が出ます。「北の観光リーダー」として修得したい目指すものがある以上、仲良し会ではありません。競わせることは、賞品は出ずともやはり面白さが増します。

プレゼンの結果発表は212点から142点の開きが出て、「カミポ:模造紙」の出来栄えでは1位239点から149点までの開きの中に、各グループが入る結果となり、全員で拍手を贈り、各自の課題が見えたであろう「湯の川企画」を終えました。

【写真-】結果発表にガッチリ握手 ※あれ。優勝じゃないのに大盛り上がり

【写真-】企画ポスターをバックに記念撮影 ※苦楽を共にした思い入れ?

次回の養成セミナーは、2010年11月27-28(土日)初めての道東セミナーと札幌セミナーが結集した、合同合宿@然別湖です。それまでおよそ、ひと月。

この週末のテンションを維持して「勉強すれ☆」

2010年10月24日日曜日

「湯の川」事例 第3回養成セミナー2days

きたかんリポータきのっちです。冬の使者「ユキムシ」の姿もだいぶ少なくなり、穏やかな秋らしさの景色も最後であろう2010年10月24日(日)週末、第3回北の観光リーダー養成セミナーが、土日の2days、札幌で開催されました。

【写真-1】会場は5F キャリアバンク

このところ、北の観光リーダー事業は活動が活発化しており、
・養成セミナー「道東」開講式&講義@釧路市
・きたかん(修了生組織)の第2回勉強会「財務:BS/PLのみかた」「信金の仕事と観光」
など、この場にて記録し、整理しておくべきネタはたくさんあります。ですがリポータが「泥縄状態」で、後からセミナーや勉強会を追いかけるていたらくな今日この頃です。

早速、2日目午後の会場に潜入してみました。

【写真-2】グループワークをやっています。

「・・・潜入」いえ、私は初代の地元学の副講師であり、1-2期生を育てた立場なのだから「潜入」しなくてもよいのでした。熱気のただよう室内で、みな、模造紙に書き込んでいます。ちなみに、本養成セミナーでは、個々人の能力を上げることよりもむしろ、バックグラウンドの異なる複数の社会人が、グループで、合意形成し、時間内にグループのアイディアを企画書にする。という一連の流れができるようになることを目指し、その結果ではない「プロセス」を大事にしています。そんなわけで、土日のお題は「道南:湯の川温泉」です。

彼らには、ケースメソッドという、A-4で20枚ほどの手作り教科書が渡されています。これは、実際の地域や組織、人物に取材した「生きたテキスト」。いまのところ非売品です。

【写真-3】これがケースメソッド(※写真は次回用の資料)

タイトル:「イベントを契機とした温泉街の活性化について~函館市湯の川温泉の取組みを事例に~」

加えて、毎回その地域から取材した相手や、その地域をよく知る人物を呼び、受講生の質問に応じたり議論に「リアリティ」を加えています。今回は、湯の川プリンスホテルの河内常務が参加し、受講生の実現しそうで見込みのあるアイディアには目を光らせます。このように、実際に困っている道内地域の現状と、その置かれたポジションをSWOT などを使い分析します。そして湯の川の競合相手(登別・阿寒・川湯とか道内外いろいろ)と比較して、チャートに位置付けしたりと、早速習ったマーケティングの道具を活用させます。ですから「なんとなく」の感性や、これまでの経験でという、いい加減さは許されません。

【写真-4】大人のお絵かき(素案)。どんな企画ができるやら

重いミッションを課せられている割に、各グループは楽しげにやってます。「その辺り、自覚しているんでしょうか?」リポータきのっち、授業参観日の父母みたいな気持になってきました。そして、1-2期の先輩にあたるメンバーもちらほら覗きにきてよいのが、このセミナーのメリットで、数名が出入りしていました。やはり自分たちの時と比べて、セミナーがどう進化しているか、受講生がどんな感じなのか気になるんでしょうか。

ちなみにこのアウトプット先ですが、模造紙と侮ることなかれ。この養成セミナーではオトナ社会の企業や組織活動を支える「企画書」を、そのまま大きくしたものとして「模造紙」を位置付けています。パソコンでスマートに発表したりする人を「カッコイイな」と思う、あのパワーポイントの原型。こんにちのハイテクの大本として「模造紙」を重要視し、電源がなくてもみなで使える「カミポ」として活用しています。

あぁ時間はもうすぐ。3期生は、ちゃんと形にできるんでしょうか。

【後半につづく】

2010年10月2日土曜日

観光リーダー3期生「夕張地元学」を開催

きたかんリポータきのっちです。札幌は穏やかな1日でした。タバコの大幅値上げから最初の週末、外の空気はタバコより百倍おいしいはずです。男女ともタバコ吸い率の高い道民には、ぜひ「お散歩」を実践していただきたいものです。そんな散歩から、まちを新たに発見をする「視点・発想」を養う、きわめて体とサイフに優しいプログラムがあります。特に観光の現場に携わる人全てがもつべき、地域資源を発見する「よそ者」の視点への気づきを、そのプログラム「地元学」は目的の1つとしています。観光やってる人が「よそ者」の視点で地域を見て、新たな観点から表現し続けられることが、北海道の観光を面白くする最初の一歩だと思います。

北の観光リーダー養成セミナーでは、9月11日の開講式に続き、2010年10月2日(土)、3期生が夕張市でグループに分かれて「地元学」のフィールドワークを行いました。その日は夕張に泊まり、3日の日曜に、グループごとにつくり上げた「新たな夕張を売り出す計画」を発表します。しかし、なぜに「夕張」?

炭鉱がダメになって観光に転換して、それも振るわず財政が政破たんし「負債」と「夕張メロン夫妻」をかけたキャラクターを作ったりしてる、ちょっと自虐的なまちね。

そんな負の側面もあるけど、一方では夕張メロンに代表される農業もあるよね。でもやっぱり仕事がないから地域は高齢化が進行してる、あの夕張市ですよね。

・・・と思うかもしれません。しかし実際に夕張を訪れたらゴーストタウン状態なのか?確かに数は少ないものの、まちは死んでなどおらず、人々は逞しく暮らしています。私も09年5月の桜の時期に夕張を訪れて、非常に印象的な経験をしました。

そのときの風景から。

【写真-1】山の斜面に炭住が密集してた頃の模型

【写真-2】炭鉱の娯楽だった映画の手描き看板が残る

【写真-3】観光でバリバリ夕張だった時代の 名残?

そうした「破綻」とか「山奥」などハンデを逆に売りにした、旅行商品をつくる力を付けるステージとして、夕張市を候補に、昨年以前から養成セミナー事務局では準備をしてきました。そして意外と夕張は面白い地域です。NPO法人ゆうばりファンタという、映画祭の主催や地域の文化ホール施設の維持管理を行う非営利組織も生まれ、そのとなりの病院では、総合医療から地域に必要な診療所に特化して頑張っています。

土曜の日中は外を歩き、地元の人に「あれは何?」、「それは何のためにあるの?」、「これ、面白い形ですね」など、あらゆる疑問質問、感想を元に、地域を取材して回ります。この地元学を面白くする秘訣は、各グループに1人住民についてもらうこと。そして町の人は親切心からあれこれ自らガイドせず「聞かれたら教えてあげる」姿勢を一貫させる。あとは気軽に取材しながらまちあるきすれば良いわけです。持ち物もシンプル。
・地図
・メモとペン
・デジカメ
・長い時間歩く服装

住民とひとくちにいっても、自治体や農協、NPOや医療、自営業者や高齢者など、いろんな活動の主体がいて、そうした人達との交流によって「よそ者」の目をもつ3期生は、どんな発見をしてくるのでしょうか。楽しみです。詳しいレポートは、夕張入りしている、養成セミナー1-2期生、きたかん先輩メンバー達や、敷田座長、もちろん3期生からも寄せられてくるでしょう。


【CM】「地域医療でなくまちづくりのために僕は
夕張に赴任した」と公言する村上智彦医師の日々。
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2010年10月1日金曜日

きたかん「第1回合同勉強会」を開催

きたかんリポータ、きのっちです。「きたかん」とタイプすると「北韓」と出てくるのですが、私のパソコンに他意はありません。かの北の隣国も、後継者が先日明らかになり、国や組織が引き継がれようとしています。翻って、吹けば飛ぶような私たち自称・北海道の次世代観光リーダーの組織「きたかん.net=通称:きたかん」も、養成セミナーを修了しておしまい・・・ではなく、学び続けて1-2-3期生のつながりを強化し、後に続く者を育てないといけない。いや、育てる以前に皆で集まって楽しく学ぶ中から、3期生にも少しずつ仲間入りをさしてやろうじゃないか。・・・というコンセプトのもと「6割の野望と4割の飲み会」(?)のきっかけづくりに、記念すべき「合同勉強会」が、2010年9月30日に開催されました。

【写真-1】勉強会担当の予想を超える参加者だった

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「きたかん.net」第1回合同勉強会
日時:2010年9月30日(木)18:30~20:30
場所:キャリアバンクセミナールーム
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最初に、この勉強会を提案した、2期生にゃまさんがその意図を説明。話をしがてら、初対面も多いことによるやや堅さのある場をほぐします。次に、観光業界と自治体その両方を知る、にし氏と、添乗員や通訳者などで人を旅に介在させる業務を通じ、観光に価値を生む、実務家うえ氏が講師となり、パワポによって旅行業法のイロハを簡単におさらいしました。【写真-1】

【写真-1】にし講師。彼はこのプレゼンのために旅行業法を学び直した

昨今、規制緩和によって第3種旅行業という、ちいさめの旅行業者(いわゆる旅行代理店)が設立しやすくなっています。それによって北海道の小さな地域から、町や村の魅力をギュッと詰め込んだ旅行商品を、直接顧客に売りやすくなってきています。その辺りの状況の変化も「観光圏内限定旅行業者代理業」といった新たな緩和による業者の出現や、最新の動向を紹介しました。こうした内容は養成セミナーでは扱わず、みなが必要としていながら、あまり得ることのない知識面での整理でした。ちなみに旅行業者と、旅行業者代理業って、言葉は似ていますが親子みたいな主従(?)関係が似ている双方の中にあり、さらにできる業務にも差があります。これが、Part?:「旅行業法、旅行商品の基礎知識」/講師:2期生にし&うえ氏。

続いて、こうした旅行業法や、観光を使って地域の人や自治体、観光協会などと強力タッグを組んで、北海道の活性化を目的とする鉄道社員、かつ、きたかんメンバーである2人の講師が語りました。さらに後半はフロアとも質疑や対話を交えて、理解が深まりました。Part?:「JRさんに聞いてみよう!」/講師:1期生=ぬまっち&2期生=ぐり氏

参加者からの質問や提案に出てきた話を受けた対話では、新発想あり、いろんなトリビア的なネタや豆知識が満載で、勉強会は盛況でした。さらに志願者は自主勉強会@南3条まで移動して、噂では23名の大飲み会が行われた模様です(冒頭に「勉強6」としましたが、実は「6割の飲み会と4割の野望」・・・でしょうか)。

【おもな きたかんCAST】
・にゃまさん・・・某テレビ局営業。近く地元学で講師デビュー@夕張
・うえさん・・・旅行は平和が一番。人柄も極めて温和な添乗員手配の実務家
・にしさん・・・旅行業資格を持つ市の職員。今回は扁桃腺炎ながら講師を買って出る
・ぬまっちさん・・・鉄道会社が地域と組んで出来る、ワクワクをさがす男
・ぐりさん・・・きたかんに不可欠な属性、汽車を走らせる、ミスターインフラ
・きのっち・・・も、旅行業資格を狙って受験勉強中。計算モノがなかなか手強い

【CM】次世代の北海道観光リーダーはあなたです。
「北の観光リーダー養成セミナー」
概要・セミナーの様子 = http://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/kkd/kanko-manager
北海道の観光観光人材育成事業。平成20年度に始まり毎年度、半年の期間で
30名の精鋭が育つ。テンションが上がった受講生らは、その後、自主組織
「きたかん」に任意で所属して相互に高め合う「ゆるいつながり」を形成。

2010年9月11日土曜日

北の観光リーダー養成セミナー始まる【後半】

きたかんリポータきのっちです。「北の観光リーダー養成セミナー」後編です。午後は3期生の自己紹介タイムで、1分の自己紹介をを全員がやりました。なかなか1分を守り自身を語るのは、慣れないと難しいものですが、みなのスピーチの強いインパクトに驚き、大いに笑いました。(順不同:抄↓)

・人口5千人の町から来ました。私は住民の全員を知ってます(O氏)
・私は以前名古屋に居ました。名古屋との違いはモーニングセットの値段の高さ。そして、きょうこの育成セミナーの座長が男だったことに、北海道に来て二度びっくりでした(Sさん)※これは座長の「敷田麻実」女性と勘違いされる、いわゆる「アサミちゃん事件」です
・頭の固さを改善するため職場から派遣されました(町職員)
・サハリンからの添乗業務で、いま、帰ってきました(TEIのFさん)
・私はメロンを仕事で食べすぎて、アイスブレイクの共通点ゲームで「好きな果物はナイ!」と1人主張しました。が、メロンはたまに食べます(JA氏)
・汽車の遅れで開講式に遅刻しました。自社の遅れなので言いたくとも文句も言えず、黙ってました(H氏)
みな、キャラが濃いです。気さくな社交家揃いで今後が楽しみです。

スピーチに続き、養成セミナーを修了した1-2期生が参集して「セミナーの善し悪しは受けた人に語らせよ」とのシンプルな発想によって、1期・2期&敷田座長によるトークセッションが約20分ありました。

【写真-5】同じ釜の飯を食べた仲。1-2期の修了生、大いに語る

先輩たちは得たものの大きさと、受講料の安さ、そして苦労したケースメソッドとそれによって得た仲間について熱く語りました。

午後の目玉として、第1回のケースメソッドを行い、早速グループに分かれて、ケースメソッドの鬼?と評判の益山講師が進めました。

【写真-6】人呼んで「ケースの鬼、マネジメントの権化」益山講師(でも優しい)

その時間、別室では、修了生組織である「きたかん例会」を行い、いろんな議論をしました。この1-2期、本来なら自分たちは修了したのに、3期の開講のために20人近く集まった点が凄いと思います。このセミナーを受けて観光まちづくりのプロセスを共有した、プラットフォームにいる多くの実務家と、修了後もつながりたいという、思いの表れだと感じました。この修了生組織であるきたかんは、会議を別室でやり、いろんな議論をして、よりきたかんを面白くしていくことを決めました。

【写真-7】きたかんをどう、デザインしていくかを議論した

【写真-8】受講生は、第1回のグループ発表を行い・・・

長~い1日の、机で学ぶ部分が終わり、18時に受講生と1-2期生そして講師陣が、みな一緒になって、なんと2階建てのバスでビール園へと飲みに繰り出しました。2階建てバスって、私は久々に見ました。

こうして半年間学び、飲み食いを共にするうちに親密度・連帯感が高まり、よいネットワークが形成されることでしょう。その際、中性脂肪などありがたくない数値が、一緒になって上がる可能性もありますので、注意が必要です。

北の観光リーダー養成セミナー始まる【前半】

きたかんリポータ、きのっちです。札幌はすっかり秋めいて日が短くなりました。きたかんが動き出した母体である「北の観光リーダー養成セミナー」、この3期受講生の開講式が2010年9月11日(土)ありました。会場は札幌駅徒歩3分キャリアバンク研修室です。このビルの1Fは紀伊國屋書店なので、セミナー期間中は課題に取り組む上で必要な資料も、心行くまで探せます。

【写真-1】開講式のようす

敷田座長が、巷にゴマンとある講演会、講習会、セミナーと、北の観光リーダー養成セミナーとの違いを、分かりやすく解説しました。養成セミナーの目的と背景、人材育成のプログラムが狙いや、観光まちづくりのモデル図を解説し、どの段階に受講生が仕事で関わっているのかを意識すること。そして、地域への再投資、このプロセスが現在各地のまちづくりでは、どこも弱いことを指摘しました。そして受講者各自の現場で、「再投資」の充実を目指す、そんな事業活動を自社から行う発想転換を勧める、といった講義をしました。

【写真-2】アイスブレイク

50分間、一方的に聞くだけでは、受講生のお尻が痛くなります。そこで次は体と頭を動かす「アイスブレイク」を行いました。アイスブレイクとは、初対面の人が速やかに心を溶かし打ち解ける雰囲気を作り出すワークショップ運営上の手法です。机と椅子を部屋の隅に寄せ、広めのフロアを作り、余分なものを持たず、敷田座長が出題する、「共通点でのグループづくり」や「並べ替えゲーム」をして、楽しみながら決定の早さを競いました。みな大人ですし、最初は多少なりとも恥ずかしさや戸惑う人もいがちですが、3期生は順応性が非常に高く、その模様を講師陣や1-2期の修了生、きたかんメンバーが笑顔で眺めていました。ゲーム終盤の究極の並べ替え、それは演台を起点に、セミナー会場から自宅が近い順に並ぶというもの。

【写真-3】並べ替えゲーム

【写真-4】受講生の道内分布。廊下にはみ出てます

家から近い人は徒歩10分の場所から、そして札幌の各区内、さらに市を超えて小樽やニセコなど徐々に遠くなり、遠い人は礼文島(!)から参加という分布図が、1本の線で描けました。この並べ替えをする過程を見ていても、みな積極的に声を出し、手を上げ、体全体で表現している人が多く、3期生は今後のグループワークが楽しそうなキャラクターが多くいることが分かりました。

その後、オードブル式の昼食で受講生同士が仲良くなるきっかけをつくり、各テーブルにはセミナーを前年に修了した1-2期生が数人入り、お話しながら昼食をとりました。食べながら話しをすると、早く打ち解けた雰囲気になれます。

・・・これだけやってまだ半分。後半に続く・・・"

2010年9月8日水曜日

きたかんを強くする「本の薦めっこ」

きたかんリポータきのっちです。「北の観光リーダー養成セミナー」、その3期生たちを迎える準備も着々と進んでいます。先に修了した1-2期生が新たな3期生を前に、2010年9月11日(土)の開講式にて、自分達が得たもの、さらに深めたことについて、語ります。ある人はワークショップの運営を担当し、ある人は飲み会に出る。など1-2期の各人が持続可能な形で、きたかんや養成セミナーにに関わっているのは、見ていてとても楽しい構図です。2008年(それ以前の仕込みをふくめればもっと前から)、この組織の原型が立ちあがり、這えば立て、立てば歩めのなんとやらで、広範な組織に関わる調整や支援を、影に日なたにする労を惜しまないのが、北海道庁「観光のくにづくり」セクションです。この事務機能がカナメとも言えます。きたかんメンバーが鬼のように出す情報の「交通整理」は、数ある異業種交流会やMLでのつながりの中でも、役割が難しいところです。しかしモチベーションの高い職員諸氏、講師陣が、さらに直接の担当を異動で離れた職員氏までもが、OFFの日を使ってでも「だって楽しいから」と参画してくれます。

自らが楽しい。それは観光まちづくりの原動力です。
楽しいとともに、各人がもっと賢くなることも重要です。

「きたかんメンバーは、もっと勉強すれ」とばかりに、敷田座長から「こんな本を読みました」とのお薦め情報が入ってきます。

「教育の方法」佐藤学(2010年)左右社,195p
コメント:学びの基本がわかりやすく書かれています。
  
「病院選びの前に知るべきこと―医療崩壊から再生に向けて」
田島 知郎著 (2010年)中央公論新社,
コメント:「医療」を「観光」に置き換えても共通点があって面白いです。

このML書き込みの後に、

私も最近読んだ本として、お薦めした1冊がこちら。
ものつくり敗戦―「匠の呪縛」が日本を衰退させる
(日経プレミアシリーズ) [新書] 木村 英紀(2009)

普遍性を追求せず、暗黙知ばかり重視してきた日本の停滞を、産業革命~明治の文明開化~第二次大戦~終戦~今日とかいつまんで、日本が「理論化、システム化、普遍化に弱い」ことについて指摘しています。↑私も非常に弱いです。。
 
「これ、いいよ」を共有できる、卒業した受講生までのアフターケアも、MLだからできる。デジタルもアナログも両刀使いで、さらに忙しくなりそうな、きたかんの今日この頃でした。

【おもなきたかんCAST】
・敷田座長・・・きたかんを伝説にする野望をもつ北大教授らしくない先生
・きのっち・・・きたかんを観察する異業種交流マニア。最近わけあってひきこもり


【CM】大学って敷居が高いけど、頻繁に公開講座を開いて
市民に開かれた大学目指してます。北海道大学。観光の総合
テーマ「旅の楽しさを考える」10/28-12/2(毎木)計6回18:30~
http://www.hokudai.ac.jp/
※きのっちの独断&趣味でお薦めするHP・ブログ"

2010年8月29日日曜日

段取り着々と~北の観光リーダー3期生

暑い日が続くので、洗濯したTシャツをたたまずにすぐ着る、ある意味「省エネ仕様」な、きたかんリポータきのっちです。

「北海道マラソン2010」が開催された日曜。私が知るエントリー予定者の「その後」をネットで検索してみたところ、北海道庁の観光のセクションにいる、MSG氏は3時間13分でゴールしていました。タダものではないこのかた、今回が出場3回目で年々タイムを短縮させているアスリートです。道庁では体育関係の部署でない観光のシマにいるのですけど、打合せに訪問するとジャージやポロシャツ姿、そしてポケットにタバコ(←ランナーなのに?!)を入れているという謎の公務員ランナーです。

そんな「ハレの日」のために行う日々の地道な走りこみや、大会のように大勢の場での腕試し・・・いや、脚試しによって、マラソンの力は歳に関係なく伸びます。この理屈は観光の団体戦を目指す、きたかんにも言えます。辛くストイックな練習と違い、それをワイワイと、業後や週末、そして有給の範囲で、みずから楽しみいろんなことを企んで実現させていくのが、きたかんのコンセプトです。同メンバーもしかり、観光の力もマラソンのように継続させてこそ、個々が、あるいは大勢で伸ばすことができます。

私たちの大事な後輩「北の観光リーダー養成セミナー第3期生」との出会いに向けて、最近は着々と彼らを迎える準備が進んでいます。以下は一例です。
・受講者が互いの顔を早く識別できるように「写真つきプロフィール名簿」
・受講生のだけじゃなく「講師版:同様の名簿」
・半年の勉強プログラムが分かる「一覧表」
・いっぱい資料を保存し活用できる「大・専用ファイル」
・初回の開講式にてエールを送る「先輩1-2期生によるトークセッション」
・開講式後に早速親睦を深める「サッポロビール園での大☆懇親会」
・2期生から自主的に名乗りをあげた地元学先生による、次回@夕張の予告
・2期生が講師補助を務める「ケースメソッド」の説明
など、「知恵熱」でそうなくらいの盛り込みようです。


【写真-1】09年の開講式。場所は赤れんが庁舎でした(2009/09/12撮影)


【写真-2】2期生がアイスブレイク中。初回からノリがよく楽しんでいました

それにしても3期生はしあわせな人達です。こうしてまもなく、2010年9月11日に始まる養成セミナーを、ちゃんと時間をつくってレポートしていきたいところです。(ちょっと反省すれ、きのっち)


【写真-3】09年の9月開講式後も、皆でアサヒビール園にいきました
お酒と会話を楽しめる、観光&まちづくり指向な人は、さらに満足度がupすることでしょう。


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2010年8月13日金曜日

メーリングリストを考える

きたかんリポータきのっちです。要点を得ない話しかたや、物事を手短に書けないという「悪癖」も、年と共に少しずつ改善している今日この頃です。しかし何かにつけて「アンチエイジング:加齢に抗する」のが日本では主流ですが、その点思考は「加齢による改善」があるので救いです。

さて、北海道内メンバーと道外に異動したメンバーによる、新たな観光による地域づくりリーダーを目指す「北の観光リーダー養成セミナー」修了生のつながりの「きたかん」は、普段の「ライフライン」であるMLの使い方を巡って、先日、ひらさん、ヤギさん、ワッキーさん、にゃまさんから、ML上にて発言がありました。

そこから言えることは。。。

MLは短文を頻繁に発信するツイッターではないので、自ら疑問をなげかけるだけのツールではない。
MLは、リアルに情報の受け手と対峙することはたまにしかできないので、議論に向くツールではない。
MLは、読み手の各人が都合のよい時間に目を通すものなので、相手の状況による受け取り方の差(?)を織り込み済みで発信すべき。
MLは、皆が本業を持ちながら作って加わっているものなので、全ての状況を追う必要はない。

こうした前提のもと、少しでも快適に ML を動かす方法ってあるだろーかと、ML の運営について、きのっち流に考えてみました。

【シンプルMLのすすめ】

0.まず、発言者は名乗る

1.内容を表す「適切な件名」を入れる
(MLでのやりとりが数回進むと、件名がズレたままということも)

2.要点が先、投稿者の近況はあと
(ちなみに、きたかん敷田座長は10行以上あるメールを基本、読まない)
※ だからスクロールしないPC画面圏内に重要な報告を入れるのが、テク☆

3.メール1つにつき、主題は1つ
(仮に1投稿者が連続しても、なんら問題なし。1メール1主題であれば結果的に探しやすい)

 * * * *

以上の3カ条だと思います。(当たり前やないの。と思うかもしれませんが)

いくつものML に入っていればやりとりが多数だと、読む方も大変ですが、それが仕事になっては本末転倒です。あくまで「手段」としてのML。そしてなによりも、情報をもれなくキャッチできる人なんていないのです。きたかんメンバーの本業が立て込んで、ML読まない時期が続いてもそれは「縁」と、流してo.k.としましょう。 なによりも面白い企画については、またやりたいという声が出てくるものです。

ですから、MLに投稿して、反応がないから失敗と思わないこと。「反応薄=魅力ないから。が100%の理由」ではないのです。みな反応したいし、面白いことに(←私は強く)関わりたい。そして、本気の地域づくりとか、幸福ってなにといった難しい話やイズムについては、MLでの議論には限界もあります。さらに札幌近郊メンバーと、頻繁にメンバーが会えない人には、ノリ(?)に違和感もあることでしょう。

このように、ときに熱くもなりましょうが、普段 ML を使っていて肝心なことは、各地につながりをもつ人達が PC 画面の先にいて、その資源を互いに生かしあう場でありたいということ。そうしたつながりが楽しく続けば、新たな商売に発展しようが、ボランタリーなかかわりで継続しようが可だと、私は理解しています。要は難しく考えず、ML にネタを頻繁に各地のメンバーが発することが、さらに楽しい「何か」を生みだす。その発想を構成員が共有し、楽い企てができたらよいと思っています。

【きたかんCAST】
・ひらさん・・・道内転勤の多い公務員ライフで得たスケールが売り。「自分の地域は北海道!」修了生にして観光を教える先生でもある
・ヤギさん・・・北海道まるごとを扱う雑誌を3冊も作る姐御。仕事の後の一杯☆が至福
・ワッキーさん・・・倶知安のアウトロー、きたかんで代表世話人を務めるツワモノ
・にゃまさん・・・某テレビ局営業のひと。休日は畑で夏野菜の収穫祭
・敷田座長・・・有限責任な専門家論を具現化しつつある北大教授らしくない先生
・きのっち・・・きたかんを観察する異業種交流マニア。趣味の献血は間もなく60回


【CM】2010年きのっちが巣立った学校の「その後」。
ゼミ残留学生らが綴る、観光創造のつれづれなること。
ブログ「敷田ゼミ所属苦労人達のもろもろ」
http://blog.livedoor.jp/shikida_seminar/
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2010年8月8日日曜日

出前授業します「ケースメソッド」

きたかんリポータきのっちです。夏休みとして私は臨時社員なので、8月のお盆1週(正しくは前後合わせて)10連休とりました。しかし、景気を上向かせるような消費や旅行に出るのではなく、地味~に受検勉強をする程度です。

さて、きたかんではどうしてもメンバーの属性上、観光に関わる仕事をしている、とか観光に興味がある人、ということで、8月はみな多忙です。しかし、多忙でありつつも、今週末は別ユニットが動いており、ひまわりによる町づくりやイベントが30年来定着している北竜町を訪ねている人々もおります。忙しくとも「遊び人」が多いのも、このナゾの異業種交流組織きたかんの特徴かもしれません。

そんな8月にあって、ちょっと話題は先月ですが、きたかんにとって意義のある出前授業を2箇所で行ったので、記しておきます。まずは、きたかんMLにあった松前の川内さんからの報告です。

遅くなってしまいましたが、7月21日無事に「松前地域セミナー」
を終了しました。(中略)「北海道新幹線を利用した道外客が
2泊3日またはそれ以上の日程で松前半島を回るツアーを地域資源
を活用した形で作成してください。」という問題で各チームとも
白熱した議論が繰り広げられ、様々なツアーが出来上がりました。
今後このツアー案をもって、JRに売り込みにいきます。

とのこと。この場合、売り込みを受けるJR北海道側にも、北の観光リーダー受講生がおり、そこでツアー案に対する厳しいダメ出しがあるかもしれないし、さらにアイディアがふくらんで、素晴らしいツアーができることへ発展するかもしれません。いずれにせよ、おなじ人材育成セミナーを受けた人々が、異業種で各地で頑張っているのは頼もしいことです。


お次。こちらは「きたかんが海を超えた☆」ことに意義があります。東京の立川市で7月29-30日と2日間、北の観光リーダー養成セミナーが学習の核として位置付けている「ケースメソッド」を自治大学校へ出前してきたというのです。

これには講師陣のひとりで、人育てとマネジメントの権化(?)である、北海道の人材育成会社キャリアバンク役員の益山さんと、道庁の今井さんたちの尽力があります。いずれにせよ、対価を得て北海道の実例を使って、人に教えるパッケージが、世の中のごく一部にも認知され支持されはじめたことに、私は面白さを感じます。

ところで自治の大学というと、私は自治医大(栃木県下野市)しか思い浮かびませんでしたが、そういえば自治大学校って聞いたことがありますね。大学の仲間ではなく、総務省の持っている研究教育機関という、ちょっと毛色の違う学校です。そこに集まった150人が3つの研究テーマに分かれ、全国の自治体からの公務員50人と民間からの応募者が、夕張の実例を使ったケースメソッドで学んだようです。夕張からは、NPO代表の澤田さんとあらだてさんが参加。あらだてさんは、きたかん2期生でもあり、夕張の現状をなまらリアルに説明し、かつ各チームの質問をうけたり議論したり大活躍したようです。そんな暑い東京出動は北海道からの講師メンバー益山、今井、クラモト+澤田@夕張、あらだて@夕張+敷田座長という顔ぶれでした。

こうした外部から「出前授業のお誘いの機会」。とにかく初めてであった今年は、敷田座長ほか講師陣や道庁事務局が依頼を受けて「出張先生」をしてきました。しかし座長の報告MLには「成功してメデタシ」ではなく、今後の野望について「来年はきたかんメンバーが依頼を受けて、ケースメソッドを道内外で出張授業として実施できるとよい」・・・とありました。さすがシキダのSは、シゴキのS。

来年、海を渡りたいきたかんメンバーがどれだけ増えるか。楽しみです。

【おもなきたかんCAST】
・川内さん・・・きたかん松前支部。体が2、3個欲しい仕事量にぐったり?
・益山さん・・・人材を開発する会社の役員&きたかんの参謀でもある
・今井さん・・・きたかん活動なら仕事でも業後でも。on-offともにデキる公務員
・クラモトさん・・・ライフワークは道の駅巡り。きたかんでも姐御的存在
・澤田さん・・・NPOゆうばりファンタを運営する、きたかんの先生でもあり
・あらだてさん・・・夕張から参加していた2期生、夕張からは3期もくるのか!?
・きのっち・・・JR料金運賃計算にハマッている今日この頃。五稜郭や函館が要

【CM】“豆知識”は会話の潤滑油。「ねぇ知ってる?」
http://dogatch.jp/anime_kids/mameshiba/movie.html
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2010年7月30日金曜日

各地で活動中~ある数日のMLから

きたかんレポータ、きのっちです。連日雨・雨でトウキビ(好物)の成育が心配です。そしてこの湿気に頭のなかまでがカビそうです。さて、もう8月になります。最近のきのっちレポータ失格でして、私自身が週3回資格試験の授業と、週末にとある模試が続くので「ひきこもり」を余儀なくされています。そこで、みなの動向を知るのがメーリングリストです。

メンバーみなの活動は活発です。職場のネタ、きたかん組織でやりたい自主ネタ、各自の会社同士をwin-win につなげた企画ネタが満載です。以下、一例です。

JRのおおぐりさん:「夏のニセコ満喫号」でニセコエリアへお出かけください!!
ちなみにお出かけには、「一日散歩きっぷ(2,200円)」がオススメです!
http://www.jrhokkaido.co.jp/network/kipp/d_4.html#sanpo_center

テレビ屋の、にゃまさん:poroco最新号はいいですねぇ。

役場のたどさんは、むかわ町PRに大通公園に出没し、きたかんメンバーと会ったようです。最近たどさんは勤務先で異動があったらしいです。

遺産とか雑誌とかいろいろやってるはぎさん:『カイ』vol.8特集「宮沢賢治の北海道観光案内」http://www.kai-hokkaido.com/
「小樽・札幌・苫小牧の3都市で賢治の歩いた道をたどり、宮沢賢治というファクターを通すことで見えてくる道央3都市の今を観光案内します」。

と、お薦めのようです。ちなみに、きたかんでは「poroco」と「HO!」と「カイ」の絶賛!定期購読キャンペーンを、常時行っています。メンバーが作っているからです。顔の見える商品?とでも言いましょうか、事実、高いクオリティを身上とする3誌ですので、ぜひお手元に3冊どうぞ。

さらに、北海道人にとってのソウルビール(?)伝道師の手島さんからは「皆様 連日地域を変えてステージ&メニューで北海道を応援している8丁目に是非お出かけください。テレビ塔下の1丁目でもジンギスカンとクラシック樽生 堪能できます」との魅惑的なお誘いが。。

市役所にしさんからのPRとして:「HBCさんの協力・支援のもと、さっぽろ広域観光圏のおすすめモデルコースやスポットを紹介する動画を制作しました」
http://www.hbc.co.jp/hbchokkaidonavi/main.html

ちなみに私のPCは動画をやると、もれなく固まります。。

ネットに強い石塚さんからはいま、きたかんの勉強会を4案考えてくれまして、ネットを使ったアンケートで、どれがメンバーにとって魅力的なのか。最少催行人員に達するかをチェックしていました。・・・マメな方です。

このように巷が異常気象だろうが、不景気だろうが、きたかんは蠢いています。


【おもなきたかんCAST】
今回、いっぱいいたので省略~

【CM】「地域医療でなくまちづくりのために僕は
夕張に赴任した」と公言する村上智彦医師の日々。
メルマガ「夕張希望の杜」の毎日
http://www.kinoshita-toshiyuki.net/newsletter.html
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2010年7月26日月曜日

座長のすがお-vol.2 「北大研究者図鑑」

きたかんリポータきのっちです。夏休みが始まり、所帯もちメンバーは野に山に家族を連れて(いや、むしろ『自分が行きたい』ので家族をダシにして)繰り出している模様です。内地では酷暑、世界も異常気象、災害が多いなか、幸い北海道は過ごしやすいと、野山に出ない私は、エアコンなしの生活を謳歌しています。

さて、北大教授らしくないキャラの持ち主で「楽しい持続可能」を考え、さらには、きたかんで学びに目覚めた異業種社会人との交流を、半ばライフワークとしている、敷田座長(AB型)を紹介する上で、便利なサイトができました。

ご本人から本日、メーリングリストでPRを発してました。さすが売り込み上手。
【原文ママ】
北大の実験的サイトのアドレスですhttp://gcoe.ees.hokudai.ac.jp/mfrs/?p=1213

早速、私も教授図鑑(?)をみました。実は過日、院生のインタビュアー氏と、敷田教授と、一緒にひるごはんを北大で食べたことをきっかけに、「敷田像」を多少は知っている私も、原稿に手を加えて、この形になったようです。絵が書ける人は絵を描く、段取り上手な人は仕切る、文章なおすことが苦じゃない人は、赤ペンをもつ。こうしたwin-win(?)または協働により、敷田座長はモノを仕上げていくことがお好きです。そんなわけで、かつては敷田教授ときのっちは師弟でもあり、いまだに厚情を賜っている(大きなツケがある?!)ので「校正モノ」が、けっこう回ってきます。

元々の個性ある、キャラの濃い教授像をインタビュアー氏、きのっち、そして敷田教授が整えて文章に仕上げたサイトですが、読み応えアリ。ご本人へのコンタクト先もあり。
興味ある人はぜひ、ご覧ください。


【きたかんCAST】
・敷田座長・・・きたかんを伝説にする野望をもつ先生。最近は孫にメロメロ?
・きのっち・・・きたかん記録係&異業種交流マニア。ウナギが好きだが高くて無理。

【CM】社会人の学び直しや科学技術コミュニケーションなら。
北海道大学Co STEP(科学技術コミュニケーター養成ユニット)
http://costep.hucc.hokudai.ac.jp/costep/
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2010年7月23日金曜日

きたかんS氏メールデビュー

きたかんリポータきのっちです。札幌は曇天、夕方から雨が降り出しました。今晩は花火大会のようで、「ポン☆ポン☆」と音が聞こえました。さて、きたかんでは普段会えない道内各地のメンバーの、心の距離を埋めるべく、メーリングリストを使い、意思疎通や合意の形成の補助道具としています。私がかねてからMLに引っ張り出したいROM(:読むだけ)メンバーのS氏がついに今日、1本のメールを送信しました。このところデビューものが続きます。

「北竜に、ひまわりの咲く時期にいっぺんきたらいい」。まちづくりのシンボルのひまわり開花に合わせて、今年に入ってかねてから、なんどもS氏から口頭でお誘いがありました。でもいくら口で「良いから、とにかく素晴らしいからいっぺん来い」と言われても、MLメンバーには伝わらず、また、都合のつけようがありません。まず飲み会やるにも何事にも、メールでの「プチ企画書」が必要です。「みんなまず北竜に来て、見て、感じてほしい」思いをメールにしたSさん。初めての送信文には、いつ、どこに集合して、どの会場でなにを語るのか、泊まりたくなったら、どうする、連絡先は、などの必要な情報が一通りありました。S氏のMLデビューは私には、二重丸の花丸でした。なぜなら「書くことで思いを整理して、MLという道具を使って発信してくださいよ」と、これまでさんざんハッパをかけていたからでした。こうした「勇気ある送信」をきっかけに、読み手専門の側からメンバー自身が発信する側となると、きたかん活動の楽しさは倍増します。

この後のステップとして、Sさんは北竜のまちづくりと、きたかん人材とをコラボさせる上で、濃・中・薄、どのかかわりとして位置付けたいかを整理して、思いを企画に盛り込む。そして「中程度」や「濃い」かかわりの程度を選んだなら、ちょっと腹をくくる。発案者自身が主体的に動き、北竜の地域や、きたかんでの仲間を巻き込み、みなでプランを創る。そしてほんとに地域に人を呼んで、当日物理的に回るのか?などロジ的な検証と、その回が終わってからの検証が必要です。いうなれば「2割の能力と、8割のスタミナ」が必要となります。なぜなら当年、さらに翌年以降など、きたかんとの関わりが継続する可能性が大きいですから。

このように、最初から濃いかかわりを想定して、やることの多さに、実行するまえにして早くも萎える・・・そのまえに、「薄いかかわり」でやってもいいしょ、と企画するパターンも、これはこれで許される。その「ゆるさ」が、きたかんです。

北竜のひまわり仕掛け人、S氏の歩みに期待しています。

【きたかんCAST】
・Sさん・・・北竜の気さくな町議、草野球の季節はオレの季節
・きのっち・・・きたかん記録係。芸はゆる~いブログを書くこと?

【CM】きのっちを“観光妄想”に導いた教授の生態。
敷田麻実「今日の札幌/きのうまでの札幌」
(※北大観光学高等研究センター教授の日々:道外ネタも満載)
http://www.cats.hokudai.ac.jp/~shikida/index.htm
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2010年7月22日木曜日

きたかんから公職デビュー

アウトドアにはあまり縁のない、きたかんリポータきのっちです。ですが、山登りと観光の問題なら最近、調査の仕事を受けて情報収集したこともあり、多少は詳しくなりました。

さて。豊かな自然を生かした北海道観光の楽しみや、道民のレクリエーションの選択肢一つにアウトドアがあります。アウトドアは楽しいですが一方で、人が自然に分け入ることは、危険に足を踏み入れる行為でもあります。そこで個々人がリスクへの心構えをするとか、制度としてアウトドアを安全にしていくなど、なんらかの「手」を打たないと、自然も荒れるし、人がケガしたりもします。すなわち、よりよいアウトドアのあり方についての、対策の選択肢もまた多様であるということです。そんな転換期にある北海道の自然体験シーンでは「北海道アウトドア資格検討委員会」が、いまこの資格制度の見直しを行っています。会の座長はきたかんの先生である敷田教授で、大学のソト活動として公職を受けています。そして検討委員会の中には、分野ごとにいくつかの部会がありますが、その1つの部会メンバーになんと、きたかんから2期生の「としおきさん参加☆」が決まりました。昨日7/21に初の会議があったとのこと。

これまで、その分野に詳しい一部の専門家しかなれなかった(であろう)いわゆる「公職」というもので、私たちには縁のない話でした。そんな「専門家」の役割に、私たち「北の観光リーダー養成セミナー」の修了者がなったことは、きたかんメンバーにとって、大いなる励ましであり刺激となるできごとです。もちろん、としおきさんに、自然や環境教育におけるガイド役、インタープリターとしての高い能力と専門性があって、さらに課題を探して解決する能力や表現力を高めてみたいと思い、機会をつかんだのだと思います。

この会議に出た敷田教授からは「検討部会では、彼の今までの経験に加えて、養成セミナーで鍛えた議論する力や、的確な発言が見られました。参加していた私もとても気持ちのよいものでした。すばらしい」と絶賛の☆コメントがありました。また、報告のメールをMLで見た「人材育成セミナーの母」なのか「セミナー受講生の姉的存在」の、かとうけいこ先生からも「2期生としおきさんの活躍、目に浮かび、うれしゅうございます」との祝福が。かとう先生は「エレベータートーク」や「30秒自己紹介」など、いかに短時間で顔と名前を覚えてもらうか、先手必勝のアピール術を、受講生に伝授した師匠です。

そうです。こうした講師陣から学んだことは、ちゃんと実践することにより、力となるのです。きたかんメンバーも、2期受講生としおきさんの後に続きましょう~

【きたかんCAST】
・敷田座長・・・きたかんを伝説にする野望をもつ北大教授らしくない先生
・としおきさん・・・洞爺の財田にいるカリスマインタープリター。酒がなくても酒席モード対応
・かとうさん・・・機動力で突っ走る広報のプロ。講師陣なのに受講生に近いノリ
・きのっち・・・きたかんを観察する異業種交流マニア

■北の観光リーダー養成セミナー?
次世代の北海道観光リーダー養成のために設立された、観光人材育成事業。半年の週末を使い養成期間で30名の精鋭が育つ。テンションが上がった受講生らは、その後、自主組織の「きたかん」に任意で所属し相互に高め合う「ゆるいつながり」。3期生募集を7月中旬に締切り、各地の精鋭がエントリーした模様。

養成セミナーの様子=http://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/kkd/kanko-manager

2010年7月15日木曜日

馬に魅せられ日高詣

きたかんリポータきのっちです。日高では競争馬のセリ、穂別や夕張ではメロンの最盛期、北竜町でひまわりも背丈が伸びるなど、道内各地へのイベントが目白押しです。きたかんメンバーが数多く暮らす地域の側から、そこにある「大したことないべや~」と、これまで自慢にもしていなかった地域資源を、外に向けてPRして売り出し、地域の外から客を呼び込む、いわゆる「着地型観光:ちゃくちがたかんこう」の試みを、やってくれました。人材育成セミナーの「シゴキ」を経て成長した、きたかんメンバー日高ユニット(荒井さん、ワッキーさん、田所さん)が幹事となってツアーを開催しました。
【写真】NO IMAGE (私は欠席だった)

2010年7月12-13日(モロ平日・・・)タイトルはずばり「日高だ~べ~」。その通りツアーテーマの「馬」と北海道弁の語尾を掛けた、ベタでインパクト大の企画です。場産地である日高方面へと、日帰り部隊も含めて、1泊2日で有志が行って来たようです。私は参加していないので、早速、MLに寄せられた声を2-3名紹介しておきます。

(前日準備の)荒井さん:今日はすべての訪問先に明日の催行と受入れの段取りを連絡しました。参加者名簿の提出により、地域の受入れ側のみなさんが、何となく『シャキーン』としておられる感じをうけました。きたかん.netが少しずつ道内の地域に認められればいいな」

(ツアー修了後)敷田座長:「Deep Southならぬ、Deep HIDAKAな旅でした。(中略)そこにある地域の営みは、知る・あるいは体験するに値します」

うえさん:「日高だ~べ~怒涛ツアーの(ワッキー作:お手製)パンフを良く見ずに参加させてもらいました。幹事3人で創り上げたツアーは、予想を遥かに超えたコッテコテの・・・(中略)詳しくはまた、例会などで報告します。このツアーから、また1つ、敷田先生の『きたかん伝説』となれる可能性を強く感じました」

これらのコメントから、参加した顧客側にとっていかにそのツアーの、参加費の安さと満足の大きさの開きが大きかったかを物語っています。また一方で、日高の人や事業体、役所なども、町に「来て、見て、知って、ものすごく喜んでくれる、各地からの人」の存在や、彼らとの交流によって
・地域も顧客と一緒になって楽しんで
・地域が資源の独自性を改めて発見し
・さらに正当に評価されることで自信つけ
・地域の思いを表現する ・・・ようになればしめたものです。楽しくつながる着地型観光、GOGOです。

次もぜひ企画してもらおう。

【きたかん CAST】
・敷田座長・・・きたかんを伝説にする野望をもつ北大教授らしくない先生
・荒井さん・・・売る気の弱い日高をどうにか売り出そうとしている、行動派の馬獣医
・ワッキーさん・・・普段は倶知安に棲息、きたかんでは代表世話人を務めるツワモノ
・田所さん・・・「胆振のチベット」に住むイエティ公務員。ガタイも声も大きい
・うえさん・・・札幌駅至近の某ビル一画で添乗員をやりくりするカリスマ実務家
・きのっち・・・きたかんを観察する異業種交流マニア

【CM】「地域医療でなくまちづくりのために僕は
夕張に赴任した」と公言する村上智彦医師の日々。
メルマガ「夕張希望の杜」の毎日
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2010年7月14日水曜日

洞爺湖での壮大な企画

きたかんリポータ、きのっちです。日照不足ながら、キャラが暑苦しい「北の観光リーダー養成セミナー」修了生のゆるゆる組織、きたかんメンバーが点在するエリアでは、夏めいています。まず棲息密度(?)の最も濃い札幌では、大通公園のビアガーデン、そして日高の馬ツアー企画(つい先日終了)に、夕張や穂別ではメロンの季節、そして北竜町のひまわりもさきだせば、各地へのイベントが目白押しです。そんな予告や報告メールが、きたかんのML にも続々と入ってきます。私がいろんなMLで、事前情報を受けたもので「おや?」と思ったのは、これでした。

「洞爺湖温泉誕生100年記念感謝祭」のボランティアスタッフ告知のチラシ。洞爺湖の100歳を、みんなで踊ってお祝いしよう。という企画のようです。そのボランティアに応募した人びとの主な任務はもちろん「マイムマイムの踊り手」、ほかイベントを手伝いがてら、もっぱら盛り上げ隊らしいです。
洞爺湖温泉誕生100年事業委員会(観光協会「ほっと~や」HP)
http://www.laketoya.com/news/?No=7
しかし「洞爺湖1周をマイムイムでつなぐ」とかなんとか・・・って。きたかんの誰かが以前に話していたような、どこかの酒の席で出ていた、ヨッパライのたわごと(!)系企画ではなかったかしら。と、私の記憶の隅っこにあります。

この布石として洞爺において、きたかんメンバー有志は2010年3月に、新たな洞爺の地域資源さがしを「洞爺キャンプ」と称して行い、地元の人々と交流してきたはずです。私も行きたかったのに、不在だったので覚えています。そこで、いろんな新たな発想なり企画が出たようで、マイムマイム企画の芽が育ったものとだ思います。おそらく。

いずれにしても、ぐるり40kmあまりを人間でつなぐとは、大きな話です。しかし、その「マイムマイム」という踊り、小学校の運動会以来、私はをすっかり忘れていましたが、ニコニコ動画に参考資料があり「あぁ、これか!」と思いだしました。ちなみに教科書的な「人間の和」は、沖縄で平和を願って手をつなぐといった集いをしたりしますが、洞爺くらいの無邪気っぷりで「人でさぁ、1周ぐるりとつながって、マイムマイム踊ったらおもしろいべや」的発想も、ふっきれていて、アホらしくて、非常に面白いと思います。

きたかんメンバーは、アホらしい企画に情熱を注げる逸材が揃っています。洞爺方面でしたら、「としおきさん」などがその筆頭です。

【きたかんCAST】
・としおきさん・・・洞爺の財田にいるカリスマインタープリター。酒がなくても酒席モード対応
・きのっち・・・きたかんを観察する異業種交流マニア


【CM】きのっちを“観光妄想”に導いた教授の生態。
敷田麻実「今日の札幌/きのうまでの札幌」
(※北大観光学高等研究センター教授の日々:道外ネタも満載)
http://www.cats.hokudai.ac.jp/~shikida/index.htm
※きのっちの独断&趣味でお薦めするHP・ブログ


2010年7月12日月曜日

学ぶことを楽しもう

きたかん広報大使(?)きのっちです。私も一応「観光創造専攻」という学校を出た身として、新たな観光の視点を、たまには語ってみたいと思います。

ネタ元は「レジャー白書2009」から。ここのp119,「『生活領域市場』のフロンティア」の見出しでは、こう説明しています。「かつてレジャーとは区別して考えられてきた「仕事」「学習」「健康」などの生活時間領域や、結婚などの人生儀礼さえもが、いまやエンターテインメントの重要な機会となっている。未開拓の生活領域は、まだまだたくさん存在している。」とあります。

その視点として、生活領域が新たにレジャーやエンターテインメントの領域として注目を浴びるケースを説明するキーワードが、私は面白いと感じています。近年急速に領域を確立した「エデュテインメント=学ぶことを楽しむ」ことによる新たな価値の創造です。教養(学び)+娯楽(楽しみ)で、エデュテインメント。この視点によって、過当競争による価格引下げしかなかった地域の観光受入れの現状から、自分たちが気づいた新たな市場によって、自分達側で価値の座標軸を定め、相手に値段をつけられるのではない、独自の売り方をしましょうよ。と、提案しています。

北海道こそまさにそうだと思います。観光はもちろん、マラソン、山登り、YOSAKOI、花めぐりの旅、温泉、カニ尽くし・・・夏のシーズンですから、なんでもあるなかで北海道に来る人は、ただ「受け身」でサービスやもてなしを受けて満足なのではない。たしかにキレイだし、それなりに美味しいです。けれど心地よいものはすぐ慣れて飽きる。。そこで、より深い体験なり、お客が得る情報や知識が必要です。もっと進んで地域の新しい観光に関わる「お手伝い」の要素を入れ、お客が主体的にかかわることで、旅行者でありながら、彼らもまた学びたい意思をもって、数ある旅情報の中から北海道に行き先を決めたはずだと、私はにらんでいます。

たとえば、酪農がさかんな道東や道北では、ドライブしてても「風景がきれいだな~」という感想以外に、まず、現実派な私なら以下の質問が浮かびます。
・酪農家の1日は気がつけば「家族と牛しか今日は会わなかったナ」という日もあるのか?
・ごみ収集の仕組みは、どうなってるんだろう?
・回覧板をご近所でまわそうにも、なまら離れているから難しそうだ
・年の近い子供が近所にいなかった、子供の遊び相手は?
・子供はゲームするのか、牛と遊ぶのか、遠くても学童保育みたいな拠点があるのか?
・しかし、朝晩に搾乳が必要な生き物飼ってて、いつスーパーに買出しにいくんだろう?
・家族旅行するときはどうする??

こうした、疑問百出に応えるような観光であれば、断然北海道の酪農地帯、畑作地帯、水田地帯、それぞれが面白いネタを小出しにしていけるはずです。口蹄疫とか、タイミングというものにも翻弄されますが、温めておいてほしいテーマです。


【写真-1】縞模様のナゾ。話題は埋もれているだけです(西興部の6月)

なぜ、やらないのでしょう。。地元の人にはなーんも面白くないからか。

その辺を、北の観光リーダー養成セミナー3期に入って、考えてみるのもよいですよ(CM)。きたかんは、そうした議論が大好きな暑苦しいメンバーが道内&各地に大勢います。


【写真-2】こんな人達のごく一部(2010/6/19@小樽)

【CM】次世代の北海道観光リーダーはあなたです。
「北の観光リーダー養成セミナー」
セミナーの様子=http://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/kkd/kanko-manager
北海道の観光観光人材育成事業。平成20年度に始まり毎年度、半年の期間で
30名の精鋭が育つ。テンションが上がった受講生らは、その後、自主組織
「きたかん」に任意で所属して相互に高め合う「ゆるいつながり」。
3期生の募集を絶賛受付中!

2010年7月9日金曜日

参加型参観日@北大で得た「気づき」

きたかんリポータきのっちです。参加型参観日7/7の続きです。この日の講評やメンバーの感想をまとめてみました。

まず敷田教授からは、参加のお礼と「きたかんが、2日間でやったツアー作成を90分×15回の授業で、北大の学部1年生はやっています。きたかんが2日でツアーを各チームが作れるのはそれだけ、もともと持っている技能や知識に差があるからです。このグループワークから、いろいろなチームがあり、またチーム内の活動も多様であることは、きたかんが体験したプロセスと同じです。できが良くても悪くても、学ぶチャンスがあるのが、この手の参加型授業のよいところです」とのコメントがありました。以下、きたかんメンバーからのコメント(順不同)です。

【写真-1】札幌を歩いて新しい価値を見つけた(5/28)

にゃまさんの感想:学生の若いエネルギーに触れて元気をもらってきました。

にしさん:「札幌の地域ツアー発表会」に参加してきました。面白い視点あり、内容ありで楽しかったです。学生と話してみて、「ツアー創りを楽しんだ(苦しんだ)量と、ツアーの楽しさは比例するんだなぁ」と思いました。これからが本番の「回収」です(笑)。←意味深

にしさんには野望があり、題して「接着剤企画」といいます。内容はまだひみつです。キーワードはボランタリーな異世代の接着です。どんな「変化」があるか、いまから楽しみです。

【写真-2】学生チームが作った旅行商品の、慣れない売り込み(7/7)

はたぶーさんの感想:「発表会」楽しみました。発表後のフランクな懇親会で、社会人側からの具体的な感想とかアドバイスを聞いた学生さんと交流し、アハ的な「気づき」体験がありました。学生の目がキラキラしててとても良かった。(略)こうした気づき体験で、勉強とは違った脳みその部分が刺激されることに意味があったのでは、と感じました。

きのっち:旅行商品を業として作る発想にはない、学生の視点と、ボランティアによる観光のアプローチにまだまだ可能性がある札幌や、北海道の地域にとって、よい関係が作れたら面白くなりそう。それにしても「欲しいものが欲しいわ」 と言った糸井重里はすごいなと、改めて思いました。

*  *  *  *

さらに、きたかんには旅行商品をコーディネートして作り、値段をつけて売っている人もいます。北海道を観光の宝島として、いつも宝さがししている宏一郎さん、あるいは小樽のOSN、日下部さんです。かれらも早速、学生との交流で得たものを、自社商品に盛り込んだりするでしょう。このように、各人が得るものがある集いが、低コストで運営できるのも、民と産業と学の間にうすぼ~んやりとまたがってある、きたかんの、ゆるい組織図ならではの効果・効能と考えています。

【おもな きたかんCAST】
(凡例 1=1期生、2=2期生、講=講師)
・敷田座長・・・きたかんを伝説にする野望をもつ北大教授らしくない先生
・2-にゃまさん・・・テレビ局営業マン。身近な現象をアメフト的戦略論で考えるひと
・2-にしさん・・・札幌の観光、北海道の観光なんでも知りたいタフな公務員
・2-はたぶーさん・・・すすきのの魅力を高める野望をもつ、歩くすすきの辞書
・講-宏一郎さん・・・暑苦しく北海道を愛し突っ走る地域コーディネータ。もとミツバチ
・2-日下部さん・・・元ホテルマン、小樽で旅行業を営む「歩く小樽辞書」
・1-ちばさん・・・旅ずきグルメずき、趣味と実益?旅行の学校で教える姐御肌のセンセ
・2-荒井さん・・・売る気の弱い日高をどうにか売り出そうとしている、行動派の馬獣医
・2-戸田さん・・・仕事上、札幌をくまなく知るべき立場だがひきこもりの噂をもつ
・2-伏見さん・・・講演講習会ずきにして、地域活動などマメに参加する信金さん
・講-かとうさん・・・機動力で突っ走る広報のプロ。講師陣なのに受講生に近いノリ
・きのっち・・・きたかんを観察する異業種交流マニア

■北の観光リーダー養成セミナー?
北海道庁&北海道観光振興機構による、次世代の北海道観光リーダー養成のために設立された、観光人材育成事業。平成20年度に始まり毎年度、半年の期間で30名の精鋭が育つ。テンションが上がった受講生らは、その後、自主組織の「きたかん」に任意で所属して相互に高め合う「ゆるいつながり」。3期生の募集を絶賛受付中!
養成セミナーの様子=http://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/kkd/kanko-manager

「参加型」参観日@北大~地元学の成果

きたかんリポータきのっちです。週のはじめ7月4-5日にかけて、私は大雪国立公園に出張してきました。仕事とはいえロープウェイに乗って山を下見してくる機会は楽しいものです。さて、きたかん関連の話題として、7月7日(水)に七夕企画、座長の敷田麻実教授からお招きをうけ、きたかんメンバー有志は教授の本業(?)活動である学部1年生の地元学「商品化」の発表会@北大に参加しました。

これは学生たちときたかんとの半公開授業型ツアー講評会です。5月28日(土)の「地元学」を、きたかんメンバーが支援したことがきっかけで、ガイドをしたメンバーが面白がって帰って来たその評判を聞いて、計11人が仕事を終えて(終わらせて)参加しました。場所は札幌駅から歩くと、果てしなく遠い北端の「遠友学舎」です【写真-1】。



5月の模様はこちら 「札幌地元学調査」続編
http://kitakan-now.tabilog-hokkaido.jp/article/0008453.html
 
■7/7 タイムスケジュール
1730 スタート(ルールの説明&ゲストの紹介)
1735 各チームによる旅行商品のプレゼン(1グループ3-5分)
1800 各店舗ブースでの商談開始(学生が質問や価格交渉を受ける)
1900 終了&講評&会場レイアウト変更
2000-  懇談会&かたづけ ____ココマデ「遠友学舎」
2030-2200 きたかんで移動&飲み会 __@居酒屋

北大の「シラバス:講義概要ブック」上では正式名称「全学教育 人間と文化『札幌の地域ツアーづくりで観光まぢづくり体験(論文指導)」という、真面目そうな授業です。しかしその内容はグループワークでの議論や、街にでかけるフィールドワークもありで、楽しんで取り組めます。学生側にとっては観光で単位がもらえ、しかも全学から集まる「気質」や「興味関心」の異なる学生を束ねる力や、プレゼン、表計算、金勘定のセンスなど、あらゆる能力が高まる学習効果が得られます。グループワークなので、金勘定が苦手、という子がいても複数の学生がいれば、数字に明るい子もいて、その多くのグループで解決の道が開けるようです。

5月末の土曜、地元学によって対象地域を歩き、その中から今の旅行商品にはないニッチな学生の観点で、身近な地域を使って半日ツアーを商品化しました。そうすることで、なんとなくあった資源が「資源化」されます。価格の設定においては、収益率を考えて、自社が他社に託して売ってもらう商品には委託費を何割にするか、固定費はこれだけ必要だねなど、学生は「商売人」モードになって考え、相談して率を設定し、商品本体の値段をつけました。こうした議論を経て作った商品の学生による当日の発表では、ウリを書き込んだ模造紙1枚を使います。そして、ツアーを購入してもらう取引先(・・・に見立てたきたかんメンバー)や同業者(・・・に見立てたクラスメイト)を前にプレゼンします。とはいえ、なにぶんにも学部1年生なので、人に伝える型なり訴えかける力や情熱が弱く、洗練度もまだまだです【写真-2】。



そんな学部生を「仮想わが子」としてきびしく暖かく見守るきたかんメンバー【写真-3】。



プレゼンの後は商談会を行います。仕入れる側は相手とのやりとりのなかで、商品が完璧でないものに対しては、鋭い質問をして、時には価格を値切ります。きたかん講師でもある宏一郎さんが、積算の人件費の算出根拠について、質問しています(おそらく)。このように純朴な学生と、老獪なオトナ(?)との間で、緊張感あふれる価格交渉もありました。【写真-4】



授業の終盤では6グループ中の、売上額第1位が発表されました。もちろん1位を決めることが目的ではなく、各グループが商品を創り上げるというプロセスを体験することが目的です。「歩いていいとも」「メロン」「ITOITO」「いつまでも4班」「Micky」「トラベラーズ」の各グループ。
◎みんな頑張りました◎

【おもな きたかんCAST】
(凡例 1=1期生、2=2期生、講=講師)
・敷田座長・・・きたかんを伝説にする野望をもつ北大教授らしくない先生
・2-にゃまさん・・・テレビ局営業マン。身近な現象をアメフト的戦略論で考えるひと
・2-にしさん・・・札幌の観光、北海道の観光なんでも知りたいタフな公務員
・2-はたぶーさん・・・すすきのの魅力を高める野望をもつ、歩くすすきの辞書
・講-宏一郎さん・・・暑苦しく北海道を愛し突っ走る地域コーディネータ。もとミツバチ
・2-日下部さん・・・元ホテルマン、小樽で旅行業を営む「歩く小樽辞書」
・1-ちばさん・・・旅ずきグルメずき、趣味と実益?旅行の学校で教える姐御肌のセンセ
・2-荒井さん・・・売る気の弱い日高をどうにか売り出そうとしている、行動派の馬獣医
・2-戸田さん・・・仕事上、札幌をくまなく知るべき立場だがひきこもりの噂をもつ
・2-伏見さん・・・講演講習会ずきにして、地域活動などマメに参加する信金さん
・講-かとうさん・・・機動力で突っ走る広報のプロ。講師陣なのに受講生に近いノリ
・きのっち・・・きたかんを観察する異業種交流マニア

■北の観光リーダー養成セミナー?
北海道庁&北海道観光振興機構による、次世代の北海道観光リーダー養成のために設立された、観光人材育成事業。平成20年度に始まり毎年度、半年の期間で30名の精鋭が育つ。テンションが上がった受講生らは、その後、自主組織の「きたかん」に任意で所属して相互に高め合う「ゆるいつながり」。3期生の募集を絶賛受付中!
養成セミナーの様子=http://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/kkd/kanko-manager


座長のすがお「登別 川遊び編」

きたかんリポータきのっちです。今回は、きたかんの母体である「北の観光リーダー養成セミナー」座長の敷田教授を「パパラッチ」してみました。

7月4-5日(日-月)にかけて登別市の山奥にある、市民活動拠点であるネイチャーセンター「ふぉれすと鉱山」を舞台とした「モモンガくらぶ」というNPOの活動を見に行ってきました。【写真-1】ふぉれすと鉱山


詳しい報告はhttp://npo-momonga.org/2010kyoudoukenkyu/2kenkyu_kaisai.html

きたかんメンバーにとっては座長で先生の敷田麻実北大教授も、ここでは1研究会メンバーです。20人弱の研究会でもあり、和気あいあいと民主的な学びの場をもっています。そしてここはもと鉱山であった5軒ばかりの集落(その名も鉱山町)で、自然がタップリ。今回の研究会は、地域資源をまず研究会メンバーも体験してみねばと、川遊びプログラムを行いました。施設から3分ほどで川に到着です【写真-2】。


すると敷田教授、かつて探検部だった血が騒ぐのか、次々と2mほどの高さの岩から川に飛び込むメンバーに続き、



【写真-3】よじ登って


【写真-4】ジャーンプ


【写真-5】満足げです

このように、ゲリラ的水かけ⇒飛び込み⇒橋脚わたり⇒水中観察⇒たも網と函メガネでカジキ漁と「敷田少年モード」で遊び続け、メンバーが「もう帰るよー」と支度をしていても川に入っていました。ちなみに水温は決して高くはなく、私は足先の寒さが頭に伝わり、頭の芯が痛くなる、楽しくも過酷な川遊びでした。

そのあとちゃんと(?)研究会モードに切り替えて「地域の中間システムの評価」について話し合ったことを、教授の名誉のためにも念押ししておきます。


【写真-6】研究会。ただし猛烈に眠い。。


【おもなきたかんCAST】
・敷田座長・・・きたかんを伝説にする野望をもつ北大教授らしくない先生
・きのっち・・・きたかんや観光の動向を観察する異業種交流マニア

【CM】社会人の学び直しや科学技術コミュニケーションに
興味があれば。北海道大学Co STEP
(Co STEP:科学技術コミュニケーター養成ユニット)
http://costep.hucc.hokudai.ac.jp/costep/
※きのっちの独断&趣味でお薦めするHP・ブログ

2010年7月2日金曜日

地図に残る仕事~新千歳国際線ターミナル編

きたかんリポータきのっちです。7月に入り、山開きとか夏物バーゲン、さらには中国人観光客にとってビザの発給が緩和され、日本が訪問しやすくなるなど、北海道にとっても多少明るい話題がなによりです。今日のネタは、きたかんメンバーの「お仕事拝見編」です。とはいえ、写真は新千歳空港の「国際線ターミナル」。なんでや?、と思うことでしょう。【写真-1】

この「作品」を作った某大手ゼネコンに勤務し、きたかん活動にも積極的に関わっていたさなか、突然に中国瀋陽支部に赴任することになり、きたかん瀋陽支部のひとり支部長(?)となった逸材、それがしずくささんです。彼が何十、いや何百もの関係者や組織を束ねチームで創り上げた作品。それが「新千歳空港国際線旅客ターミナルビル」、ですから今回はココがお題です。7/1以降はこの「玄関」から北海道入りする多くの中国の人々に、しずくささんたちの「こだわり」は、どのように感じてもらえるでしょうか。【写真-2】

先日、6/27に私の友人が伊丹に発つのを送りに、新千歳にいった時、時間があったので、OPENからかなり日も経過していて「何をいまさら」ですがターミナルを見学してきました。【写真-3】

建築シロートな私が見た限り、近代的なビルは多くがガラスとステンレスな感じな雰囲気に仕上がるなかで、国際線ターミナルも基本はそうなのですが、内部にはレンガや木を効果的に使っており、空間も広くてイイ感じです。私のOFFの旅ではぜひ使ってみたいです。しずくささんが言うには「コンセプトは、森の木々が 1階から3階にかけて、伸びているというもので、豊かな森の自然が出迎えてくれる、あるいは見送ってくれるというものです」。さらには「エスカレーターの側面ガラスには白樺の幹をイメージしたプリントが施されています」。そうなのですか、私は「アイヌ刺繍のモチーフかな」と思いました。【写真-4】

このような大きなものを創り上げるゼネコンという仕事に対して、しずくささんは「形と記憶が残ることが、我々の醍醐味」と話します。ちょっとキザですが、まんざらでもない感じです。会社は違うけれど、かつて私が好きだったテレビCMのコピーは「地図に残る仕事」。音楽は忌野清志郎、パパの歌でした。「昼間のパパは~男だぜ」。この歌通りしずくささんは、仕事で週に数日しかお家に帰れないこともありつつ、きたかんに学ぶ以前は、OBSという北海道で有名な学校にも通っていた人です。仕事のできるひとは時間の使い方にも長けているのでしょうか。ですから英・ブレアの4Cのフレームワークを使った分析、SWOT分析とかなんとか、とにかく多くの分析手法を、自分のものとしていつつ、受講生時代には質問やコメントを主体的に発する人でした。

観光実務家のゆるいつながり、きたかんは東京進出はおろか、意外とインターナショナルです。いや、トランスナショナルでしょうか。それにしても中国の発展の空気や、瀋陽のまち、そこでの仕事の進め方の違いについて、MLからどんなネタをしずくささんは知らせてくるのか、楽しみです。


【おもなきたかんCAST】
・しずくささん・・・北海道のランドマークを作ってたひと、瀋陽支部長にして学び続けることが趣味
・ きのっち・・・きたかんを観察する異業種交流マニア。トウキビが大好物で夏は朝食代わり

【CM】“豆知識”は会話の潤滑油。「ねぇ知ってる?」
http://dogatch.jp/anime_kids/mameshiba/movie.html
※きのっちの独断&趣味でお薦めするHP・ブログ

2010年6月29日火曜日

3期生リクルート大作戦

やや夏バテ気味な、きたかんリポーターきのっちです。北の観光リーダー養成セミナーでは、第3期受講生の募集期間に入っています。1期・2期の受講生をはじめ、「この人は受講したら大バケする!」と思う周辺の逸材には「ぜひ、3期を受講したほうがいいよ」と熱く語る、リクルート作戦を現在展開しています。
【写真-1】講演会を聞くばかりじゃない。グループワーク重視(2009年10月4日@ 穂別での地元学)


「良い内容の人材育成セミナーならば、放っておいても人がくるのではないか?」と思う向きもありましょうが、やはりさにあらず。受講生自身が体験した良さを、その口で語ってこそ、人はその言葉を信頼し、人生のうち半年に満たぬ時期の週末と、受講料の3万円を賭けて、主体的に受講するものです。千枚の広告も有効ですが、さらに力を発揮するのは1人の体験者の言葉。そしてその持つネットワーク線上にいる逸材、このつながりから、面白い謎の組織「きたかん」活動も、より充実していくから、集めるほうも真剣です。お楽しみとしては【写真-2】オトナのバス旅行もあります(2009年10月3-4:to むかわ町穂別ゆき)。

来年からガイドの仕事を始める人とか、わが者のピカイチカリスマ添乗員、JR北海道や観光協会の職員などから「3期を受講します」の名乗りが挙がっています。観光による地域づくりは、いろんな地域の面白がりな人材と、ながーく、ゆるーく、組んでやるに限る。決して孤軍奮闘するものではありません。きたかん活動を知る私は、そう思っています。

そんなわけで「北の観光リーダー養成セミナー」で新しいネットワークを主体的に作り、楽しみ笑い面白がって未来の北海道を創り続けるタフな仲間を得たい人。ぜひエントリーしてください!募集期間の残すところはあと半月、6月14日(月)~7月16日(金)です。

■北の観光リーダー養成セミナー?
北海道庁&北海道観光振興機構による、次世代の北海道観光リーダー養成のために設立された、観光人材育成事業。平成20年度に始まり毎年度、半年の期間で30名の精鋭が育つ。テンションが上がった受講生らは、その後、自主組織の「きたかん」に任意で所属して相互に高め合う「ゆるいつながり」。3期生の募集を絶賛受付中!
養成セミナーの様子=http://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/kkd/kanko-manager

2010年6月28日月曜日

札幌の旅行をつくる北大生&きたかん

きたかんリポータきのっちです。「きたかん支援の地元学」としてブ5/29付のブログにも模様をリポートした話の、続編です。北の観光リーダー養成セミナー座長の敷田麻実教授の本職(?)としての活動に、北大の観光学高等研究センター教授としての仕事があります。その一環として担当する北大の1年生の授業で「札幌地元学」という単元がありました。
【写真】円山エリアのオーガニック野菜の店にて、店主から聞き取り中


きたかん有志8名がこれに支援をして、5/29(土)、班ごとに分担してきたかんツアーガイド代わりを行いました。とはいえガイドにはルールがあり、「学生側から質問がない限り、ガイドはアレコレと親切心から解説しない」。このルールの元に、札幌の資源さがしワークショップな1日に同行したのが5/29。次回開催予定の7/7(水)の授業では、5月下旬の資源さがし当日の内容が「ツアー作成」→「発表会&ツアー競売会」へと進展します。

時間は、きたかんオトナ組が仕事を終えて遅刻ぎみに滑りこめる時間で、場所は北大の通称「高機能センター」2階で行います。
■当日のスケジュール(予定)
1730 スタート
1735 各チームによるツアーのプレゼン(1グループ3分、合計30分)
1800 各店舗での競売開始
1850 終了
1850-  相互評価とかたづけ

まずグループ代表の学生はツアー発表を3分で行い、自社の商品をPRします。そして仮想の外部業者として、きたかんメンバーが授業に加わり、学生も相互に同業者として、ツアーを仕入れる側の役回りとなって競売を行います。互いの商品の内容を評価し、場合によっては「値引きの要求」もして、オトナ社会さながらの経済原理に基づくリアルな授業となることでしょう。このように、きたかんにとっては甥っ子姪っ子、息子や娘のような年代と、きたかんの有志が一緒にワークショップを通じて共に歩き、話し、大学の授業に参加し、食事して仲良くなる。こうしたことは滅多にできない経験です。さらに当たり前のことですがなんと、学部の1年生は平成4年(1992年)生まれです。なんとお若い・・・
  
このつどいに、5月には参加できなかった小樽の日下部さんや、日高の荒井さんも興味深々のようで、MLにて「授業参観(?)します」という参加表明がありました。私が特に面白いと思うのが、小樽の日下部さんの参加です。彼は本職として小樽で旅行業を営み、小樽から出発する現地のツアー、いわゆる「着地型観光」で、小樽の基礎体力を取り戻そうとしている人です。ですから、いわば素人の学生が作った旅行商品、それを見たプロの日下部さんは「本職である旅行業者にはない感性や可能性」を、学生のプレゼンからどう感じ取るのか、また、そのヒントを自社の旅行商品にどう活用するのか。同じことは、日高を売り出そうとしている荒井さんにも言えます。そうしたふたりの参加や変化をウォッチしていけたらと思います。

【おもなきたかんCAST】
・敷田座長・・・きたかんを伝説にする野望をもつ北大教授らしくない先生
・荒井さん・・・場産地日高をどうにか売り出そうとしている、行動派獣医
・日下部さん・・・小樽で旅行業を営む。先日還暦をお祝いしたらしい
・きのっち・・・きたかん記録係。治そうと思いつつ夜行性の生活習慣

2010年6月21日月曜日

ニシンと蕎麦で小樽満喫の夜

きたかんリポータ、きのっちです。北の観光リーダー養成セミナーを修了した卒業生&関係者組織「きたかん」では80人のつながりを強化すべく、26人が参加して設立総会的なイベント@小樽を開催しました(続編)。

小樽を改めて知るツアーを、きたかん1期生日下部さんが中心となって企画し午後に開催しました。「小樽なんてメジャーな観光地には、行きつくしているから参加しないか?と思いきや、19名もの参加が小樽「ニシン物語ツアー」に参加しました。【写真-1】


これは、小樽で旅行会社を経営する日下部さんが、これまでにない視点の小樽を旅行商品にしたものです。1期生の最期の研修地となった小樽では、従来の観光資源にはなかった、埋もれた地味~ぃな資源さがしを「地元学」の手法を用いて資源化し、発表しました。そこで出た各グループからの荒削りなアイディアを、旅行業者として洗練させ、最少催行人数や荒天時の対応など、市場の理論やリスクを考えて、小樽観光ネットワークという日下部さんの会社から「商品」として売り出すことができたものの1つ、それが「ニシン物語」です。

小樽の運河プラザ近くからタクシーで「旧青山別邸」に移動します【写真-2】。


そこから「にしん御殿」までをゆるゆると海辺の道道を歩き【写真-3】、古い番屋の再生や、今咲いている花や周辺の漁師町、国定公園のウラ話や、小樽にかつていたビッグな経済人市長の大きな仕事の数々など、逸話を聞いて進むと距離を感じることなく、ニシン御殿に到着します。

私がこのツアーを通じて思ったことです。
・小樽と加賀橋立(実家)は北前船でつながっていることを再確認
・小樽の観光は北前船と手を組むことで、広域に仲間や顧客が増やせる可能性大
・北前船と小樽商大がある。「商い」を小樽で学ぶツアーが作れるのでは
・観光ボランティアガイドさんはよく勉強しているなぁと感心
・2,000円って、安いわ

そして祝津エリアからは5kmほど離れている小樽の市街地まで、タクシーで帰ってきました。【写真-4】

そのあとは、日も高いうちから飲み会です。小樽の名店「藪半(やぶはん)」にて懇親会を開きました。中盤からは同店の店主で、観光カリスマの小川原さんが同席し、交流を深めました。若い頃は全学連で活躍したという伝説(?)の青春時代を皮きりに、とことん普通をよしとしない人生を、小川原カリスマは歩んでおられます。そしてここ、藪半の2Fは思えば、きたかんのアジトでもあり、草創期に打合せをした場でもあるようです。ちなみに同店は基本は分煙によってだんだんとタバコ吸いを店の隅っこに押し込めていますが、2Fは治外法権のようです。ヘビースモーカーの小川原さんが、ここではのびのびと紫煙をくゆらしていました。いつも季節に応じた柄だったりと、おしゃれの見せどころで、おそらく沢山もっているであろう手ぬぐい、今日の頭に巻いた手ぬぐいは赤い展書(?)のデザインでした。マックユーザーでもあり、おしゃれな蕎麦屋のおやじさんです。

こうして参加総数27名お泊り組8名が小樽の地で、きたかんの組織誕生を祝いました。【写真-5】


■北の観光リーダー養成セミナー?
北海道庁&北海道観光振興機構による、次世代の北海道観光リーダー養成のために設立された、観光人材育成事業。平成20年度に始まり毎年、半年の期間で30名の精鋭が育つ。テンションが上がった受講生らは、その後、自主組織「きたかん」に任意で所属し相互に高め合う「ゆるいつながり」。3期生の募集を絶賛受付中!
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きたかん設立@小樽(6/19)

きたかんリポータ、きのっちです。北の観光リーダー養成セミナーを終了した卒業生組織「きたかん」の、設立総会的なイベント@小樽を6月19日(土)に開催しました。【写真-1】は順番は逆ですが、懇親会後に撮った記念撮影です。


次世代観光リーダーのゆるい組織誕生で、会場では当事者&関係者みなそれぞれが、一応に晴れやかな顔をしていたのが印象的でした。今秋に3期目の受講生を迎えるこの組織では、さらなる拡大をたくらんでいます。しかし一方で、1期生にしてみれば、自分達が受講した頃からの時間的・心理的「違い」や「隔たり」が、多少はあります。とはいえ大枠では何期だろうが、北海道の観光をもっと良くしていきたいという思いは誰もが持っています。そのモチベーションがある卒業生であれば誰でも歓迎で、セミナーを作った側の関係者も「先生-受講生」や「受講生-事務局」の別なく、いっしょくたになって会を運営しています。11時に始まった設立総会的イベントでは、座長の敷田麻実教授が30分のミニ講演をしました。【写真-2】


「みなさんは希望です」との語り出しで敷田座長の話が始まりました。
【要旨】
これからの地域づくりにおいては「薄い関係」と「濃い関係」を使い分けることを私はお薦めします。薄いとは、ちょっと覗くとか、ひやかしの参加。濃い関係とは企画する側となる参加。その組合せによる地域づくりを、地域内だけでなく、地域外の人々が支援しにやってくるスタイルが、より地域にとって健全な、草の根地域振興のカタチとなります。「地域活動と『心中』するくらいの人でないとできなかった地域づくり」から、地域づくりをより一層「有限責任」の範囲で参入できるよう外へひろげる。さらに、自信をもって有限責任で地域に関わる専門家に、きたかんの皆さんはなってほしい。
昨今では「仕事」と「プライベート」を明確に区別し、仕事への偏りからプライベートの充実へという解釈が、一般になされているのが現在一般的な「ワークライフバランス」の解釈です。しかしそうではなく、ワークでは仕事として社会に関わり、対価を得る。一方のライフは、仕事ではない面で同じく社会に関わる。この時間を増やして、自分の余暇時間で自分にとって違う世界をひらくこと、それこそがライフの充実であり、ワークもライフも、その両方を通じて社会と関わること。これが、きたかんで提唱したいワーク&ライフのバランスした、団体戦による、持続が可能な地域づくりです。このように、近年のワークライフバランスに関する解釈のあやまりを埋めるような、きたかん活動であってほしい。その際、みなさんやきたかんは「メディア」です。場はメディアであり、今後のきたかんを表現していくことで、北海道を使った社会実験となることでしょう。そうした規模の試みが可能なのが北海道なのです。

添付資料:http://www.cats.hokudai.ac.jp/~shikida/others/hokucyuukiji_medhia_20100302.jpg

その後、総会にて、きたかんの活動方針&活動計画の報告や、現在進行している各地(夕張・日高など)プロジェクトのPRがありました。

続いて「旅カフェ」というワークショップを、かとうけいこ講師により行いました。【写真-2】

この旅カフェは、「ワールドカフェ」をベースに北海道の観光を考える版に特化させたプログラムです。自由な発想を歓迎して相手の話をき、否定しない場づくりを特徴とします。さらにテーブルに敷いた模造紙にいろいろ絵や文字を書き込み、途中にはお菓子などをつまみ、テーブルを1ラウンドずつ巡りあるく「航海」を数度行います。喋る人は、トーキングオブジェクト(この場合「うっさん」フィギュア)を持った1人が喋ります。
【トークテーマ】
Round-1=あなたの心に残る「旅の思い出」。教えてください。
Round-2=何が人を「小樽」に惹きつけるのでしょう?
Round-3=あなたは今日から、旅人を小樽に、北海道に迎えるために、何かをしたいと思いますか?

そして最初のテーブルに戻って、ふりかえりを行い、ワークショップが終了します。終わる頃には、テーブルクロスに見立てた模造紙は、このような落書きで埋め尽くされます。【写真-3】

このような試みによって、「どんな発言をしても否定されない」「話をじっくり聞いてくれる」安心な場を体験することが、大きな目的で、その上に発想の広がりや、面白いことをグループで共有することをめざします。(次号に続く・・・)


■北の観光リーダー養成セミナー?
北海道庁&北海道観光振興機構による、次世代の北海道観光リーダー養成のために設立された、観光人材育成事業。平成20年度に始まり毎年、半年の期間で 30名の精鋭が育つ。テンションが上がった受講生らは、その後、自主組織「きたかん」に任意で所属し相互に高め合う「ゆるいつながり」。3期生の募集を絶賛受付中!
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2010年6月18日金曜日

ゆるい組織の設立総会@小樽(6/19)

きたかんリポータ、きのっちです。北の観光リーダー養成セミナーを終了した卒業生組織「きたかん」では、設立総会的なイベント@小樽を開催します。2010年6月19日(土)は1日、ホテルノルドや市内観光、そば屋の藪半(やぶはん)などを主会場に、北海道の次世代観光リーダーの、ゆるい組織の誕生を、当事者&関係者が祝う会となります。普段は道央圏はもとより、遠くは天塩や旭川、北竜、日高、本別、ニセコ、奥尻など各地で本業を持つ、76人のつながり。そこから27名もの参加が小樽で得られるのはすごいことです。(しっかり自費で、しかも週末に)。。みな(1)ワークショップ(2)市内テストマーケティング企画ツアー(3)懇親会の、都合よいところから参加します。

朝は11時に開始して昼食をはさみ、ホテル会議室にて1期生と2期生の打ち解けのひと時、いわゆるアイスブレイクな部分を、「旅カフェ」というワークショップで行います。これは、かとうけいこコーディネータによる、去年北海道では草創期にあたる試験運行も含めると、私やコアメンバーにとっては4度目の催しです。この旅カフェが「1期生と2期生の交流-場Part1」となる手筈です。この旅カフェは、自由な発想を歓迎して相手の話を聞き、否定しない場づくりを特徴とします。さらにテーブルに敷いた模造紙にいろいろ絵や文字を書き込み、途中にはお菓子などをつまみ、テーブルを1ラウンドずつ巡りあるく「航海」を数度行います。それによって、オトナ社会である会議では大多数の、いわゆる「落とし所の用意や結果結論、正解やベターの解決法を探る」という義務(?)がなくて良い、不思議な感じのワークショップです。なにより、体験した人にとって、楽しくとても居心地のよい時間となるはずです。

雰囲気が良くなってきたところで、北の観光リーダーを作った委員会の座長である北大の敷田麻実教授が、ミニ記念講演をします。「異分野の人々、しかも普段は各地で本業の仕事を持つ人々が、本業に関連したことで観光とかかわり、チームで課題を解決する形態が、これからの北海道の観光に大きな可能性を持っていますよ」という主旨を話して、それを実現するための「ゆるいつながり」による仕組みで、この会を動かす楽しさを語ります。(おそらく)

続いて午後は14:00から、1期生の日下部さんが中心となって企画し小樽の資源を使った、これまでにはない旅行商品の提案とテストマーケティングを兼ねた“ニシン物語ツアー”を実施します。地元をよく知るガイドと対話しながら、「旧青山別邸」などのニシン御殿を巡ります。ちなみに日下部さんは、養成セミナーではいつも水色のベストを着て参加していました。「19日も水色かな?」と私は興味深々です。

そして総会のお楽しみ、小樽の名店「藪半(やぶはん)」にて懇親会を開催します。同店の店主は、観光カリスマの小川原さん。カリスマとはいえ非常に気さくな人で、小樽の悪さ、ダメさ、ふがいなさを、その小樽愛ゆえに知り尽くす、口の悪い小樽のそば屋のおやじさんです。独特のだみ声とベランメェ口調で観光四方山話を聞かせてくれるかなと、期待しています。こうして、参加総数27名、お泊り8名はディープな小樽で、きたかんの組織誕生を祝います。おまけに最近きのっちは、6/14から観光にも大いに関連する、期間限定の仕事をはじめて、新札幌の道内大手某シンクタンク社と半年の契約を結びました。「北海道ツアー登山の実態」を調査します。忙しくなりますが、仕事もきたかんも、手抜きせず伝えていこうと思います。私のプチ就職も祝ってもらおうかしら。

【おもなきたかんCAST】
・かとうさん・・・機動力で突っ走る広報のプロ。講師陣なのに受講生に近いノリ
・敷田座長・・・きたかんを伝説にする野望をもつ北大教授らしくない先生
・日下部さん・・・観光の殿堂、立教大を経て元ホテルマンで、小樽で旅行業を営む。「歩く小樽辞書」
・きのっち・・・きたかん記録係。最近ようやく働きだした

■北の観光リーダー養成セミナー?
北海道庁&北海道観光振興機構による、次世代の北海道観光リーダー養成のために設立された、観光人材育成事業。平成20年度に始まり毎年、半年の期間で30名の精鋭が育つ。テンションが上がった受講生らは、その後、自主組織「きたかん」に任意で所属し相互に高め合う「ゆるいつながり」。3期生の募集を絶賛受付中!
養成セミナーの様子=http://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/kkd/kanko-manager

馬産地を旅する企画

きたかんリポータきのっちです。北海道というとまず写真のように「牛:ホルスタイン」のイメージが強いように思いますが、かつて開拓の際に人馬一体となって森林を切り拓いたように、道産子をはじめ後には競馬のサラブレッドの育成を手がけるなど、馬の歴史のほうがよほど古いようです。今回は「馬ネタ」です。
【参考写真】浜中町にて(北海道=牛がイメージ先行?)※イメージ

北海道の新たな観光の可能性に、興味深々な異業種社会人からなる、ゆるいつながり力を誇るきたかんでは7月、きたかんメンバーを対象としたマニアックな「お試し旅行企画」を作りました。ちなみにマニアックな旅行のことをSIT(スペシャル インタレスト ツアー)といいます。高めの価格設定もいとわない、そのテーマが好きなお客さんに対して、ニッチな旅行市場が開拓できるぞという可能性のもと、これまで価値があると思っていなかった事象に、価値をつけて売ろうじゃないかという発想によってつくられる旅行の分野です。

今回の対象地域は、場産地の日高エリア。新冠町・浦河町・日高町・新ひだか町などをめぐります。これは日高を中心に、普段から精力的に馬の健康のために広範囲を駆け巡っている、きたかんメンバーで馬の獣医さんである、荒井さんの普段のフィールドです。ですからこの旅行は彼女が中心となって企画したものです。「普段の仕事現場である馬産地日高を見てほしい」、そして馬をテーマとした旅行が商品化の余地があるのかを、きたかんメンバーで「移動・食事・施設・人のホスピタリティ・対応規模・お土産」など、コンサルテーションをしてほしい。要するに「ちょっと観光に明るい素人さん」として実際に参加してモニターしてほしいという、呼びかけを、きたかんメーリングリスト上で実現させました。

荒井さんの思いを形にする、SIT的な要素をふんだんに盛り込んだ内輪の企画旅行は、彼女のネットワークをフルに活用し、仕込み期間も約半年で実現しました。移動は車を乗り合わせて、告知もMLを利用していますし、まずスタート期は規模を小さく、いまある環境や人材を生かした企画をしているので、「業」とする旅行業にはできない企画のアプローチや強みがあります。

ちょっと内容をご紹介しましょう。

タイトル: 日高だ~べ~(※ダービー&だべ)怒涛の1泊2日
開催日程:2010年7 月12 日(月)-13日(火)
9:00に苫小牧に集合し、セレクトセール見学や役場の表敬訪問、ファーム見学に乗馬体験、さらには夏なので同日の宿は、なんとキャンプ。食事も自分達で、自然のなかで作って食べて飲んで語るようです。
翌日。火曜の朝も早くから活動し、7:30 育成牧場を見学し、日高の振興局を表敬訪問します。さらに馬的SITはまだまだ続き、昼には競走馬のふるさと案内所を見学。そして新ひだか町の役場も表敬訪問します。夕方にはダーレー・ジャパン・スタリオン・コンプレックスというところを見学し、門別競馬場でのレース観戦。そして苫小牧方面に戻り、21:30に集合地点の駐車場で解散するという行程です。まさに馬ドップリ。。

このテストマーケティングによって、場産地日高の人が馬は観光の資源になることに気づき、自信と誇りを持って外に向かって主体的に働きかけるよう変わることで、新しい観光が促されることを期待しています。これが形になるまでには、ワッキー氏&にゃま氏ほか多くのメンバーからの「愛のダメ出し」があり、荒井さん自身がまず変わったことも記しておくべきことです。

「地域のお役にもたって、それ以上にきたかんメンバー自身がまず楽しむ」ことをモットーにしている旅企画、次は誰が思いをカタチにしていくのか、楽しみです。

【おもなきたかんCAST】
・荒井さん・・・場産地日高をどうにか売り出そうとしている、行動派獣医
・ワッキーさん・・・倶知安を中心に商売とまちづくり、きたかんでは代表世話人を務めるツワモノ
・にゃまさん・・・テレビ局営業マン。身近な現象をアメフト的戦略論で考えるひと
・きのっち・・・きたかん記録係。賭けはヘタだがばんえい競馬を見て感動した記憶がある

2010年6月11日金曜日

「サッポロの写真100枚」という宿題

きたかんリポータ きのっちです。「きたかん」と呼んでいる、およそ60名の道内観光実務家のゆるーいつながり。その結びつきのきっかけは、北海道庁&北海道観光振興機構による、次世代の北海道観光リーダー養成のために設立された、観光人材育成の事業に参加した人びとでした。平成20年度に始まった「北の観光リーダー養成セミナー」で、受講生を新たな観光の楽しさに目覚めさせたワークショップの1つに、「地元学」があります。

その手法と似ているのか、地元学よりもさらに面白いのか、いろんな人を対象とした市民による学びの場、「札幌オオドオリ大学」の授業があす6月12日に、札幌市立図書館で開かれます。私は同大のボランティアスタッフとして関わっています。この日幾つかある授業の1つに「たった一枚のサッポロ」という、ワークショップが開かれます。ちなみにオオドオリ大は、文科省や教育基本法などによる大学ではなく、「札幌のまちまるごとをキャンパスと位置付けて、皆が主体的に参加して、楽しく学ぶ」ことをモットーとしています。

オオドオリ大のホームページには、同日の授業内容が出ています。
授業詳細【社会】
タイトル:たった一枚のサッポロ
2010年06月12日(土) 13時30分 ~ 16時30分
教室:札幌市中央図書館 3F講堂___________

「サッポロ」をテーマにした写真を100枚撮ってくる“宿題”が、受講者には課せられます。当日データを持参することが参加するための必須条件だそうです。人によって、札幌のまち1ブロックで100枚撮れる人もいれば、北区から中央区と広域なエリアから撮って100枚とする人もいることでしょう。小一時間でアッサリ100枚ゴールできる人もいれば、1日がかりで、なかなか100にならなかったという人も。どの到達であっても、オッケーで、自宅の近所など、今まで写真を撮ることを意識しなかった身近な場所で課す課題が、「ちょうど『ひとり地元学』みたいだ」と思いました。

明日は興味深々でオオドオリ大を運営しつつ、内容を聞いて、きたかんにおける地元学に取り入れたらよい点を、記録してこようと思います。そのテクは、すなわち北の観光リーダーの、未来の3期生がとりくむであろう、地元学の際に活用されます。


【CM】札幌をまるごとキャンパスにしよう。
市民の楽しい学び「札幌オオドオリ大学」
http://odori.univnet.jp/

踊るきたかんを見るきたかん

きたかんリポータきのっちです。YOSAKOIの週末の第一弾として、6月10日の夜に、きたかんの女番長クラモトさんが出る大通西8丁目会場のステージに駆けつけました。【写真】


21:40くらいに所用で遅れて到着したので、すぐそのチームが「VOGUE038」だとは気づきませんでしたが、「クラモト予告」のとおり、鼓を持った女子が男子の肩車で現れた「見せ場」があったので、私は「おぉ!これがVOGUEの踊りか」と、会場の隅っこで感心しました。そして、さすが「ゆるいつながり」を誇るきたかん。出番の終わったクラモトさん談によると、会場には敷田座長や、にゃま氏が応援に駆け付けていたようです。

VOGUE は舞台を下りると、160名(うろおぼえ)の大所帯が、かっちりとまとまって、歩道の隅を足早に歩き、1ブロック大通公園を西に移動します。その軍団に付いて行ってみました。もちろん歩行者信号は厳守で、ほどよい統率のとれた緊張感があります。

すると記念撮影する足場に、専属のスタッフが。【写真】

そして誘導のもと3ショットほど撮影していました。【写真】


すっかり、YOSAKOIが、システマティックに機能しているイベントなんだなーと感心しました。DVDを売る人とか、いろんな「記念」が商売になるようです。一生懸命に打ち込んできた人にとっては、違う価値観の領域で、少々お高くてもプライスレスな記念です。

踊る阿呆に見る阿呆というあの慣用句のとおり、道民歴3年目にして私は今回初めてYOSAKOIの現場を見ました。そこで感心したのは、メンバーの配慮でした。チーム同士がすれ違っても、互いに「お疲れ様です」を言い合ってましたし、道を広がって歩かないように若手に教えていました。

・かっこいいウチらのチームを見て!
・踊りを見て楽しんでくれる観客の笑顔が、チームの励みだ
・YOSAKOIが大好き、だから長く続くようにしていきたい
・今年は1番をめざすぞ
・チーム***には負けないぞ
などなど、色んな思いが交錯するYOSAKOIですが、特に3番目のポチ、YOSAKOIが好きだから長く良い状態で来年にもたせたい。ここが共有されている雰囲気がVOGUEから感じました。良い状態で来年も開催できるようにする、そのためには、「YOSAKOIなんてキライだ」という一定数いる市民に、好きになって変わってもらうには?を考えています。それには、チームのマナーや規律から変えていき、「YOSAKOI も案外悪くないな」という段階へと促す。そうした発想があっての、あのチームの規律正しさだとしたら・・・なるほど、まさに「YOSAKOIは人づくり」だと思いました。

【写真】初日修了。お疲れ様でした


【おもなきたかんCAST】
・クラモトさん・・・YOSAKOIは人づくり。きたかんでも姐御的存在
・敷田座長・・・きょうはきたかんで大通、あすは東京と活動的
・にゃまさん・・・某テレビ局営業。休日は旅か畑に出没中
・きのっち・・・きたかん記録係。芸はゆる~いブログを書くこと?

2010年6月10日木曜日

踊るきたかん女子

きたかんリポータきのっちです。YOSAKOIの週末がやってきました。きたかんの中にも精力的に仕事もYOSAKOIも旅行も、全て大事というパワフルな女子がいます。

その前に、きたかんは北海道庁と観光振興機構による、次世代観光リーダー養成のために設立された組織に「北の観光リーダー養成セミナー」に由来した、「ゆるいつながり」による自主組織です。その名前が長いのでメンバーでは「愛称:きたかん」で定着しています。その運営について支援する主体の1つに、道庁があります。この道庁を訪問すると、4つに分かれている観光の部局があり、その一角にクラモトさんの個性的なデスクがあって本人が生息しています。彼女こそ、普段は道庁に、そしてYOSAKOI活動で培った組織をまとめ上げる力と、きたかんにおいては、会議後ほぼ必ず開催される飲み会において、いつも適切な店選びに、手際良く裁量を発揮する逸材です。そのクラモトさん、今回のYOSAKOIが彼女にとってのラストダンスとなること、すなわち「引退」を以前から公言していました。

引き際を鮮やかに踊り切ることができるのでしょうか。きたかんメンバーも見守っています。「第19回YOSAKOIソーラン祭り」西8丁目演舞は、まさに今日。

YOSAKOI情報に疎い私も、クラモトさんが副リーダーを務めるYOSAKOIソーランチーム「VOGUE038」は、2007年・2009年に準大賞を獲得する実力のある集団だと、巷の評判として聞いています。


○6/10(木)  21:33  大通西8丁目会場※同ステージでは「見せ場」アリ
○6/11(金)  20:24  大通西8丁目会場(ソーランナイト)
      21:17  ススキノ4-5・5-6条会場
○6/12(土)  10:42  厚別新札幌会場ほか計6か所
○6/13(日)  10:28  澄川会場ほか多数、そしてファイナル

パレードにおいては「進行方向に向かって左側の一番後ろから2番目」が彼女の定位置だそうです。YOSAKOI会場に参集できる、きたかんメンバーは、踊るクラモトさんを探してみましょう!


【おもなきたかんCAST】
・クラモトさん・・・YOSAKOIは人づくり。どんな逆境でも前向きな女子
・きのっち・・・クラモトさんとは1学年姉で、生年では同年。踊ると息ぎれする

手作りの教材

社会人の学びなおしシステムを指す「リカレント」という言葉を最近知った、きたかんリポータ、きのっちです。言葉や定義は普段意識せずとも、常に学びが必要だと思う道内観光現場の人も、きっと多くいることでしょう。そして、見ていると忙しい人こそ、本業をやりながら学びの会を主宰したり、支援したりしています。

6/6付にも書きましたが、きたかんにおける人材育成の際に使用する「教材」を「手作りすること」について、さらに深堀り&整理してみます。とかく観光まちづくりの事例について書籍にすると、生々しい経営データなどの情報を開示することで生じる、各方面からのクレームなどのリスクや、読み手が多様になることで起きる解釈の相違をあらかじめ回避するため、表現をぼやかしたり伏せたり、とかく無難にしがちです。でも受講生にとっては、観光まちづくりの「成功事例集」を手にグループワークをしたいのではなく、実在する組織や企業の取り組みを題材に、リアルな数字や表現こそが必要で、そのような可能な限り“本物”を使って議論がしたいのです。

このケースメソッド教材は、いまのところは受講生の学習のためだけにある教材です。さらに、事例となった側にも、読んだ受講生からの知識と結びつくことで、多くの気づきを得ることのできる機会となります。ですから成功話だけではない、右肩下がりの数字や、経営者の下したマズイ選択などの節や項があっても、かえってそれはありがたい話です。そうした、出せる事実ギリギリに肉薄した聞き取りを行っています。その主旨に賛同して、データを開示してくれた、これまでの協力組織や企業、個人経営者など多くの組織に感謝です。

これまでに・・・

【1期生】
議論した地域=阿寒
タイトル「阿寒湖温泉の挑戦―自発的な地域再生に対する地域全体での取組―」
講師=かとうけいこ氏(シーニックバイウェイ北海道)

議論した地域=然別 
タイトル=【坂本昌彦(北海道ネイチャーセンター代表取締役)―熱き北海道観光のニューリーダー」
講師=益山健一氏(キャリアバンク)

議論した地域=標津
タイトル「ツアーを契機とした新たな地域ネットワークづくり―北海道標津町の取組みを事例に―」
講師=森重昌之氏(北海道大学大学院 観光創造専攻 博士課程)

議論した地域=浜中
タイトル「湿原保全のための地域外からの支援活用とマネジメント ―北海道浜中町霧多布湿原トラストの取り組みを事例に―」
 3.敷田麻実氏・木野聡子氏(北海道大学観光学高等研究センター・同大 観光創造専攻修士)
※標津&浜中は、1回の講義で2グループに分けして運営した


【2期生】
議論した地域=夕張 
タイトル「夕張国際ファンタスティック映画祭―市民活動による映画祭の復活―」
講師=益山健一氏(キャリアバンク)

議論した地域=黒松内
タイトル「『ブナ北限の里』の地域づくり―北海道黒松内町」
講師=敷田麻実氏・森重昌之氏(北大 観光創造)

といった教材を使って、1期2期の受講生は学んできました。

手作りの教材は教科書にはないメッセージが入っています。私自身の記憶とも重ねても、中学や高校では「手作りの道具」を沢山抱えて教室に現れ授業をする先生は、その語りやモチベーションも高くて面白かったし、その教科を好きになってほしい「気持ち」が入っていました。きたかん受講生も、この「手作り」に込めた思いに気付いてくれたら嬉しいものです。

また、講義の回だけで対象地域との関係はプツンと切れ・・・ないのが、きたかんの特徴です。2期生が夕張の回で得たネットワークは、発展的な方向でさらなる自主学習企画に実行しました。きたかんメンバーの特技や専門性が、2010年2月の「ゆうばりファンタスティック映画祭」の現場で生かされるという、思わぬ効果が生まれました。これならば、事例の対象となる地域側にとっても、ネタとして一方的に「消費」されるだけでなく対等かつ持続可能な関係です。

* * * *

ところで、道内の幾つかの事例がすでに本になっているものとして、手前味噌的なPRをしておきます。きたかん敷田麻実座長ほか、理系領域の理論的枠組みと、社会学的な現場の思考に精通する、北海道大学の大学院観光創造教員と社会人学生のメンバーが四方に散って取材した「観光のブランディング」(2008)と、「地域からのエコツーリズム」(2009)が、ともに学芸出版社から出ています。各地でおきている多様な事例を、1つの考え方で示し、かつ読みやすい本です。まずは図書館にあったら借りて読んで損はないと思います。本が気にいったら、実際に買って手元に置くのも賢明な選択です。

2010年6月9日水曜日

関係の「濃さ薄さ」を考える

きたかんリポータ、きのっちです。「関係」は中国語でも「グァンシー」で、コミュニケーションを円滑にし、ビジネスはもちろんプライベートをも充実させる上の「要:カナメ」であることは、インバウンドを標榜する北海道の観光実務家なら、とっくに常識・・・かもしれません。しかし、関係の「濃い」「薄い」って、深く考えたことはあるでしょうか。そこを常に考えて、チームやユニットを結成し、活動しているのが、きたかん的発想です。

地域活動でも、PTAでも、なんでもよいですが、物事を複数人数ですすめていけば、「こんなに私は頑張っているのに、誰も共感や賛同をしてくれない」とか、「なんとなく、この会に参加したけど、全体のモチベーションがなまら高くて、私だけ完全に取り残された感だわ。なんだかひとり孤立している感じ・・・」といった、ミスマッチを感じることがあります。そうした、いろんな団体でなにか取り組む際の、よい指標なり、自分自身を高いところから自分の眼で鳥瞰する際の「鏡」、それが「濃い関係・薄い関係」で整理することと言えましょう。

きたかん座長の敷田麻実教授は書きました。

本人コメント___________

●最近雑誌「開発こうほう」に記事を書きました。先日から考えてきたことを少しまとめたものです。濃い薄いの関係は、きたかんの例会でもお話ししたとおり、今のきたかん活動をよりダイナミックにする際に、活動を皆さん自身が交通整理できる「ツール」となっていくと思います。

○視点論点
・よそ者との共創社会へ~地域づくりにおける薄い関係と濃い関係~
http://www.hkk.or.jp/kouhou/pdf/no563_shiten.pdf

_________________

濃い関係・薄い関係を理解して、使いわけて活用しこなして「ストレスフリーな組織運営の達人」になりましょう。組織より以前の家庭において、ヒトリモノの私には「関係の濃・淡」に加え「濃口&薄口しょうゆの使いこなし」のテク獲得も、急ぎ必要です。。

これは敷田座長には聞けまい。