2010年6月29日火曜日

3期生リクルート大作戦

やや夏バテ気味な、きたかんリポーターきのっちです。北の観光リーダー養成セミナーでは、第3期受講生の募集期間に入っています。1期・2期の受講生をはじめ、「この人は受講したら大バケする!」と思う周辺の逸材には「ぜひ、3期を受講したほうがいいよ」と熱く語る、リクルート作戦を現在展開しています。
【写真-1】講演会を聞くばかりじゃない。グループワーク重視(2009年10月4日@ 穂別での地元学)


「良い内容の人材育成セミナーならば、放っておいても人がくるのではないか?」と思う向きもありましょうが、やはりさにあらず。受講生自身が体験した良さを、その口で語ってこそ、人はその言葉を信頼し、人生のうち半年に満たぬ時期の週末と、受講料の3万円を賭けて、主体的に受講するものです。千枚の広告も有効ですが、さらに力を発揮するのは1人の体験者の言葉。そしてその持つネットワーク線上にいる逸材、このつながりから、面白い謎の組織「きたかん」活動も、より充実していくから、集めるほうも真剣です。お楽しみとしては【写真-2】オトナのバス旅行もあります(2009年10月3-4:to むかわ町穂別ゆき)。

来年からガイドの仕事を始める人とか、わが者のピカイチカリスマ添乗員、JR北海道や観光協会の職員などから「3期を受講します」の名乗りが挙がっています。観光による地域づくりは、いろんな地域の面白がりな人材と、ながーく、ゆるーく、組んでやるに限る。決して孤軍奮闘するものではありません。きたかん活動を知る私は、そう思っています。

そんなわけで「北の観光リーダー養成セミナー」で新しいネットワークを主体的に作り、楽しみ笑い面白がって未来の北海道を創り続けるタフな仲間を得たい人。ぜひエントリーしてください!募集期間の残すところはあと半月、6月14日(月)~7月16日(金)です。

■北の観光リーダー養成セミナー?
北海道庁&北海道観光振興機構による、次世代の北海道観光リーダー養成のために設立された、観光人材育成事業。平成20年度に始まり毎年度、半年の期間で30名の精鋭が育つ。テンションが上がった受講生らは、その後、自主組織の「きたかん」に任意で所属して相互に高め合う「ゆるいつながり」。3期生の募集を絶賛受付中!
養成セミナーの様子=http://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/kkd/kanko-manager

2010年6月28日月曜日

札幌の旅行をつくる北大生&きたかん

きたかんリポータきのっちです。「きたかん支援の地元学」としてブ5/29付のブログにも模様をリポートした話の、続編です。北の観光リーダー養成セミナー座長の敷田麻実教授の本職(?)としての活動に、北大の観光学高等研究センター教授としての仕事があります。その一環として担当する北大の1年生の授業で「札幌地元学」という単元がありました。
【写真】円山エリアのオーガニック野菜の店にて、店主から聞き取り中


きたかん有志8名がこれに支援をして、5/29(土)、班ごとに分担してきたかんツアーガイド代わりを行いました。とはいえガイドにはルールがあり、「学生側から質問がない限り、ガイドはアレコレと親切心から解説しない」。このルールの元に、札幌の資源さがしワークショップな1日に同行したのが5/29。次回開催予定の7/7(水)の授業では、5月下旬の資源さがし当日の内容が「ツアー作成」→「発表会&ツアー競売会」へと進展します。

時間は、きたかんオトナ組が仕事を終えて遅刻ぎみに滑りこめる時間で、場所は北大の通称「高機能センター」2階で行います。
■当日のスケジュール(予定)
1730 スタート
1735 各チームによるツアーのプレゼン(1グループ3分、合計30分)
1800 各店舗での競売開始
1850 終了
1850-  相互評価とかたづけ

まずグループ代表の学生はツアー発表を3分で行い、自社の商品をPRします。そして仮想の外部業者として、きたかんメンバーが授業に加わり、学生も相互に同業者として、ツアーを仕入れる側の役回りとなって競売を行います。互いの商品の内容を評価し、場合によっては「値引きの要求」もして、オトナ社会さながらの経済原理に基づくリアルな授業となることでしょう。このように、きたかんにとっては甥っ子姪っ子、息子や娘のような年代と、きたかんの有志が一緒にワークショップを通じて共に歩き、話し、大学の授業に参加し、食事して仲良くなる。こうしたことは滅多にできない経験です。さらに当たり前のことですがなんと、学部の1年生は平成4年(1992年)生まれです。なんとお若い・・・
  
このつどいに、5月には参加できなかった小樽の日下部さんや、日高の荒井さんも興味深々のようで、MLにて「授業参観(?)します」という参加表明がありました。私が特に面白いと思うのが、小樽の日下部さんの参加です。彼は本職として小樽で旅行業を営み、小樽から出発する現地のツアー、いわゆる「着地型観光」で、小樽の基礎体力を取り戻そうとしている人です。ですから、いわば素人の学生が作った旅行商品、それを見たプロの日下部さんは「本職である旅行業者にはない感性や可能性」を、学生のプレゼンからどう感じ取るのか、また、そのヒントを自社の旅行商品にどう活用するのか。同じことは、日高を売り出そうとしている荒井さんにも言えます。そうしたふたりの参加や変化をウォッチしていけたらと思います。

【おもなきたかんCAST】
・敷田座長・・・きたかんを伝説にする野望をもつ北大教授らしくない先生
・荒井さん・・・場産地日高をどうにか売り出そうとしている、行動派獣医
・日下部さん・・・小樽で旅行業を営む。先日還暦をお祝いしたらしい
・きのっち・・・きたかん記録係。治そうと思いつつ夜行性の生活習慣

2010年6月21日月曜日

ニシンと蕎麦で小樽満喫の夜

きたかんリポータ、きのっちです。北の観光リーダー養成セミナーを修了した卒業生&関係者組織「きたかん」では80人のつながりを強化すべく、26人が参加して設立総会的なイベント@小樽を開催しました(続編)。

小樽を改めて知るツアーを、きたかん1期生日下部さんが中心となって企画し午後に開催しました。「小樽なんてメジャーな観光地には、行きつくしているから参加しないか?と思いきや、19名もの参加が小樽「ニシン物語ツアー」に参加しました。【写真-1】


これは、小樽で旅行会社を経営する日下部さんが、これまでにない視点の小樽を旅行商品にしたものです。1期生の最期の研修地となった小樽では、従来の観光資源にはなかった、埋もれた地味~ぃな資源さがしを「地元学」の手法を用いて資源化し、発表しました。そこで出た各グループからの荒削りなアイディアを、旅行業者として洗練させ、最少催行人数や荒天時の対応など、市場の理論やリスクを考えて、小樽観光ネットワークという日下部さんの会社から「商品」として売り出すことができたものの1つ、それが「ニシン物語」です。

小樽の運河プラザ近くからタクシーで「旧青山別邸」に移動します【写真-2】。


そこから「にしん御殿」までをゆるゆると海辺の道道を歩き【写真-3】、古い番屋の再生や、今咲いている花や周辺の漁師町、国定公園のウラ話や、小樽にかつていたビッグな経済人市長の大きな仕事の数々など、逸話を聞いて進むと距離を感じることなく、ニシン御殿に到着します。

私がこのツアーを通じて思ったことです。
・小樽と加賀橋立(実家)は北前船でつながっていることを再確認
・小樽の観光は北前船と手を組むことで、広域に仲間や顧客が増やせる可能性大
・北前船と小樽商大がある。「商い」を小樽で学ぶツアーが作れるのでは
・観光ボランティアガイドさんはよく勉強しているなぁと感心
・2,000円って、安いわ

そして祝津エリアからは5kmほど離れている小樽の市街地まで、タクシーで帰ってきました。【写真-4】

そのあとは、日も高いうちから飲み会です。小樽の名店「藪半(やぶはん)」にて懇親会を開きました。中盤からは同店の店主で、観光カリスマの小川原さんが同席し、交流を深めました。若い頃は全学連で活躍したという伝説(?)の青春時代を皮きりに、とことん普通をよしとしない人生を、小川原カリスマは歩んでおられます。そしてここ、藪半の2Fは思えば、きたかんのアジトでもあり、草創期に打合せをした場でもあるようです。ちなみに同店は基本は分煙によってだんだんとタバコ吸いを店の隅っこに押し込めていますが、2Fは治外法権のようです。ヘビースモーカーの小川原さんが、ここではのびのびと紫煙をくゆらしていました。いつも季節に応じた柄だったりと、おしゃれの見せどころで、おそらく沢山もっているであろう手ぬぐい、今日の頭に巻いた手ぬぐいは赤い展書(?)のデザインでした。マックユーザーでもあり、おしゃれな蕎麦屋のおやじさんです。

こうして参加総数27名お泊り組8名が小樽の地で、きたかんの組織誕生を祝いました。【写真-5】


■北の観光リーダー養成セミナー?
北海道庁&北海道観光振興機構による、次世代の北海道観光リーダー養成のために設立された、観光人材育成事業。平成20年度に始まり毎年、半年の期間で30名の精鋭が育つ。テンションが上がった受講生らは、その後、自主組織「きたかん」に任意で所属し相互に高め合う「ゆるいつながり」。3期生の募集を絶賛受付中!
養成セミナーの様子=http://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/kkd/kanko-manager

きたかん設立@小樽(6/19)

きたかんリポータ、きのっちです。北の観光リーダー養成セミナーを終了した卒業生組織「きたかん」の、設立総会的なイベント@小樽を6月19日(土)に開催しました。【写真-1】は順番は逆ですが、懇親会後に撮った記念撮影です。


次世代観光リーダーのゆるい組織誕生で、会場では当事者&関係者みなそれぞれが、一応に晴れやかな顔をしていたのが印象的でした。今秋に3期目の受講生を迎えるこの組織では、さらなる拡大をたくらんでいます。しかし一方で、1期生にしてみれば、自分達が受講した頃からの時間的・心理的「違い」や「隔たり」が、多少はあります。とはいえ大枠では何期だろうが、北海道の観光をもっと良くしていきたいという思いは誰もが持っています。そのモチベーションがある卒業生であれば誰でも歓迎で、セミナーを作った側の関係者も「先生-受講生」や「受講生-事務局」の別なく、いっしょくたになって会を運営しています。11時に始まった設立総会的イベントでは、座長の敷田麻実教授が30分のミニ講演をしました。【写真-2】


「みなさんは希望です」との語り出しで敷田座長の話が始まりました。
【要旨】
これからの地域づくりにおいては「薄い関係」と「濃い関係」を使い分けることを私はお薦めします。薄いとは、ちょっと覗くとか、ひやかしの参加。濃い関係とは企画する側となる参加。その組合せによる地域づくりを、地域内だけでなく、地域外の人々が支援しにやってくるスタイルが、より地域にとって健全な、草の根地域振興のカタチとなります。「地域活動と『心中』するくらいの人でないとできなかった地域づくり」から、地域づくりをより一層「有限責任」の範囲で参入できるよう外へひろげる。さらに、自信をもって有限責任で地域に関わる専門家に、きたかんの皆さんはなってほしい。
昨今では「仕事」と「プライベート」を明確に区別し、仕事への偏りからプライベートの充実へという解釈が、一般になされているのが現在一般的な「ワークライフバランス」の解釈です。しかしそうではなく、ワークでは仕事として社会に関わり、対価を得る。一方のライフは、仕事ではない面で同じく社会に関わる。この時間を増やして、自分の余暇時間で自分にとって違う世界をひらくこと、それこそがライフの充実であり、ワークもライフも、その両方を通じて社会と関わること。これが、きたかんで提唱したいワーク&ライフのバランスした、団体戦による、持続が可能な地域づくりです。このように、近年のワークライフバランスに関する解釈のあやまりを埋めるような、きたかん活動であってほしい。その際、みなさんやきたかんは「メディア」です。場はメディアであり、今後のきたかんを表現していくことで、北海道を使った社会実験となることでしょう。そうした規模の試みが可能なのが北海道なのです。

添付資料:http://www.cats.hokudai.ac.jp/~shikida/others/hokucyuukiji_medhia_20100302.jpg

その後、総会にて、きたかんの活動方針&活動計画の報告や、現在進行している各地(夕張・日高など)プロジェクトのPRがありました。

続いて「旅カフェ」というワークショップを、かとうけいこ講師により行いました。【写真-2】

この旅カフェは、「ワールドカフェ」をベースに北海道の観光を考える版に特化させたプログラムです。自由な発想を歓迎して相手の話をき、否定しない場づくりを特徴とします。さらにテーブルに敷いた模造紙にいろいろ絵や文字を書き込み、途中にはお菓子などをつまみ、テーブルを1ラウンドずつ巡りあるく「航海」を数度行います。喋る人は、トーキングオブジェクト(この場合「うっさん」フィギュア)を持った1人が喋ります。
【トークテーマ】
Round-1=あなたの心に残る「旅の思い出」。教えてください。
Round-2=何が人を「小樽」に惹きつけるのでしょう?
Round-3=あなたは今日から、旅人を小樽に、北海道に迎えるために、何かをしたいと思いますか?

そして最初のテーブルに戻って、ふりかえりを行い、ワークショップが終了します。終わる頃には、テーブルクロスに見立てた模造紙は、このような落書きで埋め尽くされます。【写真-3】

このような試みによって、「どんな発言をしても否定されない」「話をじっくり聞いてくれる」安心な場を体験することが、大きな目的で、その上に発想の広がりや、面白いことをグループで共有することをめざします。(次号に続く・・・)


■北の観光リーダー養成セミナー?
北海道庁&北海道観光振興機構による、次世代の北海道観光リーダー養成のために設立された、観光人材育成事業。平成20年度に始まり毎年、半年の期間で 30名の精鋭が育つ。テンションが上がった受講生らは、その後、自主組織「きたかん」に任意で所属し相互に高め合う「ゆるいつながり」。3期生の募集を絶賛受付中!
養成セミナーの様子=http://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/kkd/kanko-manager

2010年6月18日金曜日

ゆるい組織の設立総会@小樽(6/19)

きたかんリポータ、きのっちです。北の観光リーダー養成セミナーを終了した卒業生組織「きたかん」では、設立総会的なイベント@小樽を開催します。2010年6月19日(土)は1日、ホテルノルドや市内観光、そば屋の藪半(やぶはん)などを主会場に、北海道の次世代観光リーダーの、ゆるい組織の誕生を、当事者&関係者が祝う会となります。普段は道央圏はもとより、遠くは天塩や旭川、北竜、日高、本別、ニセコ、奥尻など各地で本業を持つ、76人のつながり。そこから27名もの参加が小樽で得られるのはすごいことです。(しっかり自費で、しかも週末に)。。みな(1)ワークショップ(2)市内テストマーケティング企画ツアー(3)懇親会の、都合よいところから参加します。

朝は11時に開始して昼食をはさみ、ホテル会議室にて1期生と2期生の打ち解けのひと時、いわゆるアイスブレイクな部分を、「旅カフェ」というワークショップで行います。これは、かとうけいこコーディネータによる、去年北海道では草創期にあたる試験運行も含めると、私やコアメンバーにとっては4度目の催しです。この旅カフェが「1期生と2期生の交流-場Part1」となる手筈です。この旅カフェは、自由な発想を歓迎して相手の話を聞き、否定しない場づくりを特徴とします。さらにテーブルに敷いた模造紙にいろいろ絵や文字を書き込み、途中にはお菓子などをつまみ、テーブルを1ラウンドずつ巡りあるく「航海」を数度行います。それによって、オトナ社会である会議では大多数の、いわゆる「落とし所の用意や結果結論、正解やベターの解決法を探る」という義務(?)がなくて良い、不思議な感じのワークショップです。なにより、体験した人にとって、楽しくとても居心地のよい時間となるはずです。

雰囲気が良くなってきたところで、北の観光リーダーを作った委員会の座長である北大の敷田麻実教授が、ミニ記念講演をします。「異分野の人々、しかも普段は各地で本業の仕事を持つ人々が、本業に関連したことで観光とかかわり、チームで課題を解決する形態が、これからの北海道の観光に大きな可能性を持っていますよ」という主旨を話して、それを実現するための「ゆるいつながり」による仕組みで、この会を動かす楽しさを語ります。(おそらく)

続いて午後は14:00から、1期生の日下部さんが中心となって企画し小樽の資源を使った、これまでにはない旅行商品の提案とテストマーケティングを兼ねた“ニシン物語ツアー”を実施します。地元をよく知るガイドと対話しながら、「旧青山別邸」などのニシン御殿を巡ります。ちなみに日下部さんは、養成セミナーではいつも水色のベストを着て参加していました。「19日も水色かな?」と私は興味深々です。

そして総会のお楽しみ、小樽の名店「藪半(やぶはん)」にて懇親会を開催します。同店の店主は、観光カリスマの小川原さん。カリスマとはいえ非常に気さくな人で、小樽の悪さ、ダメさ、ふがいなさを、その小樽愛ゆえに知り尽くす、口の悪い小樽のそば屋のおやじさんです。独特のだみ声とベランメェ口調で観光四方山話を聞かせてくれるかなと、期待しています。こうして、参加総数27名、お泊り8名はディープな小樽で、きたかんの組織誕生を祝います。おまけに最近きのっちは、6/14から観光にも大いに関連する、期間限定の仕事をはじめて、新札幌の道内大手某シンクタンク社と半年の契約を結びました。「北海道ツアー登山の実態」を調査します。忙しくなりますが、仕事もきたかんも、手抜きせず伝えていこうと思います。私のプチ就職も祝ってもらおうかしら。

【おもなきたかんCAST】
・かとうさん・・・機動力で突っ走る広報のプロ。講師陣なのに受講生に近いノリ
・敷田座長・・・きたかんを伝説にする野望をもつ北大教授らしくない先生
・日下部さん・・・観光の殿堂、立教大を経て元ホテルマンで、小樽で旅行業を営む。「歩く小樽辞書」
・きのっち・・・きたかん記録係。最近ようやく働きだした

■北の観光リーダー養成セミナー?
北海道庁&北海道観光振興機構による、次世代の北海道観光リーダー養成のために設立された、観光人材育成事業。平成20年度に始まり毎年、半年の期間で30名の精鋭が育つ。テンションが上がった受講生らは、その後、自主組織「きたかん」に任意で所属し相互に高め合う「ゆるいつながり」。3期生の募集を絶賛受付中!
養成セミナーの様子=http://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/kkd/kanko-manager

馬産地を旅する企画

きたかんリポータきのっちです。北海道というとまず写真のように「牛:ホルスタイン」のイメージが強いように思いますが、かつて開拓の際に人馬一体となって森林を切り拓いたように、道産子をはじめ後には競馬のサラブレッドの育成を手がけるなど、馬の歴史のほうがよほど古いようです。今回は「馬ネタ」です。
【参考写真】浜中町にて(北海道=牛がイメージ先行?)※イメージ

北海道の新たな観光の可能性に、興味深々な異業種社会人からなる、ゆるいつながり力を誇るきたかんでは7月、きたかんメンバーを対象としたマニアックな「お試し旅行企画」を作りました。ちなみにマニアックな旅行のことをSIT(スペシャル インタレスト ツアー)といいます。高めの価格設定もいとわない、そのテーマが好きなお客さんに対して、ニッチな旅行市場が開拓できるぞという可能性のもと、これまで価値があると思っていなかった事象に、価値をつけて売ろうじゃないかという発想によってつくられる旅行の分野です。

今回の対象地域は、場産地の日高エリア。新冠町・浦河町・日高町・新ひだか町などをめぐります。これは日高を中心に、普段から精力的に馬の健康のために広範囲を駆け巡っている、きたかんメンバーで馬の獣医さんである、荒井さんの普段のフィールドです。ですからこの旅行は彼女が中心となって企画したものです。「普段の仕事現場である馬産地日高を見てほしい」、そして馬をテーマとした旅行が商品化の余地があるのかを、きたかんメンバーで「移動・食事・施設・人のホスピタリティ・対応規模・お土産」など、コンサルテーションをしてほしい。要するに「ちょっと観光に明るい素人さん」として実際に参加してモニターしてほしいという、呼びかけを、きたかんメーリングリスト上で実現させました。

荒井さんの思いを形にする、SIT的な要素をふんだんに盛り込んだ内輪の企画旅行は、彼女のネットワークをフルに活用し、仕込み期間も約半年で実現しました。移動は車を乗り合わせて、告知もMLを利用していますし、まずスタート期は規模を小さく、いまある環境や人材を生かした企画をしているので、「業」とする旅行業にはできない企画のアプローチや強みがあります。

ちょっと内容をご紹介しましょう。

タイトル: 日高だ~べ~(※ダービー&だべ)怒涛の1泊2日
開催日程:2010年7 月12 日(月)-13日(火)
9:00に苫小牧に集合し、セレクトセール見学や役場の表敬訪問、ファーム見学に乗馬体験、さらには夏なので同日の宿は、なんとキャンプ。食事も自分達で、自然のなかで作って食べて飲んで語るようです。
翌日。火曜の朝も早くから活動し、7:30 育成牧場を見学し、日高の振興局を表敬訪問します。さらに馬的SITはまだまだ続き、昼には競走馬のふるさと案内所を見学。そして新ひだか町の役場も表敬訪問します。夕方にはダーレー・ジャパン・スタリオン・コンプレックスというところを見学し、門別競馬場でのレース観戦。そして苫小牧方面に戻り、21:30に集合地点の駐車場で解散するという行程です。まさに馬ドップリ。。

このテストマーケティングによって、場産地日高の人が馬は観光の資源になることに気づき、自信と誇りを持って外に向かって主体的に働きかけるよう変わることで、新しい観光が促されることを期待しています。これが形になるまでには、ワッキー氏&にゃま氏ほか多くのメンバーからの「愛のダメ出し」があり、荒井さん自身がまず変わったことも記しておくべきことです。

「地域のお役にもたって、それ以上にきたかんメンバー自身がまず楽しむ」ことをモットーにしている旅企画、次は誰が思いをカタチにしていくのか、楽しみです。

【おもなきたかんCAST】
・荒井さん・・・場産地日高をどうにか売り出そうとしている、行動派獣医
・ワッキーさん・・・倶知安を中心に商売とまちづくり、きたかんでは代表世話人を務めるツワモノ
・にゃまさん・・・テレビ局営業マン。身近な現象をアメフト的戦略論で考えるひと
・きのっち・・・きたかん記録係。賭けはヘタだがばんえい競馬を見て感動した記憶がある

2010年6月11日金曜日

「サッポロの写真100枚」という宿題

きたかんリポータ きのっちです。「きたかん」と呼んでいる、およそ60名の道内観光実務家のゆるーいつながり。その結びつきのきっかけは、北海道庁&北海道観光振興機構による、次世代の北海道観光リーダー養成のために設立された、観光人材育成の事業に参加した人びとでした。平成20年度に始まった「北の観光リーダー養成セミナー」で、受講生を新たな観光の楽しさに目覚めさせたワークショップの1つに、「地元学」があります。

その手法と似ているのか、地元学よりもさらに面白いのか、いろんな人を対象とした市民による学びの場、「札幌オオドオリ大学」の授業があす6月12日に、札幌市立図書館で開かれます。私は同大のボランティアスタッフとして関わっています。この日幾つかある授業の1つに「たった一枚のサッポロ」という、ワークショップが開かれます。ちなみにオオドオリ大は、文科省や教育基本法などによる大学ではなく、「札幌のまちまるごとをキャンパスと位置付けて、皆が主体的に参加して、楽しく学ぶ」ことをモットーとしています。

オオドオリ大のホームページには、同日の授業内容が出ています。
授業詳細【社会】
タイトル:たった一枚のサッポロ
2010年06月12日(土) 13時30分 ~ 16時30分
教室:札幌市中央図書館 3F講堂___________

「サッポロ」をテーマにした写真を100枚撮ってくる“宿題”が、受講者には課せられます。当日データを持参することが参加するための必須条件だそうです。人によって、札幌のまち1ブロックで100枚撮れる人もいれば、北区から中央区と広域なエリアから撮って100枚とする人もいることでしょう。小一時間でアッサリ100枚ゴールできる人もいれば、1日がかりで、なかなか100にならなかったという人も。どの到達であっても、オッケーで、自宅の近所など、今まで写真を撮ることを意識しなかった身近な場所で課す課題が、「ちょうど『ひとり地元学』みたいだ」と思いました。

明日は興味深々でオオドオリ大を運営しつつ、内容を聞いて、きたかんにおける地元学に取り入れたらよい点を、記録してこようと思います。そのテクは、すなわち北の観光リーダーの、未来の3期生がとりくむであろう、地元学の際に活用されます。


【CM】札幌をまるごとキャンパスにしよう。
市民の楽しい学び「札幌オオドオリ大学」
http://odori.univnet.jp/

踊るきたかんを見るきたかん

きたかんリポータきのっちです。YOSAKOIの週末の第一弾として、6月10日の夜に、きたかんの女番長クラモトさんが出る大通西8丁目会場のステージに駆けつけました。【写真】


21:40くらいに所用で遅れて到着したので、すぐそのチームが「VOGUE038」だとは気づきませんでしたが、「クラモト予告」のとおり、鼓を持った女子が男子の肩車で現れた「見せ場」があったので、私は「おぉ!これがVOGUEの踊りか」と、会場の隅っこで感心しました。そして、さすが「ゆるいつながり」を誇るきたかん。出番の終わったクラモトさん談によると、会場には敷田座長や、にゃま氏が応援に駆け付けていたようです。

VOGUE は舞台を下りると、160名(うろおぼえ)の大所帯が、かっちりとまとまって、歩道の隅を足早に歩き、1ブロック大通公園を西に移動します。その軍団に付いて行ってみました。もちろん歩行者信号は厳守で、ほどよい統率のとれた緊張感があります。

すると記念撮影する足場に、専属のスタッフが。【写真】

そして誘導のもと3ショットほど撮影していました。【写真】


すっかり、YOSAKOIが、システマティックに機能しているイベントなんだなーと感心しました。DVDを売る人とか、いろんな「記念」が商売になるようです。一生懸命に打ち込んできた人にとっては、違う価値観の領域で、少々お高くてもプライスレスな記念です。

踊る阿呆に見る阿呆というあの慣用句のとおり、道民歴3年目にして私は今回初めてYOSAKOIの現場を見ました。そこで感心したのは、メンバーの配慮でした。チーム同士がすれ違っても、互いに「お疲れ様です」を言い合ってましたし、道を広がって歩かないように若手に教えていました。

・かっこいいウチらのチームを見て!
・踊りを見て楽しんでくれる観客の笑顔が、チームの励みだ
・YOSAKOIが大好き、だから長く続くようにしていきたい
・今年は1番をめざすぞ
・チーム***には負けないぞ
などなど、色んな思いが交錯するYOSAKOIですが、特に3番目のポチ、YOSAKOIが好きだから長く良い状態で来年にもたせたい。ここが共有されている雰囲気がVOGUEから感じました。良い状態で来年も開催できるようにする、そのためには、「YOSAKOIなんてキライだ」という一定数いる市民に、好きになって変わってもらうには?を考えています。それには、チームのマナーや規律から変えていき、「YOSAKOI も案外悪くないな」という段階へと促す。そうした発想があっての、あのチームの規律正しさだとしたら・・・なるほど、まさに「YOSAKOIは人づくり」だと思いました。

【写真】初日修了。お疲れ様でした


【おもなきたかんCAST】
・クラモトさん・・・YOSAKOIは人づくり。きたかんでも姐御的存在
・敷田座長・・・きょうはきたかんで大通、あすは東京と活動的
・にゃまさん・・・某テレビ局営業。休日は旅か畑に出没中
・きのっち・・・きたかん記録係。芸はゆる~いブログを書くこと?

2010年6月10日木曜日

踊るきたかん女子

きたかんリポータきのっちです。YOSAKOIの週末がやってきました。きたかんの中にも精力的に仕事もYOSAKOIも旅行も、全て大事というパワフルな女子がいます。

その前に、きたかんは北海道庁と観光振興機構による、次世代観光リーダー養成のために設立された組織に「北の観光リーダー養成セミナー」に由来した、「ゆるいつながり」による自主組織です。その名前が長いのでメンバーでは「愛称:きたかん」で定着しています。その運営について支援する主体の1つに、道庁があります。この道庁を訪問すると、4つに分かれている観光の部局があり、その一角にクラモトさんの個性的なデスクがあって本人が生息しています。彼女こそ、普段は道庁に、そしてYOSAKOI活動で培った組織をまとめ上げる力と、きたかんにおいては、会議後ほぼ必ず開催される飲み会において、いつも適切な店選びに、手際良く裁量を発揮する逸材です。そのクラモトさん、今回のYOSAKOIが彼女にとってのラストダンスとなること、すなわち「引退」を以前から公言していました。

引き際を鮮やかに踊り切ることができるのでしょうか。きたかんメンバーも見守っています。「第19回YOSAKOIソーラン祭り」西8丁目演舞は、まさに今日。

YOSAKOI情報に疎い私も、クラモトさんが副リーダーを務めるYOSAKOIソーランチーム「VOGUE038」は、2007年・2009年に準大賞を獲得する実力のある集団だと、巷の評判として聞いています。


○6/10(木)  21:33  大通西8丁目会場※同ステージでは「見せ場」アリ
○6/11(金)  20:24  大通西8丁目会場(ソーランナイト)
      21:17  ススキノ4-5・5-6条会場
○6/12(土)  10:42  厚別新札幌会場ほか計6か所
○6/13(日)  10:28  澄川会場ほか多数、そしてファイナル

パレードにおいては「進行方向に向かって左側の一番後ろから2番目」が彼女の定位置だそうです。YOSAKOI会場に参集できる、きたかんメンバーは、踊るクラモトさんを探してみましょう!


【おもなきたかんCAST】
・クラモトさん・・・YOSAKOIは人づくり。どんな逆境でも前向きな女子
・きのっち・・・クラモトさんとは1学年姉で、生年では同年。踊ると息ぎれする

手作りの教材

社会人の学びなおしシステムを指す「リカレント」という言葉を最近知った、きたかんリポータ、きのっちです。言葉や定義は普段意識せずとも、常に学びが必要だと思う道内観光現場の人も、きっと多くいることでしょう。そして、見ていると忙しい人こそ、本業をやりながら学びの会を主宰したり、支援したりしています。

6/6付にも書きましたが、きたかんにおける人材育成の際に使用する「教材」を「手作りすること」について、さらに深堀り&整理してみます。とかく観光まちづくりの事例について書籍にすると、生々しい経営データなどの情報を開示することで生じる、各方面からのクレームなどのリスクや、読み手が多様になることで起きる解釈の相違をあらかじめ回避するため、表現をぼやかしたり伏せたり、とかく無難にしがちです。でも受講生にとっては、観光まちづくりの「成功事例集」を手にグループワークをしたいのではなく、実在する組織や企業の取り組みを題材に、リアルな数字や表現こそが必要で、そのような可能な限り“本物”を使って議論がしたいのです。

このケースメソッド教材は、いまのところは受講生の学習のためだけにある教材です。さらに、事例となった側にも、読んだ受講生からの知識と結びつくことで、多くの気づきを得ることのできる機会となります。ですから成功話だけではない、右肩下がりの数字や、経営者の下したマズイ選択などの節や項があっても、かえってそれはありがたい話です。そうした、出せる事実ギリギリに肉薄した聞き取りを行っています。その主旨に賛同して、データを開示してくれた、これまでの協力組織や企業、個人経営者など多くの組織に感謝です。

これまでに・・・

【1期生】
議論した地域=阿寒
タイトル「阿寒湖温泉の挑戦―自発的な地域再生に対する地域全体での取組―」
講師=かとうけいこ氏(シーニックバイウェイ北海道)

議論した地域=然別 
タイトル=【坂本昌彦(北海道ネイチャーセンター代表取締役)―熱き北海道観光のニューリーダー」
講師=益山健一氏(キャリアバンク)

議論した地域=標津
タイトル「ツアーを契機とした新たな地域ネットワークづくり―北海道標津町の取組みを事例に―」
講師=森重昌之氏(北海道大学大学院 観光創造専攻 博士課程)

議論した地域=浜中
タイトル「湿原保全のための地域外からの支援活用とマネジメント ―北海道浜中町霧多布湿原トラストの取り組みを事例に―」
 3.敷田麻実氏・木野聡子氏(北海道大学観光学高等研究センター・同大 観光創造専攻修士)
※標津&浜中は、1回の講義で2グループに分けして運営した


【2期生】
議論した地域=夕張 
タイトル「夕張国際ファンタスティック映画祭―市民活動による映画祭の復活―」
講師=益山健一氏(キャリアバンク)

議論した地域=黒松内
タイトル「『ブナ北限の里』の地域づくり―北海道黒松内町」
講師=敷田麻実氏・森重昌之氏(北大 観光創造)

といった教材を使って、1期2期の受講生は学んできました。

手作りの教材は教科書にはないメッセージが入っています。私自身の記憶とも重ねても、中学や高校では「手作りの道具」を沢山抱えて教室に現れ授業をする先生は、その語りやモチベーションも高くて面白かったし、その教科を好きになってほしい「気持ち」が入っていました。きたかん受講生も、この「手作り」に込めた思いに気付いてくれたら嬉しいものです。

また、講義の回だけで対象地域との関係はプツンと切れ・・・ないのが、きたかんの特徴です。2期生が夕張の回で得たネットワークは、発展的な方向でさらなる自主学習企画に実行しました。きたかんメンバーの特技や専門性が、2010年2月の「ゆうばりファンタスティック映画祭」の現場で生かされるという、思わぬ効果が生まれました。これならば、事例の対象となる地域側にとっても、ネタとして一方的に「消費」されるだけでなく対等かつ持続可能な関係です。

* * * *

ところで、道内の幾つかの事例がすでに本になっているものとして、手前味噌的なPRをしておきます。きたかん敷田麻実座長ほか、理系領域の理論的枠組みと、社会学的な現場の思考に精通する、北海道大学の大学院観光創造教員と社会人学生のメンバーが四方に散って取材した「観光のブランディング」(2008)と、「地域からのエコツーリズム」(2009)が、ともに学芸出版社から出ています。各地でおきている多様な事例を、1つの考え方で示し、かつ読みやすい本です。まずは図書館にあったら借りて読んで損はないと思います。本が気にいったら、実際に買って手元に置くのも賢明な選択です。

2010年6月9日水曜日

関係の「濃さ薄さ」を考える

きたかんリポータ、きのっちです。「関係」は中国語でも「グァンシー」で、コミュニケーションを円滑にし、ビジネスはもちろんプライベートをも充実させる上の「要:カナメ」であることは、インバウンドを標榜する北海道の観光実務家なら、とっくに常識・・・かもしれません。しかし、関係の「濃い」「薄い」って、深く考えたことはあるでしょうか。そこを常に考えて、チームやユニットを結成し、活動しているのが、きたかん的発想です。

地域活動でも、PTAでも、なんでもよいですが、物事を複数人数ですすめていけば、「こんなに私は頑張っているのに、誰も共感や賛同をしてくれない」とか、「なんとなく、この会に参加したけど、全体のモチベーションがなまら高くて、私だけ完全に取り残された感だわ。なんだかひとり孤立している感じ・・・」といった、ミスマッチを感じることがあります。そうした、いろんな団体でなにか取り組む際の、よい指標なり、自分自身を高いところから自分の眼で鳥瞰する際の「鏡」、それが「濃い関係・薄い関係」で整理することと言えましょう。

きたかん座長の敷田麻実教授は書きました。

本人コメント___________

●最近雑誌「開発こうほう」に記事を書きました。先日から考えてきたことを少しまとめたものです。濃い薄いの関係は、きたかんの例会でもお話ししたとおり、今のきたかん活動をよりダイナミックにする際に、活動を皆さん自身が交通整理できる「ツール」となっていくと思います。

○視点論点
・よそ者との共創社会へ~地域づくりにおける薄い関係と濃い関係~
http://www.hkk.or.jp/kouhou/pdf/no563_shiten.pdf

_________________

濃い関係・薄い関係を理解して、使いわけて活用しこなして「ストレスフリーな組織運営の達人」になりましょう。組織より以前の家庭において、ヒトリモノの私には「関係の濃・淡」に加え「濃口&薄口しょうゆの使いこなし」のテク獲得も、急ぎ必要です。。

これは敷田座長には聞けまい。

2010年6月6日日曜日

生きた教材づくり@興部町

きたかんリポータ、きのっちです。札幌を離れて6月4日-5日と、北の観光リーダー養成セミナーの敷田麻実座長とともに地域に出かけ、聞き取りや統計の入手など「フィールド調査」をしてきました【写真】。酪農の一方で、出荷する生乳の付加価値を上げ、素材へのこだわりを実現する乳製品加工、その戦略について代表者さんに聞き取りしました。


今回の目的地は道北のオホーツク海に面した興部町。調査の目的は、2010年秋の養成セミナーを受講する人が使う教材「ケースメソッド」づくりのための取材です。教材はいわゆる「既製品」を使わず、手作りしています。本物素材にこだわるレストランオーナーの気持ち(?)に近いかもしれません。

次世代の観光リーダーを養成するには、なかなか「これ1冊を読めば分かる」といった都合のよい教材が浮かびません。むろん、むらおこしや交通政策、中心市街地活性化など観光における「何かの分野に特化して」書かれている本はあります。しかし、都市の札幌や旭川を除いて町村部からなる北海道の実情に即した、道内各地からあつまる現場の人に「読み応え」や課題への「取り組み甲斐」を感じさせるような本は少ない。なおかつ、「事例に対してあなたならこの戦略どう考えますか?」といった「設問つきの本」も少ない。養成セミナーの委員会では「したら、それらを自作しよう」ということになり、1期生の使う教材から製作してきた経緯があります。

そこで、今回は興部。興部といえば酪農と漁業のまちです。
国道と農家の敷地への取り付け道路は、どこも石灰が撒かれて厳重に口蹄疫の予防がなされていました【写真-1】。人の履物も、消毒液に浸して建物の出入りをしていました【写真-2】。大事な牛を守り、安全な食を届ける生産者の苦労に頭の下がる思いです。


このように何度か現地に足を運び、北の観光リーダー養成セミナーは、教材を自前で作ることで、
1.受講生に、地域は生きた教材であることの楽しさと責任を自覚させ、
2.取材した地域側には、受講生が考えた「回答」をフィードバックし、
3.講義で使ったあとは、受講生と地域の関係をつくり交流を続けていく
こうした「思い」を込めて「効果」を予想しています。

また地域を使った教材は、地域側にとってPRの機会でもあります。さらに丹念な取材をして、いつか書籍という形にすることができれば、さらに北海道外の多くの人に読んでもらえます。
きたかん講師陣は、本屋に並べられる質をめざしています(本気)。

2010年6月2日水曜日

きたかん講師中継で登場

低血圧ですが朝のテンションは高い、きたかんリポータ、きのっちです。NHK「おはよう日本」の北海道版で、朝から益山先生の活躍を見ました。北の観光リーダー養成セミナーの重要性を、敷田座長や道庁などと準備期間から共有し、事業実施にむけて並々ならぬ情熱を注ぎ、3期の開講となる今期も支援を惜しまぬ「作り手側の人」です。また、受講生には優しくも厳しい学習プログラムを提供する「鬼(?)講師」でもあります。さらにきたかんの2期からグッと上がった全体のモチベーションに感化され、ゆるいネットワークを「創り上げる側」の一員にもなっています。そんな益山さん、本業では北海道の人材ビジネスのさきがけ、キャリアバンクの役員で超・多忙な人です。

なぜ、益山さんがテレビに。それは本日6/2、10:00、ジョブカフェよりも少し年長者むけ、おおむね35歳以上の就職支援センター開所というニュースの中継でした。キャリアバンク社では、就職情報誌から市場の概況を読み解き、求人は多いがなり手がいない介護系や、転勤が多いが給料は高い企業など、その企業ごとに特徴を分類します。そして求職者にそれらの仕事をまず知ってもらい、価値を見極めてもらう支援を行っているようです。

「センター長の益山健一さんです」。との流れに、朝の片づけをやめて「おぉ!益山さんだ~」、とテレビにしゃがんで接近しました。おはようございます。最初はさすがに笑顔がぎこちないものの(目が笑ってない)、さわやかな水色ネクタイが効いています。1分ほどのコメントは、「求職者にとっては、年齢の上昇とともに孤独になりがちな就職活動を、ジョブサロ北海道では男性・女性の職員がカウンセリングによって、その人の得意を引き出す支援を行います。ぜひご利用を」といった主旨でした。ばっちり伝わりました。

「以上、レポートでした」と、レポータが言った時「やれやれ無事に終えた」という安堵から見せたやわらかな笑顔、それがいつもの益山スマイルでした。

2010年6月1日火曜日

帯広で映画の上映会(2010/06/06)

最近、あこがれていた中札内村の「想いやりファーム」の牛乳に札幌で出会い、エイヤっと奮発して買って飲んでみた、きたかんリポータきのっちです。うむ・・・確かに、熱処理せず絞ったままの牛乳を瓶詰するのにどんな苦労があったことか。

さて、マメが近年有名な十勝の本別町で農業大学校の先生をしている、きたかんメンバーの松本さんから、催しのPRが、MLに舞い込んできました。帯広方面には魅力的な地域資源があり、各地で頑張る人のネットワークも主体的に構築されていて、活動も活発。私も非常に気になる「十勝モンロー」イズムを感じる地域です。 

松本さんが参加している「北海道スローフードフレンズOBIHIRO」のご案内です。映画が好き、食に関心がある、豚丼食べたいなど、十勝に行く「きっかけ」のご提供です。現場にいるであろう、きたかん松本さん当人を探してみるのもアリです。

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映画 テッラ・マードレ(母なる大地) ~スローフードの世界~上映会

日時=2010年6月6日(日)13:00~15:00 
場所=とかちプラザ(帯広駅南口)
内容=映画上映会
参加=入場無料(160名)
共催=北海道スローフード・フレンズ/十勝毎日新聞社
申込=info@slowfood-friends.org 
http://www.slowfood-friends.org/
 
【映画紹介】
 スローフード運動の創設者カルロ・ペトリーニの原案を、「木靴の樹」(1978)でカンヌ映画祭グランプリに輝いた巨匠エルマンノ・オルミが監督したドキュメンタリー。世界153カ国から7000人が参加するスローフードの国際会議「テッラ・マードレ」の参加者である、ロシアの畜産農家、アメリカンネイティブのワイルドライス生産者、オランダの小規模漁師の夫妻、フィリピンの小規模農家などの生産現場を訪ねて声を集める。
 また、一方でノルウエーの「世界種子バンク」の開所式のもようや、自給自足生活の末、廃屋になってしまった片田舎の家でその意味を語るなど、スローフードの理念を静かに映像美で魅せている。(78分・2009年・イタリア映画)
(・・・中略・・・)

<北海道スローフード・フレンズOBIHIRO>の湯浅優子リーダーからのメッセージ
『シネマ「テッラ・マードレ」は、スローフードの理念を映像を通してみることができる作品です。現代のインパクトの強い映像ではアリマセンが、深く心に染み渡る・・・、流石の内容です!
 イタリアの映画会社と、粘り強く時間を費やし、多くの方が協力してくれて、実現することができました。ギリギリまでの交渉でした。
 どうぞ、多くの方とスローフードの感動を分かち合いたいと思っています。 160名入る会場ですので、皆さんの口コミでその輪を広げてください。よろしくお願いします。』

【おもなきたかんCAST】
・松本さん・・・土からできるもの全般、農作物からワイン、人に至るまで興味深々
・きのっち・・・北海道の宝は牛乳とトウキビ(大好物)。異業種交流の観察マニア