2010年6月6日日曜日

生きた教材づくり@興部町

きたかんリポータ、きのっちです。札幌を離れて6月4日-5日と、北の観光リーダー養成セミナーの敷田麻実座長とともに地域に出かけ、聞き取りや統計の入手など「フィールド調査」をしてきました【写真】。酪農の一方で、出荷する生乳の付加価値を上げ、素材へのこだわりを実現する乳製品加工、その戦略について代表者さんに聞き取りしました。


今回の目的地は道北のオホーツク海に面した興部町。調査の目的は、2010年秋の養成セミナーを受講する人が使う教材「ケースメソッド」づくりのための取材です。教材はいわゆる「既製品」を使わず、手作りしています。本物素材にこだわるレストランオーナーの気持ち(?)に近いかもしれません。

次世代の観光リーダーを養成するには、なかなか「これ1冊を読めば分かる」といった都合のよい教材が浮かびません。むろん、むらおこしや交通政策、中心市街地活性化など観光における「何かの分野に特化して」書かれている本はあります。しかし、都市の札幌や旭川を除いて町村部からなる北海道の実情に即した、道内各地からあつまる現場の人に「読み応え」や課題への「取り組み甲斐」を感じさせるような本は少ない。なおかつ、「事例に対してあなたならこの戦略どう考えますか?」といった「設問つきの本」も少ない。養成セミナーの委員会では「したら、それらを自作しよう」ということになり、1期生の使う教材から製作してきた経緯があります。

そこで、今回は興部。興部といえば酪農と漁業のまちです。
国道と農家の敷地への取り付け道路は、どこも石灰が撒かれて厳重に口蹄疫の予防がなされていました【写真-1】。人の履物も、消毒液に浸して建物の出入りをしていました【写真-2】。大事な牛を守り、安全な食を届ける生産者の苦労に頭の下がる思いです。


このように何度か現地に足を運び、北の観光リーダー養成セミナーは、教材を自前で作ることで、
1.受講生に、地域は生きた教材であることの楽しさと責任を自覚させ、
2.取材した地域側には、受講生が考えた「回答」をフィードバックし、
3.講義で使ったあとは、受講生と地域の関係をつくり交流を続けていく
こうした「思い」を込めて「効果」を予想しています。

また地域を使った教材は、地域側にとってPRの機会でもあります。さらに丹念な取材をして、いつか書籍という形にすることができれば、さらに北海道外の多くの人に読んでもらえます。
きたかん講師陣は、本屋に並べられる質をめざしています(本気)。

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