2011年1月22日土曜日

最終講義ブランディング@札幌

きたかんリポータきのっちです。北の観光リーダー養成セミナー@札幌最終の講義が20011年1月22日(土)初日を迎えました。ちなみに釧路では同セミナーの道東版が一足先に、1月20日(木)最終講義と修了式を迎えており、受講生はゴールテープを切りました。道東受講生のみなさん、講師陣、事務局ズ本当にお疲れ様でした。

札幌の会場はサツエキ直結エルプラザ。このところ雪ばっかり降っていた天候も、申しぶんなく晴れ渡っていました。


【写真-1】修了を祝福するかのような好天

この日の会場はグループワークモードで、A-Fまでの6つの島に分けた配置でした。5人掛け30人の受講生、そして講師&ゲストと事務局で約40名が集まりました。いつも思いますが、札幌3期生、妙に元気な面々です。

【写真-2】ブランディング講義を聞く3期生

最初に、観光をやる上で頻出キーワードである「ブランディング」について、地域戦略研究所から代表の保苅英希氏が、パワポを使い説明しました。保苅氏の経歴は多彩で、百貨店外商→シンクタンク、コンサルタント会社→大学院の経済学修士→グループ起業→会社解散→個人起業。現在は自治体や商工会議所系のコーディネーターとして、北海道内外の地域と関わっているようです。テーマは地域におけるブランディングの考え方。そもそも、「ブランド」と人にいわしめるまでに価値を高め、信頼として価値を固定するために不可欠である、相手を知り痒いところに手を届かせるマーケティング、これらって、観光現場では整理されているでしょうか?敷田座長ほかが提案する「観光の関係性モデル」図※によると、段階に分けて示されています。
※「観光の地域ブランディング」,敷田麻実ほか編著,2009,学芸出版社,p42

でも、ブランディングの支援現場を持つ保苅講師によると、現場ではブランディングもマーケティングも、ごっちゃに不分離に始めており、さほど「これはコッチ」と意識せずに進めているようです。

【写真-3】保苅英希講師。空知で食クラスターも支援している

そして、ブランドを高める上では山あり谷あり。北海道民にはなじみのあるお土産菓子「白い恋人」石屋製菓の07年賞味期限改ざんの不祥事がありました。しかし同社では、不祥事への対応や地域に根ざした企業活動の実績があったため、比較的早くに復活し、以前より売上を伸ばす結果となりました。石屋が道民や観光客に親しまれていて、情報を開示し真摯に反省する企業の姿が支援につながった例です。またもっと大きな企業の「山あり谷あり」例として、花王が食用油の販売を一時見合わせた事例があります。主婦はその時、油の安全性が疑問だからといって花王製品すべてを敬遠してはおらず、化粧品や洗剤は普通~に買ってました。このことからも「エコナ」「ソフィーナ」「アタック」などの花王ブランド内のさらに細目ブランドを、個別ブランドとして区別しています。保苅講師からは、地域のブランド戦略にもこれを応用して、リスクヘッジとして複数のブランド展開を考えるようになど、具体的なアドバイスもありました。

この40分ほどのブランドプレゼンを受けて、各グループには北海道栗山町で取り組んでいる栗の活用事業について、要約資料の読み込みと各グループ内での議論を行いました。この「栗作戦」を各グループならどう展開するか、という1分プレゼンをしました。

・製菓用、おせち用など「何用途の栗」かを明確化させる
・「栗の栗山」イメージだけでなく実際なじませるよう、町民に向けた栗料理の普及ワークショップから先に仕掛ける
・ダジャレ系関連商品による便乗作戦

など、えげつない(?)発表もきれいな発表もあり、午後の夕張ケースメソッドに向けたエンジンが暖まったようです。午後のケースメソッドは大きな課題で、5点の制約もある難題です。

【写真-4】発表順ぎめジャンケンの勝利(?)を祝うグループ

【写真-5】持久戦?おやつ大量持参、糖分補給&コミュニケーションUPを狙うグループ

どのグループが、最終講義を制するのでしょう。(つづく)
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2011年1月19日水曜日

夕張勉強会@札幌1/14

きたかんリポータきのっちです。UPまでタイムラグがありますが、2011年1月14日(金)夕張を学ぶ会を行いました。これは、北の観光リーダー養成セミナー注目の地域である夕張と、修了生組織きたかんが互いに学び、各自の活動にも活かしましょうという趣旨で「夕張ユニット」を勝手連で立ち上げ、今回も3人の中心メンバー、あらだて・くぼじゅん・はたぶーさんが準備しました。

夕張セッション第3章、テーマの流れは「夕張と映画」→「夕張市の財政破綻」→「映画祭の復活」でした。
場所:キャリアバンクセミナールーム。出席 約25名。
18:30からの2時間強の時間を使い、前半を2人の発表者が取り組みを発表し、ブレイクを挟み後半はその2人とフロアとの質問や感想など対話の時間としました。

【写真-1】夕張勉強会企画3回目はMAXの参加数に

まず発表から。地元でボランティア活動を継続し、ネクスト夕張というまちづくり会社のスタッフでもある、松宮文恵さんが取り組みを報告しました。情熱的な赤の服とイメージがぴったり、ノリがよくパワフルなおばちゃんで、ご本人曰く「喋らせたら止まらないし、映画がすきで、皆で飲んで語るのが大好き」というキャラです。

【写真-2】松宮さん:映画技師の祖父と「夕張版ニュー・シネマ・パラダイス」な幼少をすごした

はじめに、TV局などメディアによって疲弊しているまちの風景をつないだ「象徴的」な映像で、夕張市の破綻が全国に一斉に報じられたころからを、松宮さんは語りだしました。この映像の力は絶大で、事実以上に伝わったいわば「悲惨さ」の風評の伝播に当の市民も心が重く沈みかけた頃、「いやこのまま荒んでたまるか、我々は映画が大好きで、炭坑の町夕張が好きでこれからも住み続けたいという意志がある。だから『映画文化の灯』は消すまい!」と、市民は奮起します。そして皆ができることを懸命に取り組み、地道な努力や行動が市外道外の人や会社に知られて、応援が各地から寄せられるようになってきた、それが市民による夕張復活の活動でした。・・・といった、多くのエピソードを交え、メディアからは見えてこない夕張を松宮さんの発表で知ることができました。豊かな手振りで話に引き込まれ、30分の時間は短く感じました。

続く発表-2は、きたかん.netメンバーであるあらだて氏が「NPO法人ゆうばりファンタ」発表者の代打として登板。映画祭や夕張の地域振興の中心的人物である澤田直矢氏の思いを余すところなく、パワポを使い説明しました。あらだて氏は夕張に移り住んで11年になる「よそ者」で、よそ者だからこそ感じることの多かった、かつての夕張への疑問や問題をも例示して語りました。

この濃密な2つの発表を聞くフロアは、1-2-3章と勉強会の回を増すごとに、養成セミナー現役3期生の参加が増えてきました。なぜなら彼らは現在、北の観光リーダーとなるべく厳しい養成課程を積んでおり、最終の講義である1月22-23日は、ずばり「夕張」の課題に対する分析や発表が宿題だからです。ですから事前になるべく多く夕張情報を目にして収集し、資料を読み込み、宿題を提出して当日に挑む。そんなわけで3期生は半ば「当事者」ですから質問もたくさん出ました。3期はその点計画的(?)で、みやちゃんを代表質問係にして、あれこれ聞いていました。

【写真-3】質疑タイム。たくさんのQ&Aが出てきました

【写真-4】夕張への思いを地域の外に広めるためには?


勉強会のあとは、恒例により発表者も聴講者もゲストも一緒に居酒屋へと移動し、食事と飲みの場をもち、さらにいろんな話で盛り上がりました。さらに一部のメンバーはもう1店、寄り道して第3章の長い1日を終えました。(@居酒屋エピソードにつづく)

いいオトナの誕生会

きたかんリポータ、きのっちです。夕張に学ぶ身の丈の市民によるまちづくり、題して「夕張セッション第3章」打ち上げ編です。2011年1月14日(金)勉強会のあと、恒例により発表者も聴講者もゲストも一緒に居酒屋へと移動し、21時すぎから飲み会を始めました。

この企画にあちこち立ち働いてきた、きたかん.net「夕張ユニット」慰労会の意味もありました。店内では、テーブルは2つのシマに分かれましたが、全員がぎゅうぎゅう寄り集まって、楽しげです。

【写真-1】講師も聴衆も和気藹々

料理が中盤にさしかかったところ、おもむろにケーキが登場!いい年をした大人のサプライズ誕生会って、なかなかおもしろいものです。このびっくり企画は、受講生や講師陣の情報を一元管理している閻魔大王、クラモト事務局の機転によります。なんでも「偶然仕事してて今日だっちゅーことを発見した」らしく、こっそりケーキを調達するとともになんと、あらだて氏へ「37歳おめでとう表彰状(?)」も用意してくる用意周到ぶり。授与は感動のシーンでしたが、カメラ班まにあわず。。

【写真-2】ケーキ登場!に驚きの表情

【写真-3】誕生日の表彰(?)も人生初

【写真-4】どことなしアヤシイ人?

このように、老いも若きも気はますます若がえり、楽しさを企画し続けるゆるいつながり、きたかん.netによるサプライズ誕生会の模様でした。次は誰の誕生に当たるでしょうか。

【おもなきたかんCAST】
・あらだて=夕張を身の丈で支援するNPO職員、祝ご生誕!
・クラモト=養成セミナー事務局。茶目っ気と愛ある道庁デスク
・きのっち=きたかん記録係。華麗なる加齢をめざす